ソードワールドPBC (Play By Cards) このルールは、通常六面体ダイス二つを使用するソードワールド 以下swと略記)を、トランプのカードを利用して遊ぶための 改編ルールです。 0 プレイ前に 0ー1 準備するもの トランプのカード一式を三組用意して下さい。このうち二組は プレイヤー用、残り一組はマスター用になります。 用意するトランプは、市販のものであれば何でも構いません。 0ー2 カード変更 通常、一組のトランプのカードは、ハート、スペードなどの四種類の記号 (このルールでは「スート」と総称します)ごとに、A(エース)‾K(キング) までの13枚のカードと、ジョーカー数枚によって構成されています。 このルールでは、これらのカードに対し、次のような変更を行います。 ・K及びジョーカーは使用しません。取り除いて下さい。 ・A及び2に記されたスートは無視して下さい。スートには無関係に、 Aはひとまとまりでエースカード、2はひとまとまりでファンブルカード と呼びます。 また、エースカード、ファンブルカードをのぞいたカードはスートカード、 もしくは単にカードと呼びます。 したがって、プレイヤーに用意されたトランプ二組分のカード96枚の 内訳は次のようになります。 ・各スートのスートカード20枚 ・エースカード8枚 ・ファンブルカード8枚 20×4+8+8=96枚です。 0ー3 数値の扱い 武器や防具、魔法、その他乱数要素に関わりのないあらゆる数値は 基本swに準拠します。 また、基本swで「2d6を振る」と指定されている箇所は、何らかの形で カードを一枚以上出す事になります。 1 キャラクター作成 人間やデミヒューマンのあらゆる特徴は基本swに準じます。 1ー1 能力値決定 指定されている副能力値ごとに、カードを一枚引きます。引いたカードの 値が、その副能力値になります。ただし、Aが出た場合はこれを無効にし、 もう一枚引いて下さい。 デミヒューマンの能力値決定で、副能力値にD6もしくは1/2D6が指定されて いる箇所があります。 これらは引いたカードの値を1/2もしくは1/4にしてください。端数は 切り上げです。 能力値ボーナスは基本swと同様にして求めて下さい。すなわち「能力値/6」 (端数きり捨て)が能力値ボーナスになります。 1ー2 グッドスートの決定(オリジナル) 能力値決定で引いた八枚のカードのうち、最も多かったスートを、 そのキャラクターの「グッドスート」とします。 数が同じスートが二種類以上あった場合には、自由に選択して構いません。 グッドスートはあなたのキャラクターと相性のいいスートです。 グッドスートの具体的な意味や効果は、「3ー5 グッドカードの使用」 「4ー2 クリティカル」および「4ー4 グッドカード」を参照してください。 1ー3 出身決定 カードを一枚引き、出た値を生まれ表に照らし合わせて決定して下さい。 Aが出た場合は自由に選んで構いません。 1ー4 所持金決定 生まれ表 2:カードを二枚引き、それに50をかけたものが所持金になります。 3ー11:カードを二枚引き、それに100をかけたものが所持金になります。 12:カードを二枚引き、それに250をかけたものが所持金になります。 1ー5 初期技能及び経験点の決定 基本swに準じます。もしくはマスターさんが指定して下さい。 1ー6 ストックの決定(オリジナル) 完成したキャラクターの冒険者レベルに等しい数が、「基本ストック」 と呼ばれる値になります。 基本ストックやストックの具体的な利用方法は、「5 ストック」を 参照して下さい。 1ー7 行為カードの分配(オリジナル) プレイヤーに用意された二組分のトランプから、プレイヤー1人あたり 5枚のカードを配ります。 このときカードの中に2、すなわちファンブルカードがあった場合には、 それを山に戻し、もう一枚引き直して下さい。 これをファンブルカードがなくなるまで繰り返します。 これは「行為カード」とよばれ、行為判定やレーティング表を振るとき などに利用します。 行為カードの上限は、あらゆる状況において5枚です。