まず、Dream Parkというは、その小説の中で設定されている いわゆるアミューズメント・パークです。 その目玉は、科学技術の粋を集めたLive Role Playing Game システムにあります。 そこでは、役者、ロボット、ホログラフ、ゴーグルを使用した視覚調整などなどを 利用し、実にリアルな環境においてLive Role Playing Gameを行なうのです。 例えば、空にはドラゴンが飛びますし、 魔法使いはファイアー・ボールを飛ばせますし、 スーパーマンやマッドサイエンティストは怪光線を出せるわけです。
もちろん、それはSF小説の中でのお話。 現実にそんな施設はなかなかできるものではありません。 しかし、そんなアミューズメント・パークで、あなたもすぐに遊べるのです。 そう、 Dream Park RPGで。 ちなみに、アメリカの方ではDream Parkを現実のものとしようという 運動というか構想が有るそうです.....が、ホログラムなんかどうすんでしょう? ホログラム無しでゴーグルだけでやるとしても、 ものすごい計算コストがかかりそうだし..... でもできたら良いなぁ
というわけで、ちょっとややこしいですが、 このDream Park RPGは、Dream Parkの中のLive RPG に参加している人を PCとして遊ぶRPGなのです。 これはちょっと面倒なので、単純に、「あなたがDream Parkに遊びに行き、 Live RPGに参加する」というRPGだと捕えても良いかもしれません。
なお以下では、Dream Parkと言えば、Dream Park RPGのことを指します。
そして、あくまでLive RPGですからシステムは簡単に、 しかしシナリオしだいで様々な世界で遊べるように汎用になっています。 そのため、判定は1d6だけという単純なシステムになっています。 また、汎用であるために、様々な技能、魔法・奇跡・超能力、スーパーパワー、 そして物品が設定されています。
さてここで、通常のRPGですと、そのリアリティーなどを問題にする 人もいることでしょう。 しかしDream Parkではそんな問題は一切ありません。 なぜなら、皆さんが遊ぶのは、もともとゲームへの参加者だからです。
で、私自身、どこが気にいっているかというと、まずは着眼点です。 つまりセッションが実はゲーム内ゲームにすぎないという着眼点です。 また、それゆえにと言って良いでしょう、 「こんな汎用システム構築法が有ったのか!」という点です。 つまり、これまでRPGと言えば、ある世界の法則などをルールとして 書き出すという感じでルールを読んで、あるいは書いていました。 しかしこのDream Parkでは、ルールはしょせんゲームのルールを 記述しているのみにすぎません。 もちろん、そこでは「そのゲーム内ゲームにおけるルールは、 その世界の法則を表現しているべし」とは言えますが、 あくまでそれはゲームという認識のもと、 そして技術的な妥協にもとづいて決定されたルールにすぎないわけです。 ですから、あまり細かいことを考えなくても良いわけです。
また、簡略なシステムで汎用になっている点も気にいっています。 これも結局は上のパラグラフで書いたようなことから得られる 結論なのでしょうけど。
そうそう、忘れてはいけないのがルール・ブックの導入部です。 ここでは、読者はDream Parkの Live RPGシステムを見学に来た人として、 小説の方での有名人がDream Park Live RPG システムの各所を案内してくれる という構成になっています。 もちろん、NivenとBarnesがDream Park Live RPGのためのシナリオを書いていたりと、 笑わせてくれる部分も有ります。
あとは、原則として世界設定が無いということ。 汎用であるということと、ゲーム内ゲームということから、 あたりまえかもしれません。 もっとも、3つほどのサプリメントが出ていまして、 そちらでいろいろと背景世界も設定されています。 ただ考えてみれば、しょせんはゲーム内ゲームであって、 PCもゲームに参加しに来ているわけで、 そのゲーム内ゲーム内世界の詳しい歴史だの詳しい地理だのに気を払うわけもない というのは言えるでしょう。
それから攻撃によるダメージの判定がちょっと面倒ということ。 まぁダイスは1d6だけなのに、素手から波動砲(^^;)までのダメージを扱えなければ ならないというのもかなり無理が有る話です。 そのためダメージを得るにはちょっとした表引きが必要になります。 もっともこれは大した問題では無く、慣れれば良いだけの話です。