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# 能力値と技能

ほとんどのRPGには能力値と技能というものが存在します。 あるいはこの他に職業というものも有りますが、考えようによっては この職業というのも技能の一種と考えられますので (Meta Skillとかなんとかと呼ぶべきかもしれませんが) 、 ここでは職業も技能の内に含めて考えてしまいましょう。 [an error occurred while processing this directive]

## 能力値と技能の意味

で、それはともかくとして、能力値と技能についても考えてみることがあります。 まず、第一に能力と技能の意味合いについて考えてみましょう。

おおざっぱに 言ってしまえば、能力値と技能の意味合いは、それぞれ 次のようになるでしょう。

能力値
生まれながらに持っている素質はもちろんのこと、それに加えて キャラクターが今までに学び、すでに身についている「何か」も含む。 様々な行為に影響を及ぼす、PCを表現する数値。 もしくはPCの肉体的な能力を中心として、上記のようなことがらを含めた、 PCを表現する数値。

技能
様々な行為のそれぞれについて、 どれくらいの経験や知識があるかを表わす。 個々の行為のそれぞれについての 習熟などを表す数値。

ただし、これはあくまで大雑把な違いにすぎません。 例えば、能力値は存在するが技能は存在しないようなRPGもあります。 そういうものは、能力値として技能的なものを含んでいるのが普通でしょう。 しかし、原則として、上記のような違いが有ると考えて良いと思います。

また、後ほど触れる話題とも関連しますが、 あなたのRPGにおいて、PCをどのように表現するか、 また何を能力値として、何を技能とするかなどは、 かなり大切な問題になります。 [an error occurred while processing this directive]

## 能力値や技能は必要なのか?

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### なぜ能力値や技能を使っているのか?

そもそも、なぜ多くのRPGでは能力値や技能を使っているのでしょうか? これは言ってしまえば歴史的な結果でしょう。 つまり、 【 D & D】 や その元になったウォー・シミュレーション・ゲームにおいて そのPCや駒を能力 (もしくは能力的なもの) を使っていたためではないかと 思います。 もちろん、その背景には、シミュレーション・ゲームにおいては 駒の持つ能力の差異を表現しなければならないということが有るわけですが。

RPGの概念は、TSR の Chainmail という中世を舞台にしたウォー・ シミュレーション・ゲームのファンタジー・サプリメントから 始まります。 それまでウォー・ゲームにおいて1つの駒が1つの集団を表現していたのに 対して、ファンタジー・サプリメントでは1つの駒が1人の人間 (あるいは知性体) を 現わしたのです。 残念ながら、私は Chainmail も、そのファンタジー・サプリメントも見たことは 無いので、それにもとづいて話を進めることはできません。 [an error occurred while processing this directive]

これらについては [ロールプレイング・ゲームの達人] に 書いてあります。

ところで誰か、Chainmail と、そのファンタジー・サプリメントを ちょっと貸してもらえませんか? 見れるものならぜひとも見てみたいものですから。

って、そもそも持ってる人が日本にいるのかなぁ? アメリカだとコレクターが持ってそうだけど、高いんだろうなぁ。 [an error occurred while processing this directive]

しかし、単純に考えると、ウォー・ゲームの駒に記載されているような 情報、例えば攻撃に関する数値、攻撃の防御に関する数値、移動に関する数値 は持っていたことでしょう。 それに加えて、おそらくいわゆるHP的な耐えられるダメージ総計についての数値も 持っていたものと思います。 ウォー・ゲームの場合だと HP 的なものはあまり無く、 攻撃が決まればその駒は盤上から消えるのが普通だと思いますが、 RPGにおいてはそれだとちょっときついですもんね。

このようにRPGは、そのベースとなったシミュレーション・ゲームにおいて 使われていたものと似たような数値によって、PCを表現していたものと思われます。 とすれば、おそらくそこから D & Dを作る際にも、 何らかの数値でPCを表現するというアイディアも、 かなり基本的なものとして受け継がえたものと考えられます。

世界初の RPG である D&D がそういう方法を取ってしまえば、 あとはそのまま、ほとんど慣性のようなものを持って、その後の RPGにも受けつがれたと考えられます。 最近になって (1990年代に入ってから?)、やっとその前提を 見直すものが現われたと考えて良いのではないでしょうか。 [an error occurred while processing this directive]

いや、もちろん、単に慣性で受け継がれたというのは言いすぎであることは 分かっていますけどね。 [an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]

### 能力値を使う?

さて、このあたりからがこの章での本題です。

そもそも、RPGにおいて能力値や技能は必要なのでしょうか? これは、つきつめるところ、RPGにおいて「PCをどのように表現するのか?」 という問題にいきつきます。

ここで極論すると、RPGはだいたいにおいて仮想の世界において PCが冒険するわけですから、つきつめてしまえばPCの生死を判断するための 数値なりなんなりが有れば充分だということになるでしょう。 もしも、セッションの方針なども含めて、PCが生死の境目を歩くということが 無いのであれば、その数値すら必要ないということになります。 [an error occurred while processing this directive]

On The Edge! ってか? [an error occurred while processing this directive]

しかし、 【 D & D】 のころからの原則として、 一人の人間 (知性体) は 万能ではないというものがあります 。 [an error occurred while processing this directive]

