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# 魔法
魔法はプラーナを制御して、人間の役に立たせる行為を指します。また魔
法に長けた者は魔道師と呼ばれ、彼らは一般の人に安全かつ簡単なプラーナの
利用法を教え広めています。なお、邪悪な者が己の欲望のためにプラーナを利
用することは妖術と呼ばれています。
魔法を実際に行使する場合には、プラーナをコントロールするための言葉
(一般に呪文とに呼ばれる)を組み合わせて使用します。もちろん、プラーナを
コントロールするためには精神の集中もかかせません。
一般の人々も、生活に必要な様々な魔法を行使します。しかし、一般の人々
に広まっている魔法の数はそれほど多くなく、また危険も少ないものに限られ
ています。魔法は非常に危険なものとなり得るために、高位の呪文は魔道師が
管理し、一般人にむやみに広まらないようにしているのです。
一般の人はプラーナのコントロールに関して、応用性のない方法しか魔術
師から教わることはできません。そのため、呪文投射技能を所持してない呪文
を投射することはできません。魔術師はプラーナを完全にコントロールすると
同時に、自らがプラーナの力のために精神を崩壊させることを防ぐために厳し
い精神修練を積みます。このため魔術師は見習い時から戒律を守るよう師匠に
命じられます。この戒律の内容は魔術師によって様々ですが、師匠はその戒律
を守らせることによって弟子の精神修行の助けとしています。このため、魔術
師は一人前になっても、精神修行を続けるために戒律を守り続けます。
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## 呪文の習得
呪文はPCの作成時に親和力の能力値レベルをそれぞれの呪文投射技能に配
分することによって習得することができます。関連能力値には教育値も含まれ
ていますが、呪文投射技能に関しては例外的に、親和力のみを割り振ることに
なります。また、呪文は後述の呪文リストから選択して下さい。その他の点で
は、普通の技能の習得の場合と同じです。
一般の人間は、作成したときに習得した呪文以外は、新しい呪文を習うこ
とはほとんどできません。魔術師のみが0 レベルの呪文投射技能を成長させる
ことができます。
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## 呪文の投射
呪文を投射は以下のような手順で行います。
- 呪文の投射の宣言をします。
- 呪文に必要なプラーナを呼び出します。 プラーナの呼び出しにかかる
時間は2ポイントにつき1Turnです。ここで用いるプラーナ数*0.5に等しい ポ
イント数を、後に健常度から減らさなければなりません。
- それぞれの呪文投射技能で判定を行います。呪文の効果に抵抗しよう
とする人物等に投射するときは、 相手の親和力と対抗判定を行い、それに勝
たなければなりません。 これは抵抗する相手が呪文をかけられていることが
わかっていることが条件です。
- 判定が成功したら呪文は術者の望む効果を発揮します。 健常度を使用
した分だけ減少させます。その際、呪文で減少した健常度がいくつになるのか
を メモしておいて下さい。もしも、術者の健常度が、足りない場合は、 呪文
を発動できません。ただし、 効果の拡大を行なったために健常度が足りなく
なった場合は、使用可能な範囲内で最大の効果を発揮します。
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## 健常度の消費
PCは魔術を使った場合、一時的に健常度を失います。呪文の投射に成功し
たときは使用したプラーナ*0.5だけ健常度を減少させて下さい。失敗したとき
は、1 ポイントだけ健常度を減少させて下さい。呪文の投射に成功したが相手
に抵抗されてしまって効果がなかったときも、使用したプラーナ*0.5だけ健常
度を減少させて下さい。また、その結果健常度が0になった場合には、 呪文は
発動しますが術者は気絶してしまいます。
また、何らかの理由で、魔法の投射を中断する場合も、健常度を 1つだけ
減らします。
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## 健常度の回復
ここで言う健常度の回復は、魔術による健常度消費分のみを対象としてい
ます。
魔術師は瞑想を行うことにより、15分間に1 ポイントの健常度を回復させ
ることができます。このとき、魔術師は外界に対して無防備になります。つま
り瞑想状態の魔術師は他人が自分に何をしようとしていても何も抵抗できませ
ん。瞑想は魔術師の意志で中断することができますがその場合でも1 ターンは
