これまでは、システムや世界に関してはなにも考えずに来ました。 おそらく純粋にシステム(ルール)からの影響というものは 非常に小く、無視できる程度のものだと思います。 しかし、実際のところ、いかなるRPGであれ何らかの世界観が設定されており、 そのためにどうしてもストーリーに影響を与えることになります。 ですから、システムや世界によってストーリーに対して 適・不適があると考えられます。
RPGの構造とか 物語の創り方の劇的な状況の対立の節 (現在改訂作業中のため、このリンクは現在無効です)の方でも 述べていますが、RPGには複数の対立が含まれています。 1つは、そのRPGの世界そのものが持っている対立です。 そして、シナリオに含まれる対立、これがいわば シナリオのテーマやモチーフやシチュエーションであったりすると考えられます。 そしてもう1つがシナリオ内のシーンにおける対立です。
これらの内で、RPGの世界そのものが持っている対立というのが、 どうしてもシナリオには影響を与えます。
例えば、D&Dでは、モンスター(悪) vs. PC(ヒーロー、善) という 対立がその世界なりシステムから与えられています。 そのため、D&Dのシナリオは、あるいはその王道となるシナリオは PCがモンスターをやっつけるというものにならざるをえません。 まぁ仮にモンスターでなかったとしても、いわゆる悪者を PCがやっつけるという形のシナリオが主流であると考えなければなりません。
あるいは、Vampire: the Masuquerade であれば、 PCは人間の心を残したVampireであり、人間であることとVampireであることの 対立(葛藤)を内部に孕んでいなければならず、 そのためシナリオもそのことを考慮しなければなりません。 すくなくとも、そうしたシナリオが、VtMらしいシナリオということに なるでしょう。
もちろん、かならずしもその対立に従ったシナリオしか認められないという わけではありません。 ただ、それからはずれると、「そのRPGらしくない」という プレイヤーからの批判が噴出する可能性も有ることを覚えておいてください。 その不満を抑え込めるほどに魅力的なシナリオであれば、 問題はまったくなくなるわけですけどね。
まとめてみると、結局のところ、使うRPGの世界を把握したうえで シナリオを作れということでしょうか。