これは、現実の世界においても純然たる事実でしょう。 [an error occurred while processing this directive] そして、そういう原則もしくは仮定の上にRPGのシステムは成り立っています。 この原則、仮定、もしくは事実を再現しようとすれば、 そのPC間の能力の質的差異を表現するために、 PCの能力や技能などをなんらかの方法で表現する必要も有ると考えられます。 特にプレイヤーとPCは別の存在であると考えるのならば、 なおさら何らかの方法でPCの得手・不得手などを表現するために、 能力や技能を、システムにとって意味のある形で表現しなければならなくなります。 [an error occurred while processing this directive]

「PCはプレイヤーである」という原則に立つならば、 かならずしもシステム上で意味のある形で表現する必要はなくなります。 つまり、PCの行為について正否の判断が必要となったときには、 プレイヤーにその能力が有るかどうかを、プレイヤー本人 もしくは周囲の人間が判断するという方法も考えられるからです。

これだとかなり曖昧な判定方法になり、 System-less RPGになってしまうとは 思いますが。 [an error occurred while processing this directive]

ですから、ともかく原則として、システムにとって意味が有るような形で (その形についてはまだ何とも言えませんが)、PCの能力や技能を表現する必要が 有りそうだという結論になります。

では、ちょっと具体的な話に入りましょう。

まず、能力値を使うのかということを考えましょう。 技能が山ほど設定されている RPGを遊ぶと、「このRPGに能力値は必要なの?」と 思ってしまうこともあるでしょう。 だいたいにおいて、そう感じるのは判定では能力値をほとんど使わない場合でしょう。 つまり、技能が多く設定されているということは、 あるいはどのようなPCであっても取得可能な技能が多数有るということは、 PCを表現する方法についても、 また判定においても技能のほうに重きが置かれていることになるわけです。 これを広く考えると、技能の数とは別の問題として、 能力値の無いRPG というのも可能だということになります。

また、能力値を使うとしても、どれくらいの個数の能力値を設定すれば 良いのでしょうか? またそれぞれの能力値は何を表わすのかという問題があります。

例えば、「器用さ」という能力値を考えてみましょう。 ファンタジーRPGなんかでは、そのまま「器用さ」 とかいう名前で登場します。 しかし、現代を舞台としたRPG [ ルール・ザ・ワールド ] では、 「器用さ」という能力値は存在しません。 代わりに「操作値」 (だったと思うけどな...) という能力値があるのです。 この「操作値」というのは、さまざまな道具などをうまく使えるかどうかを現す 能力値なのです。 つまり、現代の日常生活においては、その人がどれくらい手先が器用かなんてことは どうでもいい、あるいはあまり重要ではないということなのです。 手先の器用さよりもむしろ、いろいろな道具 (機械や電子機器など) をどれくらい巧く 使えるかという問題のほうが大きいことを表しているわけです。 このように、採用する能力値や、その意味合いがワールドによって 違ってくるということにも気をつけるべきでしょう。

このこととも関係しますが、基本的に能力値の数は少数であることが ほとんどでしょう。 なぜ少数なのかと言えば、早い話、人間の肉体的な能力について、 人間はこれまで少数の要素に類別して考えてきていたということがあるから でしょうけどね。 ですから、逆に言えば、どのような能力値を設定するかは熟考しなくては なりません。 もちろん、全ての能力値が同様に重要になるようにするべきでしょう。 そして、どうしてその能力値が必要なのかを良く考えるべきでしょう。

例えば、能力値を主に使用する判定方法の場合であれば、 それぞれの能力値がどういう判定において使用されるのか、 またその判定はどの程度の重要性 (もしくは頻度) を持っているのかを 考えることが参考になるでしょう。 考慮の範囲に入るのは、何も判定方法ばかりではありませんけどね。 もしも、そこで重要でないと思われる能力値が有ったなら、 もう一度、その能力値が本当に必要なのか、他の能力値に組み込むなどの 方法によって削除できないかなどなどを考えてみるべきでしょう。

ですが実際には、設定している能力値はどのRPG でもだいたい似たりよったりで、 だいたい多めでも次のような感じでしょう。 また、技能を採用するかどうかとも関連しますが、 技能を使わない、もしくは技能は特殊な場合のみ使用するということであれば、 例えば戦闘など良くある状況に関しては、それを技能ではなく 「攻撃力」などの能力値として表現することも考えられます。 これらについても一緒に挙げておきましょう。 それに加えて、能力値と言っていいのか分かりませんが、ヒット・ポイントや マジック・ポイントってのも有りますね。 それも入れておきますね。 もちろん、実際にはここに挙げたのの一部だけだったり、 ここに挙げたもののうちのいくつかが統合されていたりしている場合も多々あります。

もちろん、このリストが現存するあらゆるRPGにおける能力値全体の集合という わけではありません。 ですから、これ以外にももっと付け加えるべきものが有るかもしれません。 とは言え、このくらいの能力値が有れば、実際なんとかなるものです。 あとは、あなたのワールドに合わせて意味を変えたり、新たに必 要な能力値を付け加えたり、あるいは統合したりという程度でしょう。 その、意味合いの変更や、追加、あるいは統合は、 あなたがワールドやシステムで「表現したいこと」もしくは「再現したいこと」、 またシステムやワールドをどの程度具体的なものにするか、あるいは抽象的な ものにするかということが関係すると思います。 もちろん、能力値などまったく使わないという選択も有りますしね。 例えば 【Δ】 や [an error occurred while processing this directive]は 能力値を使っていないものの一例でしょう。 [an error occurred while processing this directive]