瞑想を解くという行動以外に何もすることはできません。なお、瞑想によって
回復する健常度は、魔法を使ったことによる減少分だけです。
一般人の場合は1時間に1ポイントの割合で、健常度が回復します。瞑想を
行わないときの魔術師も同様です。なお、これによって回復する健常度も、魔
法を使ったことによる減少分だけです。
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## 判定の修正
判定を行う場合以下のような修正がつきます。
声を出さずに呪文を投射する | -1 |
呪文投射中に物理的衝撃を受ける | -1 |
精神集中が困難な状態(GMの判断による) | -3 |
長時間の呪文儀式(10分毎に) | +1 |
その他の場合 | GMの任意 |
場合によっては、これらが複数加算される場合もあるでしょう。
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##呪文の達成値
呪文を使用した時にその達成値が知りたいときは、呪文に使用したプラー
ナの量を基本達成値として達成値を求めます。魔法抵抗値は0.5とします。
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##プラーナの追加使用
状況によっては、自分が持っている呪文では効果が期待できない場合もあ
るでしょう。そのような時は、呪文に必要なプラーナより余分にプラーナを使
用して、その効果を拡大することができます。拡大の効果は以下のようなもの
に分類されます。
- 効果時間の延長
- 呪文の有効範囲の拡大
- 効果の拡大
- 呪文の対象になる人数の増大
ただし、魔術士以外の人は、複数の効果の拡大はできません。つまり、一
般人は効果時間の延長を行ったなら、それ以外の効果の延長はできないという
ことになります。それに対して魔術士は、上記のすべてを拡大することが不可
能ではありません。なお、それぞれの呪文における拡大については、それぞれ
の呪文に関する解説の中で行います。
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##呪文リスト
以下に一般人が使うことができる呪文と一般に知られている魔術師が使う
呪文を記しておきます。なお、追加プラーナに関しては、その魔法によって得
られる効果に追加する分のみを計算して下さい。たとえば、発火呪文の場合、
射程は10m ですが、これを30mにしたい場合、30mのクラス値は10、10mのクラ
ス値は7ですから、追加分は10 - 7 = 3となり、3プラーナを追加することにな
ります。これに発火の必要 プラーナ1を加え、1 + 3 = 4 プラーナを使用する
ことになります。
-
同調
- 必要プラーナ : 0
- 効果時間 : 1魔法
- 効果対象 : ---
- 呪文射程 : ---
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- 同調を行う技能です。同調しようとする者の内、隣り合ってい
る者同士が0.7m以内にいれば、何の問題もありませんが、それを超えるようで
あればその距離クラス値に等しいプラーナを追加して下さい。
-
発火
- 必要プラーナ : 1
- 効果時間 : 一瞬
- 効果対象 : 一つ
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- 乾いた薪・ろうそく・ランプなどに点火する呪文です。これを
攻撃用に用いる場合、必要プラーナに加えて、ダメージの基本達成値に等しい
プラーナを追加して下さい。射程に関しては、mを単位として、距離のクラス
値- 7に等しいプラーナを追加して下さい。
-
奇跡の井戸
- 必要プラーナ : 3
- 効果時間 : 一瞬
- 効果対象 : 特殊
- 呪文射程 : 接触
- 使用制限 :
- 解説 : なし
- 手から1リットルの水を出すことができます。 荒野を旅するの
に便利な呪文と言えるでしょう(日常でも役に立ちます)。1 リットルを越えて
わきださせたい場合、その水の量(リットルを単位とする)のクラス値-1に等し
いプラーナを追加して下さい。
-
癒し
- 必要プラーナ : 1
- 効果時間 : 一瞬
- 効果対象 : 一人
- 呪文射程 : 接触
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- 軽傷を癒す呪文です。使用プラーナ+1だけ健常度が回復します。
それ以上の回復を行いたい場合は、回復させたい健常度数に応じてプラーナを
追加して下さい。
-
光
- 必要プラーナ : 2
- 効果時間 : 1時間
- 効果対象 : 一つ
