Publisher: Archangel Entertainment:
評価: B
まだ実際には遊んでいないけどルールブックを読んだ感想を...
一言で言えば、リンクの切れたボーグ (Star Trek: TNG) をPCにして遊ぶRPGと 思えば良いと思います。ただし、彼等の群と巣は宇宙空間ではなく地上に存在 していますが。 あるいは、「自我に目覚めた蟻」(?)をPCとして遊ぶRPGと 言えなくもないかもしれない。 もっともPCにとっての世界は巣のなかの一部だし、 他の仲間からは追われるというか、見付かったら殺されるし...
世界としては面白いんだけど、実際に遊ぶとなるとどうだか... まずシナリオを作るのが難しいような気がする。
システムのほうは独創的なんだな。 まず、ダイスは2この6面ダイスなんだけど2d6じゃなくて 1d6 * 1d6 という計算を する。 各PCの専門技能の個数が判定の目標値になる。 専門技能の判定では、その数以上を出せば成功で、 専門というほどではない技能ではその数以下、 それ以外の技能の判定ではその数未満を出せば成功。
この、以上と以下が同居する...というか、目標値が1個しか存在しない というのは、専門技能について言えば、多く取るほど判定は不利になり、 専門というほどではない技能などについては多く取るほど判定有利になるという わけで、おもしろいとは思うのだけど... 何にせよ、これはその群というかPCとその予備軍が、ほぼ均質の能力を 持っている世界という前提の上になりたつ技能の表現方法と言えなくもないだろう。 というのも、群の構成員の持つ(もしくは持ち得る)技能が、そう多くない状況で なければちょっと難しいと思うからだ。 ...いや、そうでもないのかな...。うんそうでも無いな、きっと。
ただ、この判定システムの問題点は、以上と以下をきちんと考え分けねば ならない点および、それに加えて修正値がどっち(+か-か)かを、どの判定を 行なうのかに従ってきちんと判断しなければならない点だ。 簡単なことだけど、きっと勘違いしてしまう場合が多々現れるものと思われる。
そうそう、あとはダメージだけど、これはうまい方法というか見せかたを 取っている。 ダメージにはstunとwoundが有るんだけど、これまでstunとwoundの合計が いくつになったら気絶なり死亡なりという計算が必要なものは有ったと思う。 Zeroもまぁそうなんだけど、その見せかたがきれいだ。 stunは上から、woudは下から箱をチェックしていき、両方が合わさったら (重なったら)、気絶なり死亡としている。 やってることは同じなんだけど、余計な足し算が必要なく、しかも見た目で 自分のPCのやばさが一目で分かる。スマートである。
というわけで、システムのほうは、面白いというか独創的だったり スマートだったりするし、世界も面白いんだけど、実際に遊ぶとなると 難しいかなぁ というのが正直な感想でした。