6枚以上になって しまった場合は、5枚になるまでカードを捨てて下さい。 行為カードは、例えプレイヤー同士でも、見せたり、数値やスートを 教えたりはできません。 (物理的に可能ですが、なるべくしないで下さい) 2 カードの基本操作 2ー1 基本操作 何らかの行為を判定したり、効果を決定したりするためには、何らかの 方法でカードを一枚(時には二枚以上)切る事になります。 カードの切り方は、大きく分けて3種類あります。 (1)山から一枚カードを引き、行為カードに加え、その中から任意に一枚 選んで切る。 (2)山から一枚カードを引き、それをそのまま切る。 (3)山からはカードを引かず、手持ちの行為カードから一枚任意に 選んで切る。 この三つをカードの「基本操作」と言います。 基本操作3を行った場合、行為カードは一枚減少してしまいますが、 これはある特別な条件を満たさない限り、シナリオ中に自然に回復する 事はありません。 2ー2 切ったカードの扱い 切ったカードは山には戻さず、一か所に集めます。 ゲームが進行するにつれ、山は次第に少なくなります。プレイヤーおよび マスターは、集めておいたカードを任意に山に戻し、シャッフルすること ができます。  3 行為判定 3ー1 基準値 基準値は基本swに準じます。すなわち 「該当技能レベル+該当能力値ボーナス」です。 もちろん、該当する技能がない場合は、能力値ボーナスを加える事は できません。 3ー2 判定 基本操作1、3が適応されます。 基準値にきったカードの数値を加えたものが達成値です。達成値が マスターの定めた目標値以上であれば、行為は成功になります。 3ー3 自動的失敗 基本操作1において、山から引いてきたカードが2、すなわち ファンブルカードであった場合は、プレイヤーはただちにそれを明らかに して下さい。手持ちのカードに加えてはいけません。 これは、基本swにおける「1ゾロ」の扱いになります。どんなに基準値が 高く、どんなに易しい行為であっても、ファンブルカードを引いてきた 場合には自動的失敗となります。 3ー4 自動的成功 行為判定において、切ったカードがA、すなわちエースカードであった 場合は、基準値や目標値に無関係に、その行為は成功となります。 基本swにおける「6ゾロ」の扱いをして下さい。 ファンブルカードと違い、エースカードは行為カードに加え、任意の 状況で出すことができます。 3ー5 グッドカードの使用 グッドスートのスートカード、すなわち3‾Q(クィーン)までを 「グッドカード」とよびます。 グッドカードには、他のカードにはない大きな利点があります。それは、 行為カードの許す限り、グッドカード同士なら何枚でも組み合わせて、 一枚のカードとして切って良い、と言う事です。 たとえば、今、手持ちの行為カードがスペード8、ハート3、ハート6、 ハート8、クラブ10だったとします。 何か、どうしても失敗できない行為をしなければならない状況です。 ファンブルが怖いので、彼は基本操作3を行う事にします。 つまり山からは引かず、手持ちのカードから選んで一枚切るのです。 彼のグッドスートがスペード(あるいはハート以外の何か)であった場合、 クラブ10を出すより選択はありません。 ただし、彼のグッドスートがハートであれば、彼はハート3、ハート6、 ハート8を自由に組み合わせて出すことが できるのです。ハート3とハート8を組み合わせればハート11、 全て同時に出せばハート17となります。 このように、グッドカードを使用する場合には、通常では考えられない ような高い達成値を得ることができます。 グッドカードを組み合わせて利用すると、行為カードは減少してしまい ますが、これはある特別な条件を満たさない限り、シナリオ中に自然に 回復する事はありません。 3ー6 「ひら目」 行為を行うキャラクターが、その行為に該当する技能を持っていない 場合の判定、いわゆる「ひら目」で振る場合は、基本操作2を適応します。 4 レーティング表 4ー1 レーティング表の振り方 基本操作2、3を適応します。 