試案のテスト協力団体を募集いたします。
RPGの楽しみかたには、様々なものが有ると思います。しかし、その人がど んな楽しみかたをしていたとしても、鶴瓶師匠ではありませんが「上手い人は 上手い」と、誰でもが感じるのではないでしょうか? そうであるならば、な にか数値的にそのうまさを表現することによって、自分がどの程度の上手さな のかを判断できる基準は無いものでしょうか? そこで、プレイヤーの技量を 示すレーティングの試案を提案します。
なお、現時点における、ここで示すレーティングの計算方法についての問 題点などについては、以下の [問題点など]のとこ ろを参照してください。
また、この試案についてのご意見ご感想をお待ちしております。 skoba@hamal.freemail.ne.jp
「今もRPGを楽しめているのだから、レーティングなんか関係ない」と言わ れるかたもいらっしゃると思います。このレーティングは、単に私が提案して いるだけのことなのですから。
「なぜレーティングなんてものでプレイヤーの差別化をやろうとするのだ」 と言われるかたもいらっしゃると思います。ここがちょっと問題でして、これ についてちょっと長く説明しようと思います。
RPGには、【RPGの楽しさについて(あんな面、こん な面)】で述べたような、いくつもの「楽しさ」の要因が有るものと思い ます。そして、そのために、プレイヤーの技量が高くなくとも、それなりに楽 しむことが可能となっています。この、「技量」にかわりなく楽しめるという のもRPGの良い点の一つであるとは思います。
しかし、私は、Role Playing Gameも他の趣味と同様、プレイヤーの技量が 高くなればそれだけた奥深い遊びかたができると考えています。とするならば、 できるだけ多くのプレイヤーにとって、自分のプレイヤーとしての技量を高め ることは、自分自身のためであると思います。
しかしながら、RPGにおいては、自分の技量がどの程度のものなのかの判断 が非常に難しく、そのために技量の向上を実感できないなどの理由により、技 量向上のために努力を行なうことが難しくなっています。そこでレーティング というものを考えたらどうだろうかと思ったわけです。
ですから、レーティングを求めること自体が目的なのではありません。む しろ、レーティングを求める過程において、そのセッションでの自分の行動や、 他のプレイヤーの行動を振り返ることになれば、そのこと自体によってプレイ ヤーの技量の向上がもたらされるのではないかと思うのです。レーティングを 求めることは、自分の行動を振り返るための名目にすぎないと言っても良いで しょう。
とは言え、人間は不思議なもので、ともかく何らかの順位付けの方法が与 えられると、その方法にそった形でより高い順位を得ようとします。ですから、 レーティングという数値として (外見だけでも) 明確な順位付けが行なわれる ことは、それだけでプレイヤーの「技量を高めよう」という意欲を高めるので はないかと思っています。
まだ、うまく説明できませんが、私としては、とりあえず上記のように、 「レーティングは名目にすぎない。でもたぶん、効果をもたらすだろう」と考 えているわけです。
RPGのセッションにおいてはプレイヤーとGMという2種類の参加者が存在し ます。また、両者のセッションにおける役割、もしくは行動は非常に異なって います。そこで便宜上、プレイヤー・レーティング (以下 PR)と GMレーティ ング (以下 GR) というものを別々に考えます。また、それとは別にRole Playing Gamer としてのレーティング (以下 RR) を考えます。
PRとGRの計算は、以下の[レーティングの計算]で述 べます。RRは、単純に、その人のPRとGRの平均とします。なおRRも、PRやGRと 同様に、小数点以下3桁目で四捨五入します。
なお、そのセッションでGMをやった場合には、GRが、またそのセッション でプレイヤーをやった場合にはPRがそれぞれ変更の対象となります(もちろん、 その変更に共なって RRも変わります)。
このレーティングを計算するには、その時点で何らかのレーティングが与 えられていなければなりません。しかし、新たにこのレーティングを使い始め る場合や、そもそもこれからRPGを始めようという場合には、その時点でのレー ティングを算出する方法が有りません。
そこで、それらの場合は以下のようにレーティングの初期値を決めます。 なお、はっきり何回と覚えていない場合は、だいたいこのあたりという数値を 選んでください。
これまでのプレイヤー/GM回数 | 初期レーティング |
