新星界 Star=Road -- スペオペ・ヒーローズ 2nd --

Publisher: ゲーム・フィールド
ISBN: NONE
デザイナー: 山北 篤 / F.E.A.R
評価: C+

まだ、遊んでいません。近いうちに実際に遊んでみるつもりですが。 ま、ルールブックを読んだ感想ということで。

まず第一に、ルールの記述、世界設定の記述、物品のリストともに まったくなっていません。読み易くなく、また内容も充分ではありません。 巻末にルールが表の形でまとめられているのは、まぁ評価できるとは思いますが...

また、壊力という、いわば事件の親玉の持つ能力が設定されています。 これはルールブックを見てもらったほうが早いのですが、 シナリオ作成を容易にし、またシナリオのゲームバランスを取るために 考えられたルールと言えるでしょう。 まぁ、これがうまく機能するのかどうかは分かりませんが、 この点に関しては努力賞というところでしょうか。

ただし、PCの表現について「技能レベル」と「技能値」が別の値を意味するなど、 用語の使用法がこれまでのRPGとは異なる点もあり、混乱するかもしれません。 また、キャラクター・シートもいまいち整理不足と言えるでしょう。

さて、命力というものを使って、PCは様々な難局を切り抜けられるようになって いるのですが、これがあまりにも強力すぎると思います。

さらに、NPCをいくつかのランクに分け、早い話が シナリオの当初で軽いザコを倒して命力を得て、シナリオの後半で 黒幕と対面するという形式のシナリオを想定しているようです。

まぁ、それはそれで構わないというか、分かりやすくて良いという人も いると思います。 しかし、このシステム上、それ以外の形式のシナリオというのが 非常にやりにくくなってしまっているように思えます。

早い話が、ルール・ブックの巻頭に有るマンガに示されるような世界、 つまり「ヒーローが世界を救う」ようなシナリオには向いているかもしれません。 もちろん、他のものもできないわけじゃないでしょうが。

なんでそういうシステムになっているのかを考えてみると、 どうもデザイナーは、スペオペというものが分かっていないのではないのかと 思わざるを得ません。 スペオペというよりも、ライト・ファンタジーに対するライト・スペオペと でも言うべきジャンルを念頭に置いているように思えます。

まぁ、このあたりSF好きな人間と、そうで無い人間との感覚の違いでしょう。 デザイナーの方々もそのあたりを分かった上で、わざとこういうシステムに しているのかもしれませんし。

さてと、あとは、判定についても問題が有るような気がします。 スペオペと言えば、おそらくはテンポが重要と思われます。 それに対してこのシステムは、ちょっと説明が面倒なのですが、ちょっと 時間がかかるような気がします。 また、世界の雰囲気に対してルールが妙に細かいところがあります。 そのわりに例えば宇宙船の航行であるとか戦闘については 説明が無かったり大雑把だったりしますし。 まぁ戦闘については、PCに準じて処理できるから良いんですけど。

それから、この Star=Road に限らないのですが、 最近の日本のRPGの傾向として、これまでGMやplayerが 自分で処理していたことを無理矢理ルール化しているような傾向が あります。 天羅しかり、熱血しかりです。 そういうルールが本当に必要でしょうか?

私としては、Player やGMの処理が増えるだけで、 たいして意味があるとは思えないのですが。 どうして、元々やっていたことをルール化しなければならないのでしょうか?

まぁ、おそらくは、最近はそういうことをやらないPlayerが多くなって いて、デザイナー側はRolePlayの楽しさとか、シナリオ作成の楽しさ難しさを 知っているからこそ、ルール化してしまおうと思うのでしょうが...

評価 (1 bad 〜 5 Good)
背景世界: 1 : なんとなく雰囲気は分かる程度
システム: 3 : どうも世界観や雰囲気とのバランスが悪い。 ただ、壊力のアイディアはシナリオ作成に関するGMの労力削減の 1つの方法として評価できるかもしれない
構成: 1 : 読み難い。
総合: 2 : しかし‥‥。ともかくこれで3000円は高い。 せいぜい1500円が良いとこだと思う
サプリメント: まだ無いかな。出ないだろうし。