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[an error occurred while processing this directive]【能力値と技能】では能力値とか技能なんかについて 考えてみました。 それらの話と、判定方法の関連でちょっと考えてみたいことが有ります。 さてと、ここでの話は、「能力値のみ使う」もしくは「技能のみ使う」と 考えられている方には関係ありません。 「両方使う」という方のみお読みいただければ結構です。
さて、「能力値と技能の両方を使う」という場合、判定方法は主に以下の3つに 分けられます。
これは、先に前節にちょっとだけ書いた「物品や行為の数」の話とも関連しますし、 また「どれくらいの能力値や技能の数を設定するか」という話とも関連します。
あまりこまかく考えると判定方法の話になってしまうので、 ここではこれ以上は触れません。 ただ、もしも両方を使うのであれば、上の3つの選択肢のどれにあたるものに するのかは、充分に考えてください。
そして、このように、能力値と技能の両方を使う場合、 そのどちらに重きを置くかによって、 判定方法にも影響があることが分かってもらえると思います。 [an error occurred while processing this directive]
さて、「判定方法」などと偉そうな書き方をしたところで、 RPG におけるそのあたりのルールは、一般的にかつ大雑把に言ってしまえば、 2つの値を比較して、 それでどちらが大きいなり小さいなりで、その行為が成功したか失敗したかを 決めるわけです。 これは Description-based RPG であっても、 Randomizer-less RPG であっても、能力を数値的に表現するもので あるかぎり同じことです (能力値や技能を数値的に表現しないものでも、 その能力値や技能を持っているかどうかそのものが問題となる場合は、 それを0, 1という数値的に表現してるのと同じだと思ってちょうだい)。 [an error occurred while processing this directive]
それ以外の場合は?
そりゃぁ GM の都合しだいでしょう ^^; [an error occurred while processing this directive]
これから、いずれ、もしかしたら特定の数が出たら行為成功という ものも現れるかもしれません 。が、これは今回は考えません。 なぜなら、これは成功となる数値の判定がかなりプレイヤーの 負担となる可能性が高いためです。 特に、出目の種類の多いダイスにおいては、そんなことになったら 目も当てられません。 [an error occurred while processing this directive]
トランプを使って、特定のスートが出たら成功というのは、 【Tokyo Nova】 や、 【 Castle Falkenstein】 (もそうだと思ったけどな?) あたりで 実現されていますが。
また、「以上」と「以下」を同居させるシステムも出てこないだろうと 思っていたのですが、[Zero] という例外が 現われてしまいした。 というわけで、「特定の数が出たら成功」というものも 今後は現われるかもしれません。
でも %ダイスで、「特定の数が出たら成功」なんていうことになったら 目も当てられない...
じゃぁ ある数字の倍数が出れば成功ってシステムも考えられるけど、 これまた、やっぱり面倒になりそうで目も当てられない... [an error occurred while processing this directive]
そういう特殊な場合の例を考えなければ、単純なもんです。 とは言え、それでも具体的に考えると様々な方法が有りえます。 そうそう、【能力値と技能】のほうにも いろいろと関係することが書いてあるので、見てくださいね。 では、世の中にはどのような判定方法があるのかを簡単に眺め てみましょう。
私のオリジナルの例を挙げると、
一言で判定方法と言ってもこのように多くの方法があります。 もちろん、ここで挙げたものがすべてでは有りません。 さらに言えば、ダイスを使うとして上方ロールにするか下方ロールにするか という問題というか、課題も有ります。 タスク・システムを例に取れば、 一般に『能力値 + 技能値 + ダイスの目 ≧ 目標値』 と言われていますが、 これの変形として 『能力値 + 技能値 ≦ ダイスの目』 というようなやつも考えられます。 [an error occurred while processing this directive]
この『能力値 + 技能値 ≦ ダイスの目』ってのも 既に有ると思うけど、ちょっと思いだせないんで上には挙げていません。 誰か知っていたら教えてください。 [an error occurred while processing this directive]
スート・システムはダイスを使わないものですが、 ちょっとなかなか難しいですよね。 単純に考えると成功する確率は 1/4 で一定になっちゃうから、 ちょっと問題が有りますから。 「このスートを出すと成功」というスートを 複数付けていくことで技能のレベルのようなものを表現するって方法も有りますけど、 技能をスートの意味内容に合せてあるとすれば、そういう方法って 気持の問題としていまいち納得が生きませんよね。 それよりは、カードの数値を基準に判定して、技能のスートとカードのスートが 同じ時にはボーナスが付くというようなほうがやりやすいかなぁ?
