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# はじめに

## なぜこの文章を書いているのか

今までにいくつかのオリジナルRPGを作ってきた経験から、なにかオリジ ナルRPG製作の勘所がつかめて来たような気がします。そこで、これからオリ ジナルRPG を作りたいという人に、なんらかの指針になればと思い、この記事 をまとめてみました。いや、もちろん、それ以前の目的も有って、私自身の考 えをまとめること自体が私にとって後々役に立つのではないかとも考えている のですが...

とは言え、既にオリジナルRPG製作の経験が有るかたの役にたつほどのもの に仕上がっているかどうかは分かりません。たぶんそこまでには仕上がってい ないと思いますが...

また、オリジナルRPGを作っていくといっても、アマチュアの作るものです。 何も売り物になるようなRPGを作ろうということではなく(そこまで目論むには、 私は能力も経験も不足していますから)、 あくまで仲間内で遊べる程度のもの を作るということを目標として話を進めて行きたいと思います。もっとも、私 にはそれすらあやしいかもしれませんが ^^;。

しかも、 これに従えばオリジナルシステムが簡単にできてしまうというわ けではありません。結局、煎じつめれば経験の問題になってしまうと思うので す。

とは言え、一種の水先案内のようなものが有るだけでも、その作業はかな り楽になるのではないかと思います。そういう意味で、この文章が羅針盤程度 の助けにでもなれば、と思っています。

地図は、各自の作りたいRPGについて持っているイメージです。

旅に必要な、その他の六分儀などの器具は....私には提供できません。

私:「向こうが北だよ」
あなた:「目的地までの距離は?」
私:「向こうが北だよ」
あなた:「今、私はどのあたりにいる?」
私:「向こうが北だよ」
あなた:「...」
私:「向こうが北だよ」

ってか? ^^;

さてと、それでは本文を始める前に、ちょっと言葉の定義というか 紹介をしておきましょう。 以下のような用語を以下のような意味で使っています。

ゲーム (RPG):
ワールドとシステムの合わさったもの。 この文章内では特に断らないかぎりRPGを指します。

システム:
ルールの集合。特に後述のドライバ・モジュール全体。

ワールド:
背景世界についての設定。特に後述のデータ・モジュール全体。

モジュール:
ある一定の範囲のデータあるいはルールの集り

データ・モジュール:
一定の範囲のデータの集合

ドライバ・モジュール:
一定の範囲のルールの集合

ルール:
個々の手順、もしくはその多少の集合

データ:
ワールドを記述する、個々の事柄の記述、もしくはその多少の集合

## 必要な環境や知識

本題に入る前に、まずは、オリジナルRPGを作るために必要な環境などから 話を始めましょう。

### 意思

何をおいても必要なのは、言うまでもなく 「オリジナルRPGを作ってやろう!」 という意志です。とは言っても、力む必要は有りません。「オリジナルRPG を 作りたいな」と思う、その気持ちで充分です。ただし、オリジナルRPG 製作に は時間がかかりますので、その気持を持ち続ける根気は必要になるでしょう。 ここでは、そういう気持ちと根気を合わせて、意志と呼んでいると思ってくだ さい。

私個人に関していえば、私が作ってきたRPGは、どれ一つとして完成してい ません。ある程度まとまっているものは有ると思いますが、私自身が完成して いると納得できるものはまだ1つも無いのです(まぁ、長くやっているものは、 【Σ】ですね。 最近は止ってますけど)。

それは、1つには私自身の「飽きっぽい」という性質によるものであり、ま た「テスト・プレイを充分に納得行くまでできない」という環境の問題が有り ます。

おっと、こんなことを書いてしまうと、この記事を読もうと思ってくれる 人も離れていってしまいますね...^^;

あとは、私個人が「ワールドを作る」ことよりも「システムを作る」こと に興味が向いていて、しょうもないシステムを作っては捨てているってのもあ ります。

### テスト・プレイをやってくれる仲間

次には、製作に協力してくれる仲間も欠かせません。特に、テスト・プレ イに参加してくれる人が重要なのです。アイディアを出してくれる人は小人数 でもかまわないのですが、テスト・プレイの方はどうしてもそこそこの人数が 必要です。また、アイディアを出してくれる人は、作っているシステムに関し てかなりの知識を持っていなければならないのですが、テスト・プレイのとき にはその知識が邪魔になる場合もあります。テスト・プレイのときには、シス テムの知識を持っていない人にもシステムやルール・ブックの記述を理解でき るかという面のテストも必要になるからです。