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- 直径10mを照らす光をつくりだす呪文です。1時間の間照らし続
けます。継続時間は分単位でのクラス値-12、範囲や射程はm単位でのクラス値-
7 (継続時間)、に等しいプラーナを消費して下さい。 空中を光らせることも
できますし、特定の物を光らせることもできます。
-
微風
- 必要プラーナ : 2
- 効果時間 : 10分
- 効果対象 : 直径10m
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- そよ風(だいたい10m/turn程度)をつくりだします。効果を拡大
すると、突風を巻き起こすこともできます。風の強さの拡大はm/Turn、継続時
間は分単位、射程はm単位でのクラス値-7の差に等しいプラーナを追加して下
さい。
-
肉体増強
- 必要プラーナ : 3
- 効果時間 : 10分
- 効果対象 : 一人
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- 肉体の能力を1ポイント、10分間だけ上昇させます。 これによっ
て技能判定の成功率が上昇します。上昇の限界は本来の能力値の1.5倍で、 こ
れ以上の上昇分は切り捨てられます。また、能力値の最大値は15までです。こ
れはそれ以上に上昇させると呪文の対象となった者の生命に関わるからです。
2 ポイント以上上昇させたい場合は、その追加分に等しいプラーナを追加して
ください。継続時間に関しては分単位、射程は1m単位でのクラス値-7に等しい
プラーナを追加して下さい。なお、この魔法によって能力値を上昇させた場合、
魔法が解けるのと同時に、対象は全上昇分に等しい健常度を減少させて下さい。
-
飛行
- 必要プラーナ : 4
- 効果時間 : 30分
- 効果対象 : 一人
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- この呪文によって呪文の対象になった者は、30分間自らの意志
で空中を飛行することができます。このとき、飛んでいる人間は基本システム
の重量ルールに示されているだけの荷物をもって、走るのと同じ速度で飛ぶこ
とができます。拡大する場合、継続時間は1分単位でのクラス値-10、射程は1m
単位でのクラス値-7に等しいプラーナを追加して下さい。
-
感情制御
- 必要プラーナ : 3
- 効果時間 : 特殊
- 効果対象 : 一人
- 呪文射程 : 接触
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- 相手に一つの感情を押し付けます。押し付ける感情は怒り、喜
び、悲しみなどきわめて単純なものです。この結果かけられた相手は、突然わ
けもなく機嫌が悪くなったり、笑いだしたりします。
この呪文はある意味では邪悪なものです。状況を判断して使わないと大変
なことになるでしょう。もちろんそのような状況の判断ができる人でないと魔
術師はこの呪文を教えてくれないでしょう。
効果は呪文をかけられた人が感情を変化させるような出来事が起きるまで
続きます。たとえばこの呪文のために怒っている人は何かいいことがあれば機
嫌をなおし元の状態になるでしょう。拡大に関しては特に明確な指針はありま
せん。ただ感情を強くするため1ポイントの プラーナを追加して下さい。+2ポ
イントまでの追加ができるものとします。
-
注目
- 必要プラーナ : 2
- 効果時間 : 特殊
- 効果対象 : 直径10m
- 呪文射程 : 特殊
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- 術者から直径10mの範囲にいる生物が、 術者が示した目標に向
かって注目します。注意をそらせるなどの使いかたや演説をしたい時などに便
利な呪文です。この呪文の効果を受けた人は最低でも10秒(1Turn)は目標に注
目します。それ以上の時間、生物が注目するかは術者の示した目標次第です。
拡大は、継続時間ではTurn数のクラス値-1、範囲では直径の1mを単位とするク
ラス値-7に等しいプラーナを追加して下さい。
-
幻夢の歌
- 必要プラーナ : 2
- 効果時間 : 特殊
- 効果対象 : 直径10m
- 呪文射程 : 特殊
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- これは術者が話すことを幻覚として写す魔法です。術者の直径
10m 以内にいるものは術者の話す光景の幻覚を見ます。術者は見せたい光景に
ついて詳しく話さなくてはなりません。これは術者が光景について話している
限り持続します。よく吟遊詩人がサーガを歌うときなどに使用します。
この幻覚は術者の説明が聞こえていなくても直径10m以内にいれば、 幻覚