なおここでは dice-less RPGの2つを除いて残りは全てダイスというか 乱数を使うものでした (おっと、トランプを使うものも挙げてあったか)。 しかし Randomizer はダイスやカードだけに限らないのはご存知のとおりです。
また、基本的に Randomizer-less であっても、数値的に能力を記述するかぎり、 何らかの判定方法が必要になります。 【AMBER Diceless Role-Playing】 のように、PCの能力や技能の 値を直接比較するか、あるいは 【Δ】 のように PCの能力や技能の値に何か付加的な要素を付け加えるかということになるでしょう。
オリジナルRPGというからには、これらの判定方法とは異なった方法を 考えるのも良いでしょう (【能力値と技能】にも目を通してみてください)。 これらのどれを使うか、あるいはまったく独自の方法を使うかは、あなた自身の 趣味と、あなたがシステムに対して持っているイメージの問題だということになると 思います。
さらに言うなら、乱数を使う場合、「ここでは成功したい」などの プレイヤーの意向とか、シナリオの都合などに救済策が必要になる場合も 考えられます。 これが一般にヒーロー・ポイントと呼ばれるものです。 これはその名の通り、おそらくはヒロイックな行動が可能となります。 しかし、例えばヒーロー・ポイントをどれくらいPCに与えるか、 またどの程度の強さにするかなどは かなり微妙な問題であることは分かると思います。 例えばヒーロー・ポイントを使って ダイス目を修正するもの、ヒーロー・ポイントを使って判定結果を変更できるもの などその強さにもいくつかのバリエーションが有るわけです。 まぁ一般的に言って、弱いヒーロー・ポイントであれば PCには多めに与えても良いでしょう。 しかし強いヒーロー・ポイントを大量にPCに与えてしまうのは、 これはこれでシステムの崩壊をまねきかねないことは想像に難くないでしょう。 なお、[an error occurred while processing this directive]はヒーロー・ポイントを かなり特徴的に使っているシステムだと思っています。
また乱数を使う場合 (かつ上方ロールの場合ということになると思いますが)、 能力値と乱数の比重をどの程度にするかという問題も有ります (【判定に乱数を使うか?】の [乱数の作りかた、どんな乱数を使うのか?]参照)。
さて、これらの例でもおわかりと思いますが、判定方法は、乱数、能力値、技能、 成長、キャラクター・メイキング、基本イメージなどと密接に関連しています。 逆に言えば、判定方法がシステムの中心とも言えるのです。 [an error occurred while processing this directive]
特殊な場合といってもいろいろあるのですが、ここではそれぞれの問題につい て考えて行きたいと思います。 [an error occurred while processing this directive]
技能を使う場合に問題となるのが、次の2点です。
技能が設定されていない場合についてですが、 いかに多くの技能を設定したところで、プレイヤーの望む行為のす べてを網羅できるわけはありません。 しかし、技能に設定されていないからといって、その行為ができないというのも 理不尽な感じがします。 そのため、技能として設定されていないような行為をプレイヤーが望んだ 場合にはどのような方法で判定を行うかについて考えておかなければならないのです。 つまり、PCを表現する場合に能力値と技能を併用する場合であれば、 技能値と能力値との間にある程度は互換性が必要となるというような話です。 例えば、能力値を2d10で決定して、技能値は%ダイスで判定を行うが、 いざ というときには、能力値の5倍とかで%ダイスを使って判定を行うという具合にです。
まぁ、このような互換性ではなくとも、すくなくとも能力値を使った (もしくは技能を使わない) 判定の方法も 用意しておくべきではあると思います。 そしてその方法は、技能を使った判定方法での 成功率と、能力値を使った場合の成功率の違いに納得できるようなものでなければな りません。 つまり、技能を使った場合よりも、はるかに高い確率で成功できるようで もまずいですし、もちろんその逆でも良