さて、このコラムの第1回目なので、まずは「RPGの楽しさ」に ついて書いてみようと思う。
私は、「私家版 Advanced!!」というWeb Page に、RPG関連の ちょっとしたことを書き連ねている。そのなかの1つの記事で、私 はRPGの楽しさの要素として、「人と話すことの楽しさ」、「考え ることの楽しさ」、「鑑賞型娯楽としての楽しさ」、「演劇的な楽 しさ」そして「ヒーローであることの楽しさ」という5つを挙げて いる[小林]。ま、それぞれは、ここに挙げた名目でだいたい分かる だろうから、特に説明する必要もなかろう。
で、しばらく前('99/4)なのだが、運良く「遊びと人間」[カイ ヨワ]をやっと入手できた。これは遊びを大きく4つに分類している。 概要としては[山北]を参照してもらうのが良いだろうが、Webに接続 できない人もいるだろうから、ここで簡単に説明しておこう。「ア ゴーン: 競争」、「アレア: 運の遊び」、「ミミクリー: 模擬」、 「イリンクス: 眩暈、パニック状態、朦朧状態を楽しむ」というよ うなものだ。
では、[小林]にあげた5つの楽しさが、[カイヨワ]の分類のどこ からくるのかを考えてみよう。「考えることの楽しさ」は、戦略を 考える、パズルを解くなどなど、「アゴーン」的なものに対応する と言っても良いだろう。「演劇的な楽しさ」はもちろん「ミミクリ ー」だ。これと、「ヒーローであることの楽しさ」とあわせて「イ リンクス」的な部分も有るだろう。そして、[小林]では書かなかっ たが、やはりダイスなどによる「アレア」的要素もRPGは持っている。
残るは、「人と話すことの楽しさ」と「鑑賞型娯楽としての楽 しさ」だ。「人と話すことの楽しさ」は、駆け引きであれば「アゴ ーン」的であると言えよう。また、PCとしての発話であれば、「ミ ミクリー」的であると言えよう。それ以外の場合は、ダベるわけで、 まぁ遊びとは言えないだろうが。では、「鑑賞型娯楽」はどうだろ うか? [カイヨワ]によれば、おそらくこれまた「イリンクス」的な ものに含めることになるのかもしれない。確かに異世界での冒険、 ここではないどこか、私ではない私という想像はクラクラくる。ま た、対象に自分を投影するなど「ミミクリー」的要素もあるかも知 れない。
ま、今回はこれくらいで。次回は、セッションにおけるノリ重 視云々についてちょっと書いてみようと思う。