遺跡には3種類ある。安全な遺跡と、危険な遺跡と、罠の遺跡だ。だが、そ の遺跡が安全か危険かは、入ってみなければわからない。ただ、少なくとも、 動くものや明りのある遺跡はまちがいなく危険だ。
そのような危険な遺跡には、犬や猫ほどの大きさのメトセラの使いがたく さんいる。遺跡でそれらが何をしているのかは知らない。だが、その使い達は、 侵入者を見つけるとすぐに襲いかかってくる。だが、それらは運が良ければ逃 げ帰れる。
しかし、動くものが無く、また明りの無い遺跡であっても、だまされては いけない。それは罠の遺跡かもしれないのだ。罠の遺跡は、なおさら危険だ。 昔、私の叔父が、そのような遺跡から戻ってきた。しかし、叔父はそれからみ るみる衰弱し、1週間もたたないうちに血を吐いて死んでしまった。あるいは、 遺跡から戻ってきた者のいた村が、疫病で滅んだという話も聞いたことが有る。
メトセラの使いが、いったい何なのかは知らないし、罠の遺跡で何が起こ るのかも知らない。
だが、遺跡には様々な遺物が有る。それが何なのかは分からない。メトセ ラの使いの死骸が有ることもある。ともかく遺物は教会や学院が高く買ってく れる。だから俺は遺跡に行くのだ。たとえタブーを破ってもだ。 [an error occurred while processing this directive]
遺跡にはメトセラの使いがいることも、あるいはその死骸が有ることもあ る。
メトセラの使いには様々なものがある。大きさも、形も、そしてその皮膚 も。
動物を模したであろうもの、人を模したであろうもの、虫を模したであろ うもの、そし何者かは分からぬもの。
その皮膚も様々である。まさに動物などのようなものもいれば、金属のよ うなものもある。また色の付いた、なめらかな、ただし傷が付きやすそうなも のなどもある。
メトセラの使いが何なのかは分からない。しかし、遺跡の多くにはそれら が見付かる。