5回以下 | 1.00 |
10回以下 | 2.00 |
20回以下 | 4.00 |
21回以上 | 5.00 |
まずセッションに参加した人は、セッション終了後、セッションに参加し た全員に対して得点付けを行ないます。
セッションに参加した人は、一人づつ他の人から評価を受けます。その評 価の基準は、「そのプレイヤーのPCは、セッションを盛り上げ、かつセッショ ン内において他のプレイヤーを楽しませたか?」というものです(自分自身につ いては、評価を行ないません)。
つまり、そのプレイヤーが、いかに他のプレイヤーを楽しませても駄目な のです。セッション内における存在である、PCの行動や発言が、いかにセッショ ンを盛り上げ(またセッション運営に貢献し)、かつ他のプレイヤーを楽しませ たのかが問題なのです。
なお、GMもプレイヤーを評価しますし、またGMも評価の対象となります。 GMに対する評価の基準も、原則としてプレイヤーの場合と同じですが、「その プレイヤーのPCは、」という部分を「そのGMのシナリオ内容や、セッション運 営は、」と読み換えて考えていただくと分かりやすいかと思います。
この基準にもとづき、各プレイヤーは他のプレイヤーに、-2,-1,0,1,2のい ずれかの数値を渡します。この数値を基本評価値と呼びます。この基本評価値 の意味は、以下の通りです。
なおその際、その基本評価値に自分の現在のRRの整数部も書いて評価対象 に渡します (つまり、小数点以下は切捨てる)。仮に、現在のRRが3.25 の人が、 誰かに対する基本評価値を1として渡す場合、例えば "1:3" のように書いて評 価対象に渡します。この場合 ":"の左側が基本評価値。右側が現在の自分のレー ティングとなります。
この評価には、各評価者に評価対象人数分のカードを渡し、一枚に一人の 評価対象者に対する評価を書いてもらうようにするのが良いでしょう。
上記の評価を、評価者のRRの整数部を沿えて、被評価者に渡します。
さて、これからが、基本評価値を渡されてからの計算です。被評価者は、 評価を受け取ってから以下の処理を行ないます。なお以下において、「評価者 のRR」とか「自分のRR」と言った場合、それは、「評価者のRRの整数部」およ び「自分のRRの整数部」を意味します。
まず、基本評価値 を、以下に従って読み換えます。
次に、以上のように読み換えを終えたのちの基本評価値の平均を取ります。 この平均値を、評価値と呼びます。
最後に、評価値を現在のPRもしくはGRに加え、新しいPRもしくはGRとしま す。また新しいPRとGRの平均を取り、新しいRRの値とします。
評価者は、評価対象のレーティングを記載したものに署名を行ない、新し いレーティングを認証します。
レーティングは 0.00 から 10.00 までの数値とします。仮にこの計算の結 果が 0.00より小さくなったり、 10.00より大きくなったとしても、それぞれ 0.00、 10.00 とします。
また、評価値は小数点以下3桁目で四捨五入します。つまり小数点以下2 桁 目までの数値にするわけです。それが、あなたの新しいPR (GR) です。なお、 その後に RRの計算も忘れずに行なってください。
ここでは、レーティング処理の例を示します。
まず、三人の参加者A(GM: GR=5.35, PR=4.05, RR=4.70),B(プレイヤー; GR=5.14, PR=5.38, RR=5.26),C(プレイヤー)がいるものとします。特に、Cさ んははじめてレーティング評価を受けるものとします。
Cさんは、これまでレーティングを持っていないため、初期値を設定する必 要があります。Cさんは、GMは本の数回程度しかやったことがありませんが、 プレイヤーは30回以上やったことがあるとします。すると、「◯レーティングの初期値」から、GRは1、RRは5となりま す。RRは両者の平均ですので、RR=3となります。
まず、A(GM)を例に挙げると、BとCに対して「○互 いに評価する」で述べたように、-2, -1, 0, 1, 2のいずれかの評価を与 えます。ここでは、Bに対しては-1、Cに対しては1と評価したとします。
また、同様にBはAとCを評価し、CはAとBを評価します。
Aは1枚目のカードにBに対する評価を書きます。その際、自分のRRの整数部 を沿えて、「-1:4」のように書きます。ここで「-1」がBに対する評価、「4」 はAのRRの整数部です。
同様に、Cの評価を2枚目のカードに自分のRRの整数部を沿えて書きます。
B、Cもどうようにそれぞれ評価対象ごとに1枚のカードに評価と自分のRRの 整数部を沿えて書きます。