4ー2 クリティカル 通常の武器攻撃や、攻撃魔法で目標が抵抗に失敗した場合のダメージ決定 など、クリティカルが発生しうる場合において、切ったカードが クリティカル値以上のグッドカード、もしくはエースカードであった 場合のみ、クリティカルが発生します。エースカードは「Q」として 扱って下さい。 グッドスート以外のスートでは、クリティカルは発生しません。表から 得られた結果をそのまま適用して下さい。 4ー3 ファンブルカード 基本操作2で、引いてきたカードがファンブルカードであった場合は、 基本sw「1ゾロ」の扱いに準じます。 すなわち、初めてレーティング表を振る場合には、その行為自体が 失敗したとみなし、いかなる結果も現れません。 クリティカル後であれば「0」とみなします。 4ー4 グッドカード レーティング表を振る場合には、通常の行為判定のようなグッドカードの 使用方法はできません。 すなわち、ハート3とハート8を組み合わせてハート11とし、クリティカル を発生させるような事はできない、という事です。 5 ストック 5ー1 ストック 基本操作2を行ったり、あるいはグッドカードを使用したりすると、 行為カードは減少していきます。そのままでは、選択の幅がどんどん せばまり、難しい状況になってしまいます。 ただし、プレイヤーは残っているストックの分だけ、シナリオ中の 任意の状況で、自由に行為カードを回復させることができます。 使用したストックの分だけカードを引いて下さい。 これらのカードにファンブルカードが含まれていた場合は、ファンブル カードを山に戻し、その分だけ引き直して下さい。 ストックを使用した結果、行為カードが6枚以上になってしまう事が あります。この場合には、行為カードが5枚になるまで、任意の カードを切って下さい。 5ー2 ストックの増加 シナリオ開始時に、各PCは基本ストック(=そのPCの冒険者レベル)の値の 分だけのストックを持っています。 ストックはカードを回復させるごとに減少しますが、次のような方法で ストック自体も増加させることができます。 ・マスターの慈悲 マスターは、そのPCの性格を反映したプレイヤーの見事な言動に対し、 自由にストックの増加を許可できます。また、このままではミッション クリアが難しいと思ったときにも、マスターは自由に(慈悲と称して) ストックの増加を許可して下さい。 ・経験点で買う シナリオ中、プレイヤーは経験点500点と引き替えに、自由にストックを 1点「買う」ことができます。 ただし、「借金」はできませんので注意して下さい。 増加するのはストックであって基本ストックではありません。また、 基本ストックはストックの上限を示すものではありません。名ゼリフや ナイスプレイを連発すれば、ストックは無限に増加していくのです。 5ー3 ストックの減少 また、次のような状況に対し、ストックは減少していきます。ただし、 0未満になることはありません。 ・カードを回復させる 1ストックを消費する事により、カードを一枚回復できます。 ・マスターの制裁 マスターは、プレイヤーの言動がそのPCをうまく演じていないと 思えたとき、自由にそのPCのストックを(試練と称して) 没収することができます。 シナリオ終了と同時に、ストックは基本ストックの値に戻ります。 ストックが減少していたら、それを基本ストックの値に戻して下さい。 仮に、ナイスプレイの連発により、ストックの値が基本ストックを 越えていた場合でも、次のシナリオ開始時には、また基本ストックの 値で始まります。 ストックは次のシナリオには持ち越さないと言う事です。 5ー4 基本ストックの成長 基本ストックは、そのPCの冒険者レベルが上昇するに従い、成長して いきます。 6 その他 6ー1 協力行動 何か一つの行為判定に対し、複数で協力した方が効率が良い行為が あります。 このような場合、プレイヤーは協力者一人に対して1枚のカードを交換 することができます。 これを行うときは、プレイヤーは簡単で構いませんから、なんらかの 演出を行って下さい。 