### 技能を使う?

同様に、技能を使うかという問題があります。 また、使うとして、どのようなものを、どのくらいの個数、技能として 設定するかという問題もあります。

ここで、例えばファンタジー世界なら能力値を多くし、 その中に技能的な内容のものも含めることで、 技能を設定する必要はなくなるかもしれません。 しかし、SFの場合では、おそらく技能を設定しなければならないでしょう。 これは簡単に言ってしまえば、可能な行為や扱う物品の数の問題になると思われます。 つまり、単純な道具は、能力値など基本的なパラメーターで処理できるけれども、 複雑な道具の場合はそれぞれの使い方などの知識や訓練が個別に 必要になるということです。

ただし、これまた絶対というわけではありませんし、 またどこまで細分化するのかも難しい問題です。 おそらくはどのようなワールドであるか、あるいは ワールドやシステムをどの程度具体化、もくは抽象化するのかという ことから決まってくることなのでしょう。

例えばスペース・オペラ的な世界においてはエンジニアリング、 もしくは科学というような1つの技能で、あらゆる科学や技術、数学などに 対応できてもかまわないかもしれません。 なぜなら、スペース・オペラ的世界においては、 この強力な科学技術系万能技能を無に帰すような状況の設定や、 あるいはこの技能に対抗可能な別の技能や能力の設定が 比較的自由に行なえるからです。

それに対し、サイバー・パンクにおいてエンジニアリングや科学という 1つの技能で、プログラミング、ハッキング、クラッキング、さらには薬物、 サイバー化部品などなどの全てに対応できるとしたらどうでしょうか? これは、サイバー・パンクという世界においてはそのPCはかなり万能に近い 能力を持ってしまうことになってしまい、ちょっと問題が有るでしょう。 なぜなら、この科学技術系万能技能のカバーする範囲は、 サイバー・パンクという世界において発生する状況の非常に広い範囲に 及んでしまい、その結果、他の技能とのいわば有用さに不均衡が 生じてしまう可能性が高いためです。 いえ、他の技能云々とは別にしても、そもそも能力や技能を設定する 根本的な理由である「PCは万能ではない」という事項に違反して しまいかねませんからね。

とは言え、サイバー・パンクというよりもサイバー・オペラ的な世界であれば、 スペース・オペラと同様に科学技術系万能技能が存在してもそれほど問題では 無いかもしれません。 [an error occurred while processing this directive]

いやまぁ、サイバー・オペラなんていうジャンルは 一般的には言われていないものと思いますけどね。 でも、何となく感じは分かるでしょ?

サイバー・オペラって言葉でどういう世界をイメージしているかと言うとだな、 技術的知識も無く、おまけにそれをカバーする筆力もない 軟弱な著者の書いたサイバー系の作品である。 具体的な名前を挙げるのはやめるけど、誰とは言わないけど 日本人の作家でそんなの書いてるのいるでしょ? 誰とは言わないけど [an error occurred while processing this directive]

この技能 (や能力値) の不均衡というのは、、結局は ワールド次第ともいえます。 例えばそのワールドにおいて 科学技術があまり役に立たないようなものであり、 逆に短剣での戦闘が多いに役にたつようなものであれば、 「科学技術全般」と「短剣での戦闘」という技能は おそらくアンバランスにはならないのではないかと思います。

つまり、個々の技能 (や能力値) がゲームに与える影響力はだいたい同程度に しておかなければならないということでしょう。

また、技能ではありませんが、それに類するものとしてPCの職業というものが 有ります。 そのRPGの世界が限定されているならば技能ではなく、より分かりやすい 職能とか職業を技能の変わりに使うこともできるでしょう。 私の 【Δ】 も 古いバージョンはそのようにしていました。

で、いったいどんな技能を設定しておくべきかということですが、 どの辺までやるかは世界観と趣味の問題でしょう。 極端な話、「タバコを吸う」なんて技能があっても良いわけです。 例えば、タバコを吸うことが何らかのステータス・シンボルになっているような ワールドでは、重要な技能かもしれませんね...。 また、何等かの理由で睡眠をとるのが難しく、意図的な行動として 行わなければならないようなワールドならば、 「寝る」という技能があってもおかしくはないわけです。 このように、ここでも結局そのワールドをシステム上で再現したいこと、 表現したいことに基づいて決めるということになります。 [an error occurred while processing this directive]

じゃぁ、死ねないワールドでは「死ぬ」技能が有っても良いのかというと...、 これが [6つの世界の物語] のなかの 1つでやられてるんだな、これが。 [an error occurred while processing this directive]

次いで、いったいどれくらいの数の技能を設定しておくべきかは 難しい問題です。 あなたのワールドではどんなことが起こり得るか、そしてどのような 行動は意図的に行わなければならないか、などを考えなければなりません。 もちろん、あなたのワールドではどういう物品が有るのかを考えるのも 参考になるはずです。

ここでも「どうせ1人じゃ完全なRPGシステムなんか作れないさ!」 といういいかげんさを発揮してしまいましょう。 で、始めのうちはせいぜい20個くらい作っておけば十分でしょう。 20個位なら、大体すぐに思い付きますからね。 それに、逆に技能の数が多ければ多いほど良いというわけでもありませんから。 マスターをやったことのある方なら分かると思いますが、 プレイヤーというのはこちらの意図していないことは幾らでもやってくれます。 ですから、実際にプレイを重ねていくうちに、本当に必要な 技能というのがはっきりして来るでしょう。 [an error occurred while processing this directive]

