モンスター・ホラー・ショー

Publisher: 社会思想社
デザイナー: J.H.ブレナン 著/ 本田成二 訳
評価: B

能力値無し、技能無し、成長無し、背景世界無し、有るのは職業と、 ほんの少しの物品と魔法、そしてHPのみ。 おまけに、PCの持ち物は、その時にプレイヤーが持っているものというすばらしい 割り切り方をしているRPG。 ここまで思い切ったシステムデザインを見ると、感慨すら覚える。

背景世界は特に用意してないが、職業等からみると、 とりあえずファンタジー世界を基本に考えているようだ。 しかし、これほどまでに何も無いRPGなのだから、ファンタジーにこだわる必要は 全くないだろう。

システムは、主な行為毎(と言っても、戦闘、治癒、魔法程度だけど)に 設定されている判定方法(2d6≧目標値で成功)という方法と、 「なんでも表」に示される修正値+6d6≧36なら成功という、 2つの方法が紹介されている (でも、 6d6 ってのはちょっとダイスの数が多くないかい?)。

まったくといって良いほど何も設定されていない、また「プレイヤー = PC」と いう考え方のRPGなのだから、プレイヤーとして参加するならばこれほど 初心者向けのRPGも無いと思う。 では、GMをやるにはどうかとなると、判断が難しい。あまりにも何も無いために、 途方に暮れてしまうかもしれない反面、何もないために戸惑う事も無いと 思えるからだ。

ルールやデータがほとんど無いに等しいため、文庫という小型の版もまったく 苦にならない。 また、セッション運営やシナリオ作成についても、簡単にではあるが分かり易く 書かれている。だから、RPGの入門書としても良いかもしれない。

評価 (1 bad 〜 5 Good)
背景世界: 0 : 何も無いんだもん
システム: 4 : 何も無いことに感激
構成: 4 : 読み易い
総合: 2 : でも何も無さすぎる
サプリメント: 無し。もっとも、必要も無いという話もある^^)。