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# 戦闘に関する精密化

## 回避

以前、この回避技能については説明しましたが、その内容を変更します。 動きが視認できるもの、あるいは予測できるもに対して回避を試みる毎に、 そのTurnでそれ以後行うあらゆる行為に対して-1の修正値が付けられます。 あるいは逆に、先に何か行動を行なっていた場合は、回避に対して-1の 修正が付きます。 また、この修正値は累積していきます。

なお、この回避は移動を伴わないものとします。 厳密には、0.7 mを越えるような移動を含まない場合のみ有効です。 もし 0.7 m を越えるような移動を行う場合には、 後に示す『移動による修正』の項に従って下さい。


## 移動による修正

このΣでは、基本的に1Turnに1つの行動しか取れないことになっています。 しかし、移動しながら攻撃をする等のように、複数の行動を1つのTurn内で 実現したい場合もあるものと思います。

そこで、この拡張ルールでは1Turn中に移動と共に他の行動を1つだけ 行えることにします(もちろん、荷物を持って走るときには、 その重さに応じて修正が付きます) 。 もちろん、これは移動しながらの行動であっても、移動を終えた後の 行動であっても構いません。

具体的には、「走る」技能を元にした、 Definite(min(敏捷値、力強さ、健常度) -2) m 以下の移動であれば、 何の制限も無く2つの行動を 行なえるものとします。 もしも、何か重い物を持ちながらの行動の場合、 「荷物を持ちながらの行為を行なう場合」に 示した修正値がこの値に適用されます。 つまり、 Definite(min(敏捷値、力強さ、健常度) - 2 - n) m 以下の移動であれば、 何の制限も無く2つの行動を 行なえることになります。 Definite(min(敏捷値、力強さ、健常度) - 2 - n) m を越える移動の場合、 次の -m の修正値が、移動の他の行動の判定に修正値として与えられます。

    m = Class (移動距離 (m)) -
                (min(敏捷値、力強さ、健常度) - 2 -n)

ここで「移動距離」は、移動したい距離でも、 あるいは「走る」技能を使って得た距離でもかまいません。

ただし、一度移動を終了し、その後に何かを行い、さらにその後に 再度移動を行うようなことはできません。 つまり、移動しながら何かを行うか、あるいは移動の前に何かを行う、 さもなければ移動を終えた後に何かを行うという3つのパターンのいづれかのみが 選択可能なのです。


## 射撃武器

先に射撃武器に関しての簡単なルールを示しましたが、 ここではより精密に射撃武器を扱うためのルールを述べます。 さて、どうせ説明するなら、何か例をあげたほうが分かり易いと思いますので、 ここでは拳銃を例にあげておきましょう。 射撃武器には必ず射程距離があります。これはどれくらいの距離までは的に 当てられるか、という限界を示すものです。 大雑把に、縦横0.7m位の的に当てられるかどうかを示すとします。 拳銃の場合でしたら、大体10m位が実際のところの射程でしょうか?

さて、射程は10mとしても、的がもっと近ければずっと当たりやすいでしょう。 そこで、射程のクラスから、クラスが4つ低い距離までを、そのクラスによって 修正値を与えます。拳銃の場合では射程は10mとしました。 これは、クラス値は7です。 そこで、修正値を付加する対象としては、クラス値7(7〜10m)、クラス値6(5〜7m)、 クラス値5(3〜5m)、クラス値4(2〜3m)、クラス値3(1.5〜2m)となります。 ここで、狙っている目標が、射程が含まれているクラス値7の範囲にいる場合の 修正値は±0、クラス値6の範囲の場合は+1、クラス値5の場合は+2、 クラス値4では+3、クラス値3以下では+4となります。

では、逆に、射程よりも遠いところを狙っている場合はどうでしょうか? まず、最大射程を決定しましょう。 最大射程は、射程のクラス値+4とします。 それ以上は、弾などが絶対に届かない、あるいは届いたとしても照準など 何の役にも立たないものとします。 そして、射程を1つ越えるクラスの場合には、-2の修正値を、 また2つ越えるクラスの場合には-4、3つ超えるのクラスの場合は-6、 4つ超えるクラスの場合は-8の修正値を与えるものとします。

言葉で書くと分かりにくいので、図で示してみましょう。

  修正値→    +4    +3    +2    +1    +0    -2    -4    -6    -8
 距離クラス→ -4    -3    -2    -1     0    +1    +2    +3    +4
           ・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・
           ↑                            ↑                      ↑
         あなた                         射程                  最大射程