ついで、それぞれのカードを、それぞれの評価対象者に渡します。
先の手順により、各評価対象者は、自分に対する評価が記されたカードを 受け取っています。
Aは、Bから「1:5」、Cから「2:3」という評価カードを受け取っていたとし ます。これを、「○評価を読み換える」をもとに読 み替えます。
AのRRは4ですので、Bからの評価は、「基本評価値が1」で「評価者の RR > 自分の RR ならば、読み換え後の基本評価値 = 0.2」に従い、0.2と読み 替えます。またCからの評価は「基本評価値が2」で「 評価者の RR < 自分 の RR ならば、読み換え後の基本評価値 = 0.1」に従い、0.1と読み替えます。
B、Cともに同様に基本評価値を読み替えます。
次に、得られた値の平均をとります。
Aは、0.2と0.1という読み替え結果が得られましたので、平均は0.15となり ます。なお、ここで少数点以下が3桁より多くなった場合、小数点以下3桁目を 四捨五入し、小数点以下2桁の数値にします。
B、Cも同様に平均を求めます。
次に、PR、GR、RRの変更を行ないます。
AはGMでしたので、GRが変更対象に、BとCはプレイヤーでしたのでPRが変更 対象になります。
Aの元のGRは5.35でしたので、5.35 + 0.15 = 5.50が新しいGRとなります。
BとCも同様の計算を行ない、新しいPRを求めます。
次に、GRもしくはPRが変更されたため、それにしたがってRRも更新されま す。Aの場合、現在のGRは5.50、PRは変更無しで4.05です。この平均を取りっ て4.775、小数点以下3桁目を四捨五入し、4.78が、新しいRRとなります。
B、Cも同様に新しいRRを求めます。
新しいGR(もしくはPR)とRRが求まりましたので、それらを記録します。こ の際、GR(もしくはPR)に変更が無くとも、GR、RR、PRのすべてを記録します。
新しいGR、RR、PRの記録の下(カードであれば裏面でも可)に、それぞれ評 価を行なった人のサインを記します。
Aに対しては、BとCが評価を行なったので、AのGR、PR、RRの下なり裏面な りに、BとCがサインをします。
以上でRRを求める処理は終わります。あとは、セッションごとにこの作業 を続けてください。
現在、レーティングのテストに協力してくださる方を募集しております。 テストしても良いと思われる方は、是非skoba@hamal.freemail.ne.jpまでご連 絡下さい。
なお、テストの際にはご面倒とは思いますが、RRがいくつの人が、RRがい くつの人に(いずれも更新前の値)どのような評価(-2〜2)を行なったのかの記 録を集計し、お送り下さい。
よろしくお願いいたします。
まず、基本評価値の読み換えについてですが、これは「うまい人にうまい と言われたら、たぶんそのプレイヤーはうまいんだろう」、および「へたな人 にへたと言われたら、たぶんそのプレイヤーはへたなんだろう」ということを 反映するようにしています。それ以外の場合はグレー・ゾーンですが。
チェスのレーティングは、数学的にしっかりした考え方にもとづいてレー ティングを求める方法が考えられているらしい。ちゃんとそういうことを考え たほうが良いのかもしれない。ただセッション終了後、すぐにその場で自分の レーティングを確認できるほうが良いと思うため、上記のような単純な手続き 的に簡単な方法にした。
このレーティングの大きな目的は、レーティングという数値を求めること よりも、評価の作業中に、他のプレイヤーの良い点や自分の悪い点などなどを セッション直後に思い起こすこと自体に有ると言っていいでしょう。その作業 がプレイヤーの技量を挙げるのに効果が有るんじゃないかと思っています。
レーティングは1.00 から 10.00までの値としているが、処理方法からして、 レーティングをその間に押さえ込むようになっていない。つまりレーティング が 1.00未満や、 10.00 より大きくなった場合には、それは 1.00 や 10.00 とするという無理矢理な方法を取っていることが問題かもしれない。
またレーティングの範囲が1.00 から 10.00 ということで妥当なのかどう かも分からない。
同程度のレーティングの人同士でセッションを重ねても、レーティングは 上がり難くなっているけども、あるグループ内において、甘々の基本評価値を 付けあっていると、レーティングがガンガン上がってしまう可能性は有る(大 雑把に45回もセッションをやればレーティングは 1から 10まで上がるんじゃ ないかな?)。まぁ、しかたないか?