ここで言う演出とは、PCとして、何か気の利いた一言をいったり、動作を 表現したりする事をさします。 協力者の一人が、交換できるカードを持たない場合には、この行動は 行えません。 6ー2 援護行動 これは主に戦闘で発生する状況です。ですから、戦闘オプションの一つ と言った方がよいかもしれません。 PCは、そのターンの行動を他のPCの行動の援護に専念する事で、彼に カードを一枚譲渡することができます。 これを行うときは、プレイヤーは簡単で構いませんから、なんらかの 演出を行って下さい。 7 マスター マスターは専用に一組のトランプを用意します。カードの変更などは 「0ー2 カード変更」に準じます。 7ー1 判定カード マスターは常に5枚のカードを使用できます。これを、プレイヤーの 行為カードに対して「判定カード」と呼びます。仮に何らかの行為の結果 判定カードが減少したとしても、マスターはすぐにそれを補充することが できます。 これは、一人で複数のNPCを操作したり、行為の判定をしたりしなければ ならないマスターの負担を、少しでも減らすための処置です。 マスターという「神」には、無限のストックが与えられているのです。 7ー2 NPCのグッドスート 基本的に、モンスターにはグッドスートが存在しません。 重要なNPCのみ、グッドスートを決めておけば良いでしょう。 これで、このルールの基本的な部分は終わりです。 以下に示すのは、このルールを更に改編した追加ルールです。 マスターは、この内のいくつか、あるいは全てを自由に採用することが できます。 1 キャラクター作成に関する追加ルール 1ー1 人間の扱い このルールでは、基本swに比べ、能力値のばらつきが非常に大きくなって います。意外に大きな確率で、能力値ボーナスが全て3以上になったり、 あるいは1以下になったりもします。これが、 「人間とは平均的な能力値を持つ種族である」という、基本swの指向に そぐわないと思った場合には、以下のルールを採用して下さい。 副能力値決定時、カードを一枚引く代わりに、自動的に7を選択すること ができます。 ただし、二つ以上連続した副能力値に、これを適応する事はできません。 つまり、副能力値Aに「7」を選んだ場合には、副能力値Bに「7」を 選ぶ事はできないし、副能力値Cに「7」を選んだ場合には、副能力値B、D 共に「7」を選ぶ事はできません。 離れている副能力値であれば、いくつでも「7」を選択することが できます(上記の条件により、最大でも4か所までに制限されていますが)。 副能力値DとEは離れているとみなします。 どこに「7」を選択するかは、カードを一枚も引く前に全て決定して 下さい。 「7」を選択した副能力値は、スートは「無色」と考えます。 グッドスートを決定するときは、選んだ「7」は無視します。 2 デッドスート 副能力決定時に、もし一枚も引かなかったスートがある場合、そのスートは 「デッドスート」と呼ばれる不幸のスートになります。 あなたのPCとは徹底的に相性の悪いスートです。 デッドスートのスートカードは「デッドカード」とよばれ、行為判定に デッドカードを使用すると、その値が3であろうがQであろうが全て 「0」とみなします。 自動的失敗ではありませんので、行為が失敗すると言う事はありません。 基準値がそのまま達成値になります。 レーティング表を振る場合に使うと、カードやキーナンバーの値に かかわらず、得られる値は「0」となります。追加ダメージ (ダメージ減少)がそのままダメージ(ダメージ減少)になります。 ただし、世の中悪い事ばかりではありません。デッドカードを二枚 使用するごとに、そのPCはストックを一つ増やすことができるのです。 注意して下さい。例えデッドスートでも、Aは常に自動的成功です。2は もちろん自動的失敗です。 このルールは、プレイヤーがTRPGになれ、アクシデントをも楽しみ、 うまく演出できる場合には有効なルールとなります。