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# 大震災以後

## 関東大震災

空気がそよともしない蒸し暑い日、すでに狂舞によって街の半数近くの建 造物が打ち壊された瓦礫の中のあちこちから狂舞の叫び声が響く真昼間、突然 大地が波打ち、人々を恐怖に陥れました。まるで鬼の咆哮のような大音響が人々 の悲鳴を飲み込み、帝都東京中に響きわたりました。大正12年(1923年)9月1日 午前11時58分、関東大震災発生の瞬間です。この震災は相模湾北西部を震源地 とする、マグニチュード 9以上の大地震であり、富士山の誘爆が起こりました < 1>。その結果、東京、神奈川、山梨、静岡の全域、及び長野の南半分 と愛知の東半分は壊滅状態となり、まさしく地獄絵図を地上に再現したかのよ うな様相を呈しました< 2>。特に、地震の後に発生した火災による被害 が大きく、地震を生き延びた人もその火災でかなりが死傷してしまいます。結 果として壊滅地域内で50万程度の死者が出ています。特に東京だけで25万程度 の死者が出てしまいました。

あまりの被害の大きさに、 7日後に政府は一時的措置として京都に遷都す ることを決定します< 3>。しかし、東京破棄の情報を得て東京からの待 避ができたのは基本的に社会の上層部の人々のみです。その他に、震災直後に 東京から自分の親類縁者を頼って地方に待避した人々もいますが、彼等は非常 に運の良い人々であったというべきでしょう。震災から8日後には、 壊滅地域 の周辺には陸軍や警官によって警備されており、その境界を越えようとする人々 は、伝染病発生の疑いが有るということで、そこで足止めされてしまいます。 特に、警告を与えても強行にその境界を突破しようとする人は情け容赦無く殺 害されてしまいました。壊滅地域から避難しない人々も、避難を試みたものの あきらめて戻って来た人々から、伝染病発生の疑いなどの情報を得ます。しか しその情報から「朝鮮人が井戸に毒を放り込んだ」とか、「朝鮮人が戦争を仕 掛けて来た」などの流言飛語が飛びかい、多くの朝鮮人、そして朝鮮人に間違 われた人がリンチによって殺されてしまいます。このような様々な犠牲や避難 によって、東京の人口は以前の半分程度の50万人に減少してしまいます。

そうこうしている内に、政府から『壊滅地域との交流を禁ずる』旨の通達 が出され、壊滅地域は鉄条網で囲われてしまいます。もちろんその時にも避難 民との衝突は有りましたが、力の差は歴然としているためにさして大きな被害 は有りませんでした。その後も、壊滅地区の政府による復興は行われず、結果 として上記壊滅地域は事実上の無法地帯となってしまいます。壊滅地域内では、 政府からの援助が得られないため、復興がなかなか進展しません。せいぜいバ ラックを立て、雨風をしのぐ程度の復興が行われている程度です。警察機構が 失われたため、力による統治が地区ごとに行われます。いわゆる義侠心にとん だヤクザが治める地区は良いのですが、そうでない場合、その地区に住む人々 は毎日暴力に脅えながら暮らしています。そのような地区から、義侠心に富ん だヤクザが治める地区へと逃げ出してくる人もいるにはいるのですが、その途 中で元にいた地区のヤクザに見つかるとひどい目にあわされるということもあ り、逃げ出す人はそれ程多くはありません。もちろん、一般市民による自治区 のような地区も存在しますが、それらはのほとんどは無法地帯のはずれに位置 しています。

また、陸軍や警官がこの周囲を警備しているとは言っても、この広い範囲 をまんべんなく警備するわけにもいきません。ですから、警備の甘い所を通し て外部と壊滅地域との人的および物的交流は細々とではありますが存続してい ます。特に海を通しての交流は比較的盛んで、さまざまな物品が港に上げられ ています。


## 霊能力者

この震災を境に、上記壊滅地域では霊能力に目覚める人が以前にも増して 急増します。また扱える霊能力も、以前とは比べ物にならないほど強力なもの になります。

獣化現象も、かなり一般的なものとなります。

また、夜な夜な百鬼夜行を垣間見たという人々が現れ、その被害者と思わ れる者の残骸が発見されます。その他にも妖によるものと思われるさまざまな 現象が発生します。


## 解析機関について

ほとんどの解析機関が破壊されてしまいます。これは、確かに大震災の振 動が原因ですが、それにもまして、遷都することによって多くの企業が帝都か ら脱出してしまったことも、そして無法地帯となってしまったことなどが原因 となっています。

しかし、簡易解析機関に関しては被害が少なく、ほぼすべての簡易解析機 関が無事に震災を乗り越えます。


## 物価

壊滅地域では、しばらくは震災前夜と同等かもう少し高めの物価になりま すが、次第に落ち着き、震災後1年程で震災以前と同程度の価格に落ち着きま す。但し、 大型機械類は供給がほとんど無いために、例外的に高価なままで す。


## その他

震災後、およそ5日間程は発電所の発電設備が破壊されたため、 電気が送 られてきません。その後一端は発電所も修理などの業務を再開します。しかし、 それも 2・3日のことで、すくに京都への遷都が決定され、 それと共にほぼす べての企業が壊滅地域から脱出してしまいます。そのため、再び2・3日は電気 が送られてきません。その後、発電所の付近の誰か、もしくは元従業員が何と かしたものと思われ、安定して電気が送られるようになります。しかし、使え るのは水力発電所のみで有るため、十分に供給されるとは言い難い状況です。

また、電話に関してもほぼ同様の経過をたどります。ただし、壊滅地域外 には通じませんが。

交通機関ですが、鉄道や市内電車に関しては震災後1 ケ月程度でかなり復 旧します。それでも共に30分に1本程度しか車両が走っていません。特に、 電 気が十分には供給されていないため、石炭や木炭などを用いた外燃機関を利用 したものに改造されています。自動車に関しても、やはり燃料の問題から、石 炭や木炭などを利用したものに改造されます。


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