チェスや将棋、囲碁のほうだと、レーティングってのは公式試合の結果の み有効らしいんだけどRPGのほうだとそういうわけにいかないし... 厳密にこ ういうものをやるためには、やっぱりトーナメントのシナリオにおけるチェッ クポイントみたいなものと合わせて評価を行なう一種の「公式セッション」を 行なわなければならないだろう。また、そのチェックポイントとからめて評価 基準を厳密に定義することになるんだろう。ただし、現状ではそういう公式セッ ションは実現できないため、各自が自分のレーティングを計算するようにする しかない。
いわゆる「プレイ・スタイル」が違うことで、評価が異なる可能性も有る だろう。
現在の評価基準は曖昧どころの話ではないので、何とかせねば。囲碁あた りだと、「これこれの考えを理解していたら 何級」というような基準が (明 確にではないが) 存在する (もちろん、公式の級ではない)。このレーティン グでも、少なくともレーティングの初期値についてはそういう 「これこれが できているか」という項目を考えるべきかもしれない。
今回基本評価値の読み換えに、相手の RR と自分の RR との差を重みとし て追加しました。
ただ、あまりに極端場合を除外するために「5.0 以上のものは 5.0」とか いう、これまた綺麗ではない処理をしています。これは、増分および減分を 絶対値 1.0 以下にするためです。変化分の最大値が 絶対値で 1.0 というの は、もしかしたら大きすぎるかもしれません。ただ、 Ver. 0.02 まででは、 最大でも変化分が 絶対値で 0.2 でした。これだと、変化が少なすぎる可能性 が有るのと、あとは「すごいうまい人から『うまい』と言われたら、その人は うまいだろう」というようなことをrating にも反映したいと考えたため、RR の差分を重みとして考慮に加えたわけです。
評価に際して「その人の RR にしては」と言っているが、現状では自分を 振り返って評価してもらうしかない。しかし、何とかしてもうちょっと客観的 な基準が欲しい。
基本評価値の読み替えのところで、「相手のRRの整数部 - 自分のRRの整数 部」*2なんて極端なのがあったのを直した。今回は、評価者のRRと自分のRRと の差は直接には評価値には影響しないようにした。
あと、評価をするときに「その人のRRにしては」という文言を削除した。
初期値については、まず最初が1点から始まり、その後、同程度のRRの人か ら常に評価値1を得たとして、初期値を与えることにした(原則)。
まず、処理手順のみでは分かりにくいという意見があったので、処理例を追加。
また、1/5の処理の意味が不明ということで、それを無くし、基本評価値の 読み替えの値をいじった。
この読み替えについては、今後評価をデータを集め、分布を調べ、確率的 により適切なものに変更したいと思う。
最小値も0からにした。これは気分の問題。最大値はオープンエンドにする かどうか悩んでいます。
それにしても評価基準としてもっと明確なものは無いものだろうか?