『ぐちゃぐちゃ』

宮沢 弘

第15回 【ロールプレイ】

さて、「ロールプレイ」というのは、RPGの名称そのものに含まれている言 葉であるのだから、RPGの根幹に関係する言葉であると言えよう。その割に、 「ロールプレイ」という言葉の意味は、明確になっていないように思う。

はっきり言って、私が書くこんな記事を読むよりも、馬場さんの[馬場1]や [馬場2]を読んでもらう方がどれだけ有意義なことか。...しかしそれでは、 TUT- SF研究会会誌中、唯一RPGをまじめに考えているこのページの存在意義が 無くなってしまう。というわけで、無理やりにでも何か書かなければならない。 ま、私もこれまでに[小林1]というのを書いているわけではあるが。

で、上に挙げた参考資料なんかを読んでいると、1つ気づくことがある。そ れは、「システムからの要求とプレイヤーからの要求の解離」ということだ。

システムからの要求は、おそらくD&Dの時代からそう大きくは違っていない。 これはおそらく[小林1]で書いてあるようなことになるだろう。一言で言えば プレイヤー(あるいはPC)間での役割の分担ということだ。

それに対してプレイヤーからの要求というのは[馬場1]や[馬場2]で触れら れているキャラクター・プレイ(あるいはなりきりプレイ)ということになるだ ろう。

とは言え、現在の多くのRPGではD&D程にはプレイヤー(あるいはPC)間の役 割分担というのは明確にはなっていない。それがまたキャラクター・プレイを 助長しているとも言えるだろう。

だが、考えてみてほしい。セッションにおいて本当に役割分担は不要だろ うか? どのようなセッションにおいても(ま、大体においてではあるが)、情 報収集と探索と戦闘は含まれているのではないか? そのそれぞれに対して有能 なPC(あるいはプレイヤー)があたるというのはやはり合理的ではないだろうか。

キャラクター・プレイとロール・プレイはおそらく両立しうるものではな いだろうか。もう一度、ここいらで両者について考え、そして自分達のプレイ を振り返ってみることは有意義なことであろう。

というわけで、今回はここまでだ。次回は、RPGにおける勝利条件について 考えてみようと思う。そうそう、この記事に対するご意見などは、 skoba@hamal.freemail.ne.jp までお寄せいただきたい。返信するかどうかは 分からないが、参考にはさせていただく。

参考資料