### 技能の質的相違

ところで、先の能力値の例のところでは、 肉体的な能力に加えて、「技能的な内容のもの」というものも挙げておきました。 つまり、能力値と一言で言っても、中には技能的な内容のものも有りうるという ことです。 この例とはちょっと違うのですが、技能のなかにもやはり一種の質の違いが 有ります。次はそれについて考えてみましょう。

技能を大きく2つに分けて考えましょう。 その分類は次のようになります。

このうち、道具の使用に関しては、おそらくそのワールドとも関係します。 つまり、そのワールドにおいてその道具が一般的になっているかどうか ということです。 例えば、現在の世界を見たとき、おそらくコンピューター技能を持っていな ければプログラムは組めないと考えて良いでしょうし、 おそらくWorld Wide Web を使って探している情報をそれほど速く みつけることもできないでしょう。 しかし、コンピューター技能を持っていなくてもワープロを使うことは できるかもしれませんし、時間をかけても良いならばWWWから 探している情報を得ることも可能でしょう。 ところが、ほんの数年前 (1990代初頭)の状況を考えてみると、 おそらくコンピューター技能を持っていなければワープロを使うことすら できないと考えて妥当だったと思うのです。 表計算なんか冗談にもならないでしょうね。 さらに、Internet を使って、必要な情報を探すことなど FTP (含む archie) や WAIS、 gopher、 netnews などを使っての 情報の探しかたを知っているかどうかということになりますが、 コンピューター技能を持っていなければ到底不可能なことだと 考えられていたでしょう。

このように、道具の使用に関する技能については、 その道具が一般的になっていれば、技能を持っていなくとも 操作を試みることは可能であると考えられます。 もっとも、「一般的になっている」という状況がどういう状況を指すのかは また別の問題ですけど... [an error occurred while processing this directive]

ところで、1998 年初頭に発表された、コンピューターの普及率だと、 会社での場合でも一般家庭での場合でも、日本は韓国やシンガポールより 低いって知ってました?

笑っちゃいますよね。 [an error occurred while processing this directive]

それに対して、行為そのものについては、 おそらくその技能を持っていなければ試みることすら不可能という行為は ほとんど無いのではないかと思います。 その代わり、その技能を持っていなければ、その行為を試みることは 致命的結果をもたらすということになるでしょう。 例えば、今ちょうど長野オリンピックのエアリアルの競技がTVから流れて いるのですが、 このエアリアルや、あるいはジャンプなどは、その技能を持っていなければ 致命的な結果をもたらしかねない行為の一種でしょう。 [an error occurred while processing this directive]

致命的云々以前に、コケて転げ落ちていくって話もありますが ... ^^;

ジャンプって、滑り始めてすぐコケても、ジャンプ台からまで 落ちるってことは無いよね? もしジャンプ台からも落ちちゃうようだと、結局致命的かも ... ^^; [an error occurred while processing this directive]

これについても結局のところ、その行為がそのワールドにおいてどれほど一般的な 行為であるのかという問題であるような気がします。 その行為が一般的であるということは、その世界においてその行為は 生きる上で必要な行為であるとか、あちこちでその行為が試みられており その行為を何回も見たことが有ったりということで、 誰しもその行為の素養は持っていると考えられます。 その行為が一般的でないということは、まぁこの逆になるわけです。 もっとも、「一般的になっている」という状況がどういう状況を指すのかは また別の問題ですけど... ^^;。

道具、行為と、もう一つ言うなら、知識に関しても考えるべきかもしれません。 道具を使う場合や、行為を行なう場合に特殊な知識が必要になる場合も考えられます。 しかし、これも同様に結局はそのワールドでその知識が一般的かどうかに かかっていると言って良いでしょう。 その理由は、道具の使用や行為についてと同様です。

なお、ここでは「ワールドにおいて一般的かどうか」ということですが、 これはもちろんそのワールド全体とも関係しますが、 それに加えて、そのPCやNPCが属する社会も大きく影響すると考えられます。 例えば、スラム街での常識と、社交界での常識は違いますし、云々というわけで、 まぁ、これについてはわざわざ言わなくても良いですね。

ところで、この「ワールドにおいて一般的かどうか」という話は、 また別の話にも繋がります。 つまり、技能を数値的に表現するとした場合、その数値の意味合いの問題に なるのです。 現状では多くのRPGにおいて、 技能を持たずにその行為を行なうことは致命的結果をもたらしたり、 あるいは道具を使えないというものも、 またそうでないものも技能値を 0 から表現することになっています。 だとすると、その技能を持っていなくても致命的でもなく、試みることも 可能な技能の技能値が 0 というのと、 その技能を持っていなければ致命的な技能の技能値が 0 というのでは、 おなじ0という技能値でもかなり意味合いが異なってきます。

上に書いたように、これらの致命的結果をもたらすとか道具を 使えないということが、 それらが一般的であるかどうかということ、 つまりワールドや、PCなどの属する社会に依存しているとするならば、 その行為や道具の使用そのものに本質的に「技能がなければダメ」という 要素が有るわけではないわけです。 ならば、その違いを出すために、ある技能は0から出発し、 ある技能は1から出発するということも可能になるはずです。 [an error occurred while processing this directive]

いや、もちろん、もうやってるRPGもありますけどね。 でも、つきつめてやってるRPGって、たぶんまだ無いんじゃないかなぁ?