いずれにせよテスト・プレイの結果、「おもしろくない」と言われたら、 あるいは問題が発覚したならば、どこがいけないのかなどを良く話し合い、お もしろくなるように直せば良いのです。しかし、テスト・プレイができなけれ ば、そんな貴重な意見も聞くことができません。

もっとも、最近ではパソ通やInternetなどを通じてテスト・バージョンを 公開し、テストしてもらうということも可能です。これはこれで多くの人にテ ストしてもらえる可能性はあるのですが、しかし対面でテストなり話し合うの とは違い、作者の持っているイメージなどがうまく伝わらなかったりというこ ともありえます。つまり、テスト・プレイそのものが、作者の持っているイメー ジとは違うような遊ばれかたで行なわれてしまう可能性が有るため、ちょっと 危険かもしれません。特に、初期のテスト・バージョンであれば、その危険性 が高いと思います。まぁ、これもまた問題点の発見と言えるとは思いますが。 そのあたりのことに気を付ければ、テストそのものを多くの人にやってもらえ る可能性が有るわけですし、また「私は今こんなのを作っている」という宣伝 にもなるので、ネットワークを使わない手はないかもしれません。

後程、また触れると思いますが、テスト・プレイをやってくれる人を みつけるというのも、仮にパソ通や Internet を使ったとして 難しい問題かもしれません。

というのも、私個人の感覚として、「本当にオリジナル RPGは遊ばれて いるのだろうか?」 という疑問が有るのです。 これについては 【なぜオリジナルRPGを作るのか?】の [オリジナルRPGは遊ばれているのか?] を参照してください。

### アイディアを出してくれる仲間

テスト・プレイに協力してくれる仲間は非常に重要なのですが、やはりア イディアを出してくれる仲間というのも負けずに重要です。

オリジナルRPG を作るということは、1つの世界を作るということです。し かも、もやもやとした イメージとしてではありません。それなりに厳密なルー ルやシステム、そしてワールドとして世界を作りあげるということなのです。 これは、1人の人間では到底歯が立つような事業では無いと思います。ですか ら、いろいろとアイディアを出してくれる仲間がいるというのは非常に心強い ものです。

これについても、オリジナルRPGのテスト・バージョンをネットワークを通 して公開していれば、ネットワーク経由でアイディアが寄せられるかもしれま せん。

そうそう、これはちょっとした注意になりますが、ともかく、オリジナル RPG製作には多くのマン・パワーが必要です。ですから、どうしてもどこかグ ループの力を借りることになります。あるいはグループで作成するということ になるでしょう。その場合でも、 責任者 (言い出しっぺ?) は明確に決めてお いた方が良いでしょう。そうでなければ、いろいろな意見が出たときにまとめ られなくなってしまいますから。

「船頭多くして、船、山に登る」ってやつですね。

### その他: いくつかの知識

また、RPGはだいたいにおいて乱数を使いますので、 高校程度の知識で十 分ですから、確率に関する知識が必要でしょう。とは言え、単純なダイスの出 目確率だけが分かれば良いのかと言われると、ちょっと疑問です。というのも、 はっきり言ってしまえば、乱数を使わないRPGを作りたいという場合もあるか らです。その場合、成功の確率をどの程度に見積るかというのも確率的な考え かたが必要になります。ですから、単純に「ダイス (やカード) が、いくつ以 上の目になる確率が何 % か分かる程度の 知識で良い」とは言えず、もうちょっ と広い意味で、確率についての感覚のようなものも多少は身についていないと いけないのではないかと思うのです。

さらには、商用RPG についての知識も必要です。様々な商用RPGの良い点、 また悪い点 (悪い点というよりも、気に入らない点かな?) を把握しておきま しょう。このことから逆に、どんなRPGを作りたいのかがはっきりしてくるこ ともあります。

あと、このあたり (あるいは、そこから辿れる文章) にも目を通してもら うと、きっと何かの役に立つことと思います。


私家版 Advanced!!】 【 オリジナルRPG製作について考える
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