は見えてしまいます。これを利用して、低級の幻覚呪文としても使用できます。
なお、拡大は、範囲では1mを単位とする直径のクラス値-7、継続時間は分単位
のクラス値に等しいプラーナを追加して下さい。
-
トイドール
- 必要プラーナ : 3
- 効果時間 : 10分
- 効果対象 : 一体
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : なし
- 解説 :
- マリオネット程度のものを動かします。動かせる物の条件はそ
れに自由に動く部分(操り人形の関節など)があるということです。つまり操り
人形は歩かせることができますが。箱を動かすことはまずできせん (遠くから
蓋を開けることはできるかも知れません)。術者は物を動かす間、 その動く様
子を頭の中にイメージする必要があります。途中でイメージが途切れると動か
していたものは止まってしまいます。拡大に関しては、継続時間の場合は分単
位でのクラス値-7、また射程に関しては1m単位でのクラス値-7に等しいプラー
ナを追加して下さい。
-
変身
- 必要プラーナ : 4
- 効果時間 : 特殊
- 効果対象 : 一人
- 呪文射程 : 接触
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- 肉体を変化させて別の人間や生物に変身します。達成値 (追加
達成値のみ) * 10分間、変身しています。術者がよく知っている生物や人物で
なければなりません。またこの呪文で体型も変化することができますが、その
上限は身長、体重とも本来のものの1.5倍までです。下限は ネズミ程度まで小
さくなれます。色々な生物に変身する場合は、変身の度に呪文をかけなおして
下さい。拡大に関しては、10分単位でのクラス値に等しいプラーナを追加して
下さい。このプラーナは達成値に加えて計算します。
-
浄化の炎
- 必要プラーナ : 4
- 効果時間 : 一瞬
- 効果対象 : 一体
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- ジャールなどプラーナの暴走によって変貌してしまった生物の
みに効果のある攻撃呪文です。基本達成値 3のダメージを与えることができま
す。この炎はイメージ的なもので、この呪文のために火事になることはありま
せん。またこの呪文のダメージはアーマーで防ぐことはできません。拡大に関
しては、射程に関しては1m単位でのクラス値-7、ダメージの場合は追加するダ
メージに等しいプラーナを追加して下さい。
-
火花
- 必要プラーナ : 3
- 効果時間 : 1ターン
- 効果対象 : 一体
- 呪文射程 : 10m
- 使用制限 : 魔術師のみ
- 解説 :
- 火花を頭上から相手に浴びせて達成値分(基本達成値 1)のダメー
ジを与えます。また呪文のかけられる相手は火花で周りが見えにくくなるため
に、そのターンと次回のターンでの行為判定に-2の修正が加えられます。この
火花は、特定の目標についてまわりますので、逃げられません。このダメージ
はアーマーで防げます。拡大に関しては、継続時間の場合はTurn数のクラス値、
射程に関しては1m単位でのクラス値-7、ダメージに関しては追加分のダメージ
に等しいプラーナを追加してください。なお、行為判定の修正値に関しては拡
大できません。
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##呪文の作成
魔法呪文はGMのみが新しく作ることができます。GMは呪文の作成に当たっ
て以下のような手順を行って下さい。この際、基本システムの魔法の項を参考
にして下さい。ただし、とらわれる必要はありません。
- 効果と名前を決める。
- 効果にしたがって以下のように必要プラーナを決定する。
- その呪文の難易度によって必要プラーナを1から5に設定する。
(簡単な効果→1、非常に難しい→5)
- 効果対象を増やすほど必要プラーナを増やす。
- 効果時間が長くするほど必要プラーナを増やす。
- 特殊な条件がある時は必要プラーナを減らす。
(たとえば若返りの呪文に、 新鮮な血液に身体を浸すことが必要とし
た場合など)
あるいは、基本システム設定されている魔法にもとづいて、プレイヤーが
新しい魔法を作ってもかまいません。ただしその場合、GMの許可が必要です。
【
小林 聡作のオリジナルRPGのページ】
【
Σのページ】
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Σ Methuselah のページ】
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