『ぐちゃぐちゃ』

宮沢 弘

第5回 【セッション について】

セッションにおける問題と言えば、GMの運営能力を除けば、RolePlayができ ないとかしすぎるとかいう話がされることが多い。まぁ、それはそれで問題な のだろうが、GSP に比べればどうということはない[小林1]。GSP というのは、 Gag Shift Problem (もしくはPhenomena) の略だ。

つまり、GSP とは「ギャグに走る」ことだと思えば良い。なぜ、RPGのセッ ション中にギャグに走るのだろう。[小林1]も書いているが、結局は人間の集 中力はそれほど長くはもたないからというところなのだろう。もちろん、集中 による緊張をほぐすために、ちょっとギャグを入れるくらいは分かるし、仕方 のないことだろう。だが、そのままギャグに走り続けるとなると話は別だ。つ いでに言えば、GSPの根底にはもう1つ、「自己主張」という要素も有るような 気がしている。

おっと、ここで1つ注意しておかなければならない。「その場で騒ぎたいだ け」という人にとってはGSPが発生するほうが望ましいだろう。しかし、そう いう遊び方を私は認めない。なぜなら、「その場で騒ぎたいだけ」ならば、な にもRPGをやる必要などないのだから。もっとも、[鏡]は、「その場で騒ぎた いだけ」こそが、日本のテーブルトークRPGの目指してきたものだと断言して いる。周囲の状況を見る限りにおいては、私もその意見を否定はできない。

さて、ギャグに走れなくなると、現在では多くの人は苦痛を感じるかもしれ ない。なぜ苦労しなければならないのだろうか。言うまでもない。より大きな あるいは充実した楽しみのためである。単に「騒げて楽しかった」というより も、達成感であるとか、充実感であるとか、振り返って印象に残るセッション であることの方がどれだけ充実していることか、言うまでもないだろう。

では、どうすればそういうセッションになるのか? 1つには、考え方を変え なければならない。「その場で騒ぎたいだけ」では駄目なのだ。[小林2]にあ るように、結局RPGのセッションとはプレイヤーもGMも全員が協力して作り上 げる場であり、そのために全員が協力しなければならないだろう。例えば、GM の負担を増やすことも考えずに訳の分からない行動を取るとか、他のプレイヤー のことなど考えずに「俺は、俺は」と主張しつづけるということを止めなけれ ばならない。シナリオや、他のプレイヤー (あるいはPC) の行動の先を読み、 楽しみが倍加するよう行動しなければならない。

さて、次回は、ちょっとばかりオリジナルRPGについて書いてみようと思う。 そうそう、この記事に対するご意見などは、skoba@cs.inf.shizuoka.ac.jp ま でお寄せいただきたい。返信するかどうかは分からないが、参考にはさせてい ただく。

参考資料