空には、昔、作られた城がいくつも浮かんでいる。そこには、昔から長寿 属が住んでいる。
長寿属については様々な伝説がある。ある者は、長寿属は神だと言い、ま たある者は悪魔だと言う。そして魔法使いの持っている小さな箱は、悪魔との 契約書が入っているという者もいれば、聖なる印が入っているという者もいる。 あるいは、長寿属の使いの精霊や魔物が封じ込まれているという者もいる。魔 法使いは、ともかくその箱で、城に住む長寿属に願いを伝えると言われている。
もっと奇妙な伝説も有る。長寿属は我々の祖先が作ったというのだ。長寿 属とは考える石だと言うのだ。だが、石が考えるはずはない。そんな石が有る としたら、それは神の御業か、悪魔の所業に違いなかろう。
このような伝説がいくばくかの真実を含んでいるのか、あるいは単なる伝 説にすぎないのかが分かる日は近い。我々の発展は目覚しい。遠くない未来に は、我々が直接、その城に行き、この目で真実を確認できるだろう。