『ぐちゃぐちゃ』

宮沢 弘

第16回 【ダンジョンとしてのシナリオ】

さて、2ヶ月程休んでいましたが、今回から再開です。今回は[ダンジョン としてのシナリオ」ということで書いてみようと思います。前回の予告では、 「RPGにおける勝利条件」について書くということでしたが、これが結構たい へんな問題であることに気づいたので変更です。

さて、皆さんはシナリオを書くとき、どのような方法をとっているでしょ うか? シナリオ作成手法は大きく2つに分けられると思います。1つはストー リーの流れに沿って作っていくストーリー主導のもの。もう1つは、発生する イベントを主にしていく、イベント主導のものです。もちろん、どちらが良い とか言う話ではありませんし、また大体において両方の手法を多かれ少なかれ 使っているはずです。

いずれにせよ、シナリオというものを抽象化して考えると、「どこで何が 起こるのか」を書いたものだと言えるでしょう(「いつ」という問題もありま すが、ここでは置いときます。)

これは、別の言い方をすると、「シナリオとはマップとイベントからなる」 と言っても良いでしょう。これは多分にイベント主導的シナリオ作成手法に近 い考え方だとは思いますが、ストーリー主導の場合であっても、できあがった シナリオに対してはやはり同じことが言えることはお分かりいただけると思い ます。

これを一言で言ってしまえば、「シナリオとはダンジョンである」と言え るでしょう。つまり、シナリオ作成とは、ダンジョンを作ることだと言ってし まえるわけです。

もちろん、シティー・アドベンチャーの場合、普通に言うダンジョンとは 異なり、目に見える壁があるわけではありません。しかし、妥当な道筋から外 れられない、あるいは外れたら何も得られないという点で、やはり何らかの道 筋は存在し、そのためやはり目には見えないものの壁も存在しているわけです。

シナリオをダンジョンとしてとらえることには、ちゃんと利点も有ります。 ダンジョン・シナリオの特徴の1つに、シナリオがほぼダンジョンで完結して いる点が挙げられます。シナリオの達成に必要な情報、アイテムはダンジョン 内に揃っていなければならないのです。シナリオをダンジョンとしてとらえる ことにより、この完結性がより明確に意識できるでしょう。あるいは、PCの行 動の順路なども明確化できると思います。

というわけで、今回はここまでだ。次回は、シナリオ作成支援について考 えてみたいとRPGにおける勝利条件について考えてみようと思う。そうそう、 この記事に対するご意見などは、skoba@hamal.freemail.ne.jp までお寄せい ただきたい。返信するかどうかは分からないが、参考にはさせていただく。

参考資料