序盤のつまらない 行為ではあえてデッドカードを切って失敗し(成功するかもしれませんが、 通常、そのような行為(基準値のみで成功するような行為)を、マスターは 宣言しないでしょう)、ストックを稼いでおいてクライマックスで大いに 活躍する、というような演出が考えられます。 また、一人にとってはデッドカードであっても、別のPCにおいては グッドカードであるような状況も十分に考えられます。協力行動や 援護行動を利用して、上手に利用して下さい。 仮に、めったに発生しませんが、デッドスートが二種類以上できて しまった場合には、ゲームが崩壊する恐れがあります。 どれか一つのみをデッドカードとして選択して下さい。 デッドスートのルールが面白いと思うマスターは、 「一枚も引かなかったスート」ではなく、「一番少なかったスート」を デッドスートとして宣言する事もできます。 3 デッドストック デッドストックとは、マスターが発行できるデッドカード(のようなもの) に相当します。 ある行為に対し、マスターがこれを宣言すると、そのPCが切ったカード をデッドカードとして扱うことができます(つまり、基準値がそのまま 達成値になってしまうのです)。 ただし、これを宣言されたPCは自分のストックを一つ増加させることが できます。 マスターはこれを上手に利用し、PCの序盤の危機を演出して下さい。 どうしてもPCに失敗してもらいたいときなどには重要です。 4 ご都合スート&ご都合カード 巷に出回るヒロイックなストーリーを見ると、主人公たちの行動原理は 大抵ご都合主義によって貫かれているようです。以下のルールは、 このご都合主義を演出するためのものです。 このルールを適応した場合、グッドスートはご都合スートと呼ばれます (呼ばなくてもいいですが、通常のグッドスートとは区別するため、 ここではこの仮称を使用します)。 もちろん、グッドカードはご都合カードになります。 ご都合カードは以下の効果を発揮します。 4ー1 グッドカード ご都合カードは通常のグッドカードとしての効果を持ちます。当然ですが。 4ー2 フェイント切り これはグッドカードの使用の変形です。戦闘における攻撃と回避や、 魔法の抵抗など、相対する競合者がいる場合には、「フェイント切り」と 呼ばれる特種なカード操作ができます。 これは、ご都合カードを一度に出すのではなく、相手の力量(カード)を うかがいながら、一枚づつ加えていく方法です。グッドカードでは、 せっかく3枚を組みあわせて高い達成値を得られたにもかかわらず、 相手が異様に低いカードを切って、それらが無駄になってしまう という、悲劇的な状況が起こりえます。このルールはそれを回避するため のものです。 4ー3 複数攻撃 目標のモンスターレベル(あるいは冒険者レベル)以上のご都合カードを 切る事により、複数攻撃が可能になります。増える攻撃回数は、切った ご都合カードの枚数です。 4ー4 魔法発動 切ったご都合カードの値を精神点とみなし、魔法を使用することが できます。ただし、以下の条件を全て満たしている場合に限られます。 ・そのPCの精神力が、その魔法を使用するのに耐えられない(消費精神力 未満である) ・余った精神点を保持する事はできない(他の魔法に使う事はできない) ・拡大はできない つまり、ソーサラー技能3のPCがファイヤーボール(基本消費精神力15)を 発動させようとした場合、彼の精神力が5点以上残っている場合は、 この方法をとる事はできません。また、彼がご都合カード10を切ったと しても、余った5点は消えてしまうし、2倍消費する事もできない、 と言う事になります。 4ー5 その他 その他、考えられるあらゆるご都合主義を演出できます。例えば、 どう考えても知らない事を知っていたり、いるはずのない場所に 出現したり、持っているはずのない物をもっていたり、などです。 マスターは、これらの宣言をプレイヤーが行った場合、実行するのに 必要なご都合カードの値を指定して下さい(これを仮に「ご都合値」と 呼びます)。プレイヤーに有利で実行が難しい程、ご都合値は 大きくなります。 いくつか例を挙げておきますので、これらを参考にして下さい。 ・「複数攻撃」ご都合値:目標のモンスター(あるいは冒険者)レベル 切ったご都合カードの枚数だけ、攻撃回数をますことができます。 複数攻撃であれば、このように表記できます。 ・「かばう」ご都合値:5 他のキャラクターに命中した物理的攻撃を、自分が肩代わりすることが できます。 ・「失敗を成功にする」ご都合値:目標値ー達成値 一つの行為の失敗を成功にすることができます。 ただし、これは生死判定には使用できません。 ご都合カードを使用する場合は、プレイヤーは簡単で構いませんから、 何らかの演出を行って下さい。 このルールを使用すると、PCは非常に強力な存在になります。 プレイヤーは、その有利さに振り回されるのではなく、有利さによって 生まれる余裕を生かして、よりキャラクターの表現に力を注いで下さい。 追加ルールは以上です。 -------------------------------------------------------------------- リデザイナーズ・ノート ルールに関して、多少の註を書かせてもらいます。 1 自動的失敗/成功の確率 基本swに比べ、このルールでは自動的失敗や自動的成功が非常に発生 しやすくなっています。 確率にすると、基本swの1/36なのに対し、このルールでは(プレイヤーの 人数にもよりますが)1/10‾1/9にまで増加しています。 市販のルールの中には、この程度のファンブル率を誇るゲームも結構 ありますので、それほど問題にはならないとは思いますが、気になる ようでしたらエース/ファンブルカードの枚数を減らして下さい。 およそ2‾3枚で基本swの確率に近くなります。 2 デミヒューマンの副能力値の期待値 D6、1/2D6をカードの値の1/2、1/4で代用していますので、期待値が若干 高くなっています。 D6の期待値が3.5なのに比べ、カード1/2ではおよそ3.7になります。 もともと基本swのデミヒューマンは異様に強いので、この程度の上昇は 余り意味がないと思うのですが、気になるようでしたらキャラクターの 作成のみ、ダイスを使用して下さい。 この場合、グッドスートなどは別に引いて決定して下さい。 3 グッドスートの重複 スートは四種類しかありませんので、多くの状況でPC間のグッドスートが 重複する事があります。 余りに偏るようでしたら、マスターはこれを調整して構いません。 ただし、重複しているのが二人程度であれば、それはそれで面白いかと 思います。 「俺はこんなに不幸なのに、なぜあいつはあんなにつきまくってるんだ」 ということは、現実の我々の世界でも頻繁にお目にかかる光景では ないでしょうか? このルールの根底に流れる思想、それは 「世界中の運命量は常に一定」 「でも、自分の運命くらいは自分で決めてやる! 」 ですから。 4 行為カードの枚数 行為カードを5枚としたのは、多少の確率的問題はあったにしろ、完全に わたしの趣味です。絶対的根拠は全くありません。 このカードの枚数は、「その世界において、個人の意思がどれだけ世界に 影響を与えることができるか?」を指し示すバロメータです。 基本swでは、この値は「0」です。 わたしは、最近のプレイヤーの嗜好が、当初の「数値重視の遊び」より、 どちらかと言うと「ストーリー重視の遊び」に近付いていると思い、 またわたし自身がそういうプレイスタイルの方が好きなので、 このルールにはそれを実現する補足が多くなされています。 本当のところは、5枚では少し多いかなという気はするのですが、 テストプレイでは結局5枚で通してしまったため、他の値だと どうなるのか、あまり自信がありません。 取り合えずの目安として、5枚を提案します。マスターの嗜好や プレイヤーの人数にあわせて、自由に上下して下さい。 この改定ルールに関するお叱りやご意見ご感想などは、もしありましたら、 下記の住所までお手紙あるいは電子メールでご連絡下さい。 Zip 606 京都市左京区松が崎呼返町 5 三宅徳子方 横田靖史 E-mail <40587029@ex.ecip.osaka-u.ac.jp> それでは、良いプレイを!