上の長い説明は、図にするとこういうことを示しているわけです。 これで、目標が上の図のどこにいるかによって、 そこに示される修正値が与えられるわけです。

では、射程10mの拳銃の場合を図示しましょう。

  修正値→    +4    +3    +2    +1    +0    -2    -4    -6    -8
 距離クラス→ -4    -3    -2    -1     0    +1    +2    +3    +4
           ・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・
  距離→   0      2m   3m    5m    7m    10m   15m   20m   30m   50m
           ↑                            ↑                      ↑
         あなた                         射程                  最大射程

また、基本達成値についても同様に距離により修正を与えます。 つまり、物品の基本達成値として示されているのは、射程位置での 基本達成値であるとします。 実際に撃つ場合は、その距離によって、基本達成値に修正が加わるのです。 この基本達成値に対する修正ですが、大雑把に言って、判定の際の修正値の1/2です。 これもまとめて次の図に示します。

基本達成値→  +2    +2    +1    +1    +0    -1    -2    -3    -4
  修正値→    +4    +3    +2    +1    +0    -2    -4    -6    -8
 距離クラス→ -4    -3    -2    -1     0    +1    +2    +3    +4
           ・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・
  距離→   0      2m   3m    5m    7m    10m   15m   20m   30m   50m
           ↑                            ↑                      ↑
         あなた                         射程                  最大射程

さらに、目標の大きさ (class(横幅m) + class(高さm)) が正の修正値として 追加されます。また、目標が移動していた場合、その移動速度 ( Class( m/Turn) ) を負の修正値として判定します 。 [an error occurred while processing this directive] 本当は、視野内での移動角に応じて修正を付けるべきだと思うんですが、 面倒になるし...。 [an error occurred while processing this directive]

ここまでで分かっていただけたと思いますが、射撃武器は、その使用者から 目標までの距離が短くなればなるほど、非常に有利になります。 しかし、「銃器 (特に長物) は近接戦闘には不向き」という先入観を持っている 人もいるようです。 なぜ、銃器は近接戦闘に不向きなのでしょう? 銃器の特性でしょうか。そんなことはありません。近接戦闘で銃器が不利になり 得るのは、相手が動き回った場合 (そんな場合には照準が付けにくくなるでしょう)、 または相手に銃器を扱えなくされてしまった場合等です。 そんな努力も行わずに、「銃器は近接戦闘に不利」という思い込みだけで突っ込んで 行ったなら、あっさり傷を負ってしまっても当然でしょう。

しかし、プレイヤーがきちんと上記のような行動をとって銃器に対抗する 場合、GMもきちんとその行動に対処しなければなりません。 たとえば、キャラクターの行動についていけるか、敏捷値の能力値チェックを 行ってみるのも良いでしょう。さまざまな対処方法が考えられるはずです。


## 爆発物による達成値

まず、爆発物の基本達成値は、 原則的に Class( 効果を及ぼす範囲の半径 * 2 (m)) つまり、 Class( 効果を及ぼす範囲の直径 (m)) とします。 この「効果を及ぼす範囲の半径 (m)」 は、ちょっと小さめに考えてください。

この基本達成値に対する修正は、爆発の中心点からの距離によって 算出されます。この際、射撃武器の射程と同様に、爆発が効果を及ぼす範囲の 半径クラス値から4つ低いクラスまでを考慮します。 また、基本達成値を越えて、4つ上のクラスまでの範囲にも影響が出るとします。

 基本達成値→ +4    +3    +2    +1    +0    -2    -4    -6    -8
 距離クラス→ -4    -3    -2    -1     0    +1    +2    +3    +4
           ・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・
           ↑                            ↑                      ↑
       爆発の中心点                   範囲半径                最大半径

仮に、爆発が効果を及ぼす範囲の半径が15mだったとしましょう。 すると、そのクラス値から、基本達成値は Class( 15 * 2 = 30 ) = 10となります。 すると、具体的には次のような感じになります。

 基本達成値→ +4    +3    +2    +1    +0    -2    -4    -6    -8
 距離クラス→ -4    -3    -2    -1     0    +1    +2    +3    +4
           ・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・<==>・
 距離→    0m    3m     5m    7m   10m   15m   20m   30m   50m   70m
           ↑                            ↑                      ↑
       爆発の中心点                   範囲半径                最大半径

たとえば、爆発の中心から3m内にいた場合、元の基本達成値10に対して、 修正値の4が加わります。そのうえ、さらにダイスによる追加達成値も 加わりますので、どう考えても達成値は15を下りません。 かなりのダメージを受ける可能性が有るわけです。

ここの処理を簡単に行いたい場合は、射撃武器の場合と同様に、 距離を無視して、物品のデータに示される基本達成値+追加達成値が そのまま爆発範囲内のものにダメージとして与えられるとして処理して下さい。


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