『ぐちゃぐちゃ』

宮沢 弘

第8回 【RPGが持つ問題】

さて、このコラムは、私がRPGについて不満に思っていることをツラツラと 書き連ねる連載なわけだ(前に言ってたことと違う? 鬱病患者に細かいことを 言ってはいけない)。というわけで、RPGが何故にこうも衰退してしまったのか、 RPGにはどんな問題が有るのかを考えてみよう。ま、それは日本における状況 であって、米国では盛り返している感じがあるのだが。

RPGを遊ぶのに必要な条件を考えてみると、第1に、RPGを遊ぶには、人数が 必要になる。そして中には大きな声を出す人もいる。それに、シートとかを広 げるし、ダイスを振るということも合わせて、ある程度広い場所が必要になる。 さらにはシナリオが必要である。つまり準備が大変である。最後に、時間がか かる。などなどの問題が思い受かぶ。一言で言えば、手間がかかる遊びである ということだ。言うまでもなく、これらの特性は、シミュレーションゲームか ら引き継いだものと言えよう。

今流行りのカードゲームの場合、これとはほとんど逆になる。一言で言えば、 手軽な遊びである。ま、金はかかるかもしれないが。

RPGの持つ問題、あるいはRPGに関連する問題はこれだけではない。雑誌等に おけるRPGの紹介のされかた、日本において出版されるRPGの傾向、プレイヤー の資質なり考え方なり、さまざまな問題が有る。このあたりは、[馬場]さんが いろいろと問題提起をなさっているので、ぜひお読みいただきたい。[小林]に もちょこちょこと問題提起が有るので、お読み頂ければ幸いである。

ま、このように、RPGには不利な状況が山積みなわけであり、RPGが衰退する のは当たり前のことなのかもしれない。しかし、私としてはこのままRPGが消 え去っていくのを、ただ見ているのは忍びない。さて、ではどうしたら良いの だろうか? RPGが消えるのを防ぐための方法はただ1つ。新しいプレイヤーを常 に確保しつづけることだけだ。

そのための方法の1つには、RPGをもっと手軽な遊びにする方向が考えられる だろう。実際、私はその方向で数年来考えているのだが、これがなかなか難し い。そのプロトタイプができるのにも、まだ時間がかかりそうだ(いい加減な ものであれば、すぐにでもできるのだが...)。もう1つの方向としては、手間 をかけるだけの価値があることを周知させるという方向が有るだろう。つまり、 RPGを遊ぶには手間がかかるという問題を認めた上で、それでもなお遊ぶだけ の価値があることをしっかりと認識し、また説明できるようにするということ だ。

次回は、RPGには手間をかけるだけの価値が有るのかについて考えてみよう。 そうそう、この記事に対するご意見などは、skoba@cs.inf.shizuoka.ac.jp ま でお寄せいただきたい。返信するかどうかは分からないが、参考にはさせてい ただく。

参考資料