もっとも、つきつめてやると、その資料だけでもそこそこの 分量になっちゃうけどね。 [an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]

## 能力値や技能を数値的に表現するかどうか?

で、さらに続いて考えることは、「能力値や技能を数値的に表現するかどうか?」 ということです。 ここでは「数値的」と言っていますが、これは、必ずしも実際に数値で 表現することばかりを言っているのではありません。 何らかの方法で能力の差、一種の習熟の度合を表現できるような方法をすべて、 数値を使うものとして考えています。 例えば、「上級者」、「中級者」、「初心者」 などという分け方でも能力の程度を 3つに分割しており、この場合でもその気になればそのまま数値で表すことも可能です。 このような、一種の習熟の度合をいくつかの段階に分けるだけでも、 それは数値で表現するのと実質的に変わりませんから。

まず考えるのが、能力値や技能というような、PCを表現するための要素を 数値的に表現する必要が有るのか、ということでしょう。 では、なぜPCの能力を数値的に表現するのでしょうか? 1つには、数値的に表現してしまうことによって、 PCの能力を客観的に表現する、もしくは比較可能な形で表現するためでしょう。 また、数値として表現することによって、判定における基準が明確なものと して得られるという点も有るでしょう。 その結果、判定の際にかかる手間を少なくするということも考えられます。

しかし、能力を数値を使って表現しても、 その数値の意味するところは、実はそれほど明確ではありません。 例えば、能力値が1から10の数値で表現されているとしましょう。 では、能力値が10とはどういうことなのでしょうか? これはもちろん判定の成功率などとも関連しますが、 誰も能力値が10とはどういうことなのかを明確に説明できる人は いないでしょう。 つまり、能力を表現する数値は、それのみでは実はほとんど何も表現していないとも 言えるわけです。 他の能力や他のPCのその能力の数値と比較する場合に、意味が有ると 言えるでしょう。

能力値や技能を数値的に表現しないものとしては、 1つは、能力や技能の例えばレベルという考えが存在しないものが挙げられます。 これは技能の場合が多いとは思いますが、その技能を持っているかどうかのみが 問題であるというものです。 D & D あたりがそんな例でしょう。 [an error occurred while processing this directive]

これは、数値として0と1しか使っていないという考えかたもできますけどね。 [an error occurred while processing this directive]

そしてもう1つは、いわゆる Description-base のRPGが有ります。 Description-based のRPGというのは、技能などを数値で表現せず、 プレイヤーがそのPCの経歴などについて、もしくはそのPCの持っている技能について 文章で説明を書くものを言います。 もうちょっと広く言えば、その文章に基づいて数値表現したものも 含めても良いでしょう。 これは、後に挙げる [ 技能をシステムやワールドで規定する必要は有るのか?] で触れることも関係しますね。

Description-Based RPG
技能などを数値で表現せず、 プレイヤーがそのPCの経歴などについて、 もしくはそのPCの持っている技能について 文章で説明を書くものを言います。 もうちょっと広く言えば、その文章に基づいて数値表現したものも 含めても良いでしょう。

ここでちょっと話がやっかいになります。 というのも、私の知る限りにおいては、 能力値や技能を数値的に表現しないものは、 レベルという考えが存在しないもの (0, 1 で考えられるってやつね) を除いて、 システムが能力値や技能を規定していないからです。 つまり、System-less RPGは、私の知る限り Description-Based RPG でも 有るのです。 まぁ、判定の基準となるPCの能力が明確には表現されていないのですから 判定モジュールも非常にあやふやなものにならざるをえません。

ただ、その逆は必ずしもなりたちません。 少なくともDescription-Based RPGの定義を広く解釈した場合は、ですが。 つまり、文章による説明を基に数値を設定する場合であれば、 Description-Based RPGであっても System-less RPG ではないという 場合が考えられるからです。

では、なぜ System-less RPGや Description-Based RPG というものが 現われてきているのでしょうか? これについては、私ははっきり分かりません。 ただ、想像するに「ストーリー指向」が強くなっため、 判定においてPCを表現する数値やダイスの目よりも、 シナリオ上の都合やもしくはプレイヤーが思い描くPCのイメージに 重きを置くようになったと考えられます。 その結果、PCの技能などを数値的に表現する必要も無いということになり、 またPCの技能などを文章で記述するようになり、 そして System-less の方向に進んだのではないかと考えられるのでは ないでしょうか。

ところで、私は、PCの能力を数値で (少なくともキャラクター・シート上では) 表現しないというRPGは、NiftyのFRPGMのライブラリに登録されている19Cと、 【 Act with Tarot 】 というFree RPG以外には知りません。 [an error occurred while processing this directive]

これは、私がちょっと勘違いしているかもしれません。 [an error occurred while processing this directive]

ここで、狭義の Description-Based RPG の問題点として、 PCのそれぞれの能力が安定して評価されるか、つまり時によってその能力が 大きく評価されたり小さく評価されたりすることがないのかということが あります。 つまり、あまりにも GMの設定する数値がバラつくのであれば、 その時々のGMの都合 (シナリオ上の都合) によってPCの能力が変化し、 判定が影響を受けるということになります。 それでは、仮にPCの能力などを記述しておいても、それに意味が有るのでしょうか? あるいは、逆に、PCの能力の評価が一定しているのであれば、 その評価を数値的に表現しておくことにより、 判定においてGMが記述を評価するという手間を省けることになります。 [an error occurred while processing this directive]

もっとも、能力を数値で表わすRPGにしたところで、GMの都合で 判定がひっくり返ったりするわけですから、実際には大して 問題ではないのかもしれません。

また、上に書いたことについては、RPGの新しい遊び方について (Free Form など) の理解が足りないから、そう感じていることかもしれません。 [an error occurred while processing this directive]

なお、PCの能力を数値で表現しないというものの1例として、 PCが能力値などを持たないという可能性も有る ことを挙げておきましょう (【 モンスター・ホラー・ショー】 、 私の [an error occurred while processing this directive]) 。 これらは、Description Basedでも、System-lessでもなく、 システムが非常に (異常な程? 非常識に?) スリムになっているにすぎません。 また、私の 【Δ】 は記述を基本と考えていますが、それを数値化し、 判定システムも明確であるユニークなもので あると自負しています (勝手にそう思ってるだけですけどね)。 [an error occurred while processing this directive]

## 技能をシステムやワールドで規定する必要は有るのか?

さて、次に考えるのはシステムやワールドで、PCの能力値や技能を 設定しておく、もしくは規定しておく必要が有るのかどうかです。

これまでのところで、能力値を使うか、あるいは技能を使うかについて 考えてきました。あるいは、その表現をどうするかを考えてきました。 これまでの考察の結果、能力値や技能を使うとしたとしましょう。 すると次に考えるのは、能力値や技能をシステムやワールドで規定するかどうかです。

とは言え、能力値は、PCを表現する非常に基本的な数値、 つまりPCの言わば肉体的な表現を、どのような視点から行なうかという意味合いに 近いものです。 つまり、人間 など の属性としてどのようなものを採用するのか ということです。 ですから、能力値を使うとしたら、能力値は全PC共通でなければ 困るでしょう。 また、能力値は、個々の能力値がその意味合いからしてかなり広い範囲の 内容を含みます。 例えば、「体力」という能力値一つでも、いわゆる筋力、いわゆるスタミナなどを 表現していると考えることが可能です。 それによって、「体力」という能力値一つで、重量挙げ、マラソン、物を投げる、 泳ぐなどなどの行為に対する、判定が可能になります。 この2つの理由により、能力値を使う場合には、 どういう能力値を使うかということが問題にはなっても、 能力値をシステムが規定するかどうかは問題とはならないと思います (つまりシステムが規定する以外の方法は無いということです)。 [an error occurred while processing this directive]

まぁ、そのRPGに登場する知性体が、非常に多岐に渡る場合は、 そうも言ってられないかもしれません。

例えば、Star Treck の TNG や DS9 における アンドロイド、Q のような良く分からないもの、流動体生物、 そのほかプラズマ生物などなどのように多種の、 それも生物としての基盤が異なる生物があたりまえのように複数種存在する 世界では、そのすべてを同一の能力値で表現するのは、たぶん無理が出て くることになると思います。

ただ、能力値を肉体的能力の云々ではなく、 肉体によって可能な現象を表現するものという解釈にすれば、 同一の能力値群によっても可能かもしれませんね。 え? どういう違いが有るかって? どうでしょうねぇ? [an error occurred while processing this directive]

では技能についてはどうでしょうか? 技能は、もともと個々の道具の使用や行為に対する習熟の程度を表現しています。 すると、様々な道具の使用や行為の個々に、対応した技能を作成することが基本に なります。 しかしその基本的な方針においては、現実には、例えば現代を舞台にした RPGであれば、物品の種類自体が非常に多いため、その個々に対応する技能を 作成することは不可能に近くなったり、もしくは非常に困難になります。

すると、次に考えらえるのが、様々な道具や行為を何らかの基準によって カテゴライズし、そのカテゴリーごとに技能を規定するということになります。 さて、ここで問題が発生します。 もともと技能は、それぞれの技能が排他的なものになっているはずです。 なぜなら、それぞれの技能は、様々な道具の使用や行為、もしくはそれらの カテゴリーごとに作成されているものであり、 複数の技能のカバーする範囲が重複するということは、 様々な道具の使用や行為、もしくはそれらのカテゴライズのしかたに 問題が有るということを現わしてしまうからです。 そのような問題が有るということは、つまりそのままプレイヤーやGMの 判断の混乱を引き起こすことになるからです。

とは言え、本来、技能というものは排他的に規定できるものではないでしょう。 なぜなら、人間の行なう行為というのは本来様々な要素が関係しているからです。 例えば、コンピューターのプログラムを行なう場合にしても、プログラムの内容と して書く作業についての理解が充分でなければいけません。 そして、場合によってはンピューターのアーキテクチャーなど電子回路、 論理回路などなどの知識が必要になる場合もあります。 という具合にです。

これまでのところ、多くのRPGは、いかにうまくカテゴライズを行なうのか ということに腐心していました。 それに対して、1つの回答を示したのが 【ShadowRun】 です。 【ShadowRun】 においては、Skill Web という形で技能間の包含関係もしくは類似が 設定されていました。 また、それとは別の回答を示したものが 【THEATRIX】 です。 【THEATRIX】 では、システムは技能を規定せず、ユーザーにまかせるように なりました。つまり、どのような技能を作成するか、またその解釈を どのように行なうのかはプレイヤーとGMにまかせるという方向です。

両者は、かなり異なった対処方法のように見えますが、少なくとも1点において 共通している点が有ります。 つまり、両者とも技能の解釈に、システム上から柔軟さを持たせたということです。 ちなみに私の 【Δ】 は、 この両者を統合した形になっています。

このように、そもそも技能をシステムが規定するのかどうか、 また規定するとして、どのような形で規定するのか (カテゴライズの方法や、 技能間の関係をどのように表現するのか) を考える必要が有るのです。

また、能力 (とかいわゆる技能) がシステムで規定されている場合、 それによって、その世界での特徴的な行動などの 言わば世界設定を補うような情報をそこから読み取れる場合も有ります。 また、PCに何ができて何ができないのかがはっきり分かるという利点もあります。 ただし、逆にプレイヤーのイメージをうまく再現できるかどうかという 問題もあります。 更に言ってしまえば、技能制の問題として、プレイヤーの宣言がコマンド選択式の ようなものになるとかいう問題もあったりしますが。 逆に、能力をシステムで規定していない場合、 これはプレイヤーのイメージするPCを再現しやすいと言えるでしょう。 ただし、これにも弱点が有って、これまではほとんどのシステムが 能力を提示していたため、「さぁ君の好きなように能力を設定して!」と 言われてもとまどってしまうプレイヤーが多いようです。 [an error occurred while processing this directive]

Δ】 の テストプレイでは、常にこの問題に直面してしまいます。 [an error occurred while processing this directive]

「コマンド選択」についてちょっと補足しておきますね。 この問題は、システムが技能などを規定しているかどうかとは直接は 関連せず、プレイヤーの問題であるかのようにも思えます。 しかし、おそらく実際には関連が有ります。 システムが規定している場合、そのデザイナーはそれを意図していなくとも ユーザーはルール・ブックに示される能力が、PCに可能な行動の全てだと 思ってしまうことが有るようなのです。 つまり技能リストからのコマンド選択という形になってしまうわけです。 これを大袈裟に考えると、RPGのルールがPCの行動を規定するのか、 あるいはPCの行動を解決するのにルールを使うのかという問題にまで 行きつきます。 言いかたを変えるなら、RPGを遊ぶ際にルールが主になりプレイヤーが従になるのか、 それともプレイヤーが主になりルールが従であるのかというわけです。 [an error occurred while processing this directive]

んー、まぁ関係無い話になっちゃった。

これはプレイとゲームの境界にある問題であるということで... [an error occurred while processing this directive]

話を戻しまして、PCの能力をシステムが規定しないというものの1例として、 PCが能力値などを持たないという可能性も有ることを挙げておきましょう (【 モンスター・ホラー・ショー】 、 私の[an error occurred while processing this directive] ) 。 これらは、Description Base でも、Systemlessでもなく、 システムが非常に (異常な程? 非常識に?) スリムになっているにすぎません。 [an error occurred while processing this directive]

## ちょっと振り返ると...

ちょっと、これまでに挙げた選択肢というか、そんなものをまとめてみますね。 これまで、判定に乱数を使うのか (【 判定に乱数を使うか?】参照)、 PCの能力を数値で表現するのか、 そしてシステムが技能や能力を規定するのかという3つの視点で RPGのシステムを見てみました。 この3つの視点というか分類は直交するものになります (たぶん) 。

乱数を   | PCの能力を数値で | システムがPCの能力 (や技能) を 
使う?    | 表現する?        | 規定する?                      
---------+------------------+--------------------------------
使う     | する             | する                           
使わない | しない           | しない                         

つまりこのような分類に基づいて、判定モジュールとその周辺は2^3=8種類 存在することになります。 もちろん、その8種類のそれぞれの中で更に細かく分類が有ることでしょう (例えば乱数を使う場合の「上方ロール」と「下方ロール」など)。 とりあえず、この8つの分類の特徴を挙げてみましょう。

1) 乱数を使い、能力を数値で表現し、システムが能力を規定する
これは、現在一般的なRPGですから特に説明するまでもないでしょう。 まぁ、あえて弱点を挙げるとすれば、プレイヤーの要求する行為を処理するのに 適当な技能がシステムに設定されていない場合が有るということでしょうか。 また、PCについてのプレイヤーが持っているイメージをうまく再現できない 場合が有り得ます。

2) 乱数を使い、能力を数値で表現し、システムが能力を規定しない
これは、1) の問題を解決というか回避しようとするシステムと 言えるでしょう。 技能の設定はプレイヤーの責任になりますから、 システムに無いだのなんだのとウダウダ言わせません。 【Δ】 には オプション・ルールとしてこのような判定モジュールが有ります。

3) 乱数を使い、能力を数値で表現せず、システムが能力を規定する
技能のレベルというものは存在しないけど、 技能というものは有って、ある技能を持っていないとその行為ができなくて、 判定は単純に乱数だけで決まるということでしょうね。 あるいは、数値ではなく記述で表現し、GMがその記述を読み取って評価する という方向もありますか。 次の4) がちょっと発展した形と言えるでしょうか。 PCの得手、不得手が若干表現できるようになってきています。 考えてみると【 D & D】 における技能って こんな感じじゃなかったっけ (もっとも能力値やら何やらが数値で表現されてたけどね) ? また、1) の前段階に相当するのかもしれません。

4) 乱数を使い、能力を数値で表現せず、システムが能力を規定しない
3) においても1) と同じ問題が発生します。 この4) は、その問題を回避するものということになるでしょう。 あるいは、【 モンスター・ホラー・ショー】 のように、 PCはHP以外のパラメーターを 持たないRPGという方向も考えられます。

5) 乱数を使わず、能力を数値で表現し、システムが能力を規定する
PCの能力値とか技能値を直接比較するようなもので、 システムがPCの能力として使えるものを規定してあるということで、 【AMBER Diceless Role-Playing】 そのものということでしょうか。

6) 乱数を使わず、能力を数値で表現し、システムが能力を規定しない
これは【THEATRIX】 (とりあえずね) とか、 【Δ】 が相当します。

7) 乱数を使わず、能力を数値で表現せず、システムが能力を規定する
おそらく、技能レベルは存在しないけど、技能が有って、 その技能を持っていないとその行為ができなくて、 判定は技能を持っているかどうかとGM (およびシナリオ) の都合で判断される ということになるんでしょうね。 多分、これまでのRPGとは、プレイヤーも考え方を一変させなければ、 面白いとは感じないんじゃないかな?

8) 乱数を使わず、能力を数値で表現せず、システムが能力を規定しない
えと、これはもう見事なSystem-less RPGです。 ストーリー・テリングのための判定モジュールと言えるでしょう。 多分、これまでのRPGとは、プレイヤーも考え方を一変させなければ、 面白いとは感じないんじゃないかな?

えと、あれ、意外にも考えられるものですね。 どれも考えれば有りそうなものに思えてきました^^) 。 しかし、現実に存在するのは、1) ,4) ,5) ,6) というあたりですか。 2) も多分存在するとは思うんですけどね。 ゴッコ遊びも考えに入れれば、8) も存在することになりますね。 そうすると、3) ,7) あたりが現実的には有りそうにないものということになりますか。 とは言え、部分的とは言え3) も存在しましたし、ゴッコ遊びにおいても 特殊技能というか特殊能力というか必殺技なんかはTVの方などで規定されちゃっている と考えれば、ゴッコ遊びというのは7) と言うべきなのかもしれない。 とすると、むしろあやしいのは8) 番かぁ。 形式上は、19Cがこれに当たるのかなぁ? まぁ、それは置いといて、とりあえずそれぞれが考えられるわけです。

えと、この8つの分類で、どれが良い悪いということではなく、 単純に分類しただけでもこの8種類が有るということです。 で、おそらくはそれぞれに長所と短所が有るわけで、 皆さんが考えているオリジナルRPGには、もしかしたらこれまで一般的だった 1) 以外のものの方が合っているかもしれないということを 考えてみてください。 [an error occurred while processing this directive]

## 肉体的な能力をどのように表現するか?

さて、おおまかなところは見てきたのですが、 もうちょっと考えなければならないことが有ります。

判定において、一般的な行為の場合でも、単純に成功、 失敗で割り切るのはおもしろくないという意見もあるでしょう。 それがこの肉体的な能力の関しては非常に強く現われるのです。 つまり、走る、持ち上げる、投げるなどの極めて肉体的な能力は、若干特殊な場 合を除いて、誰でもある程度のことは必ずできます。 この点をどのように表現するかという問題があるのです。 なお、このような肉体的な能力を、かならずしも能力値で 表現するとは限りません。 考え方によっては、技能としてとらえることも可能なはずです。

この問題にはいくつかの解決方法が有ります。 例えば、とにかく無条件に一律にどの程度のことは可能なのかを決めてしまうと いう方法も考えられます。 あるいは、能力値や技能の値によって、その値ならばこれ だけのことが可能だと決めてしまうという方法も考えられます。 これらの場合、その行為は絶対に失敗しないとしてしまっても良いでしょう。 もっと精密さを追うならば、 最低限これくらいはできるだろうという限度や、これ以上のことはできないだろうと いう限界を考え、能力値や技能でそのつど判定を行うという方法も考えられます。 あるいは、そもそも肉体的な能力の 限界は設定せずに、プレイヤーとGMの常識に任せてしまう方法も有ります。 いずれにせよ、逆にその設定をやりやすい部分であるとも言えます。 例えばギネス・ブックや競技会などの記録を調べればいくらでも資料が 有るわけですから。

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●サンプル: PCをどう表現するか?

簡単なファンタジーで、しかも手軽さを第一に考えるので、細かいことは考え ずに、この世界に存在する冒険者としての職業 (?) を技能と考える。

技能はとりあえず、「戦士」、「魔法使い」、「盗賊」を設定する。

能力値としては「HP」を設定する。HPが0以下になったら死亡。

『PCは、いわゆる冒険者。カタギの人達からは、うさんくさそうな目で見られる ことさえあれ、尊敬されることなどありえない』

というのを表現するために、 「徳」という能力値 (?) を設定する。 「徳」が高ければ人にも尊敬されたり親しまれたり するが、低いとそうはいかない。

とりあえず、肉体の強靭さや敏捷性については「戦士」技能を使い、 敏捷性や手先の器用さや知覚については「盗賊」技能を使って判定する。 あと、知覚や知識については「魔法使い」を使う。

ここで、例えば「戦士」と「盗賊」は共に「敏捷性」が入っているが、 そういう場合、そのPCに有利なほうを使って判定する。

あと、何m 走れる云々というような、肉体的な能力も技能で表現するつもりだが、 現時点ではとりあえず 具体的には考えず、GMとプレイヤーの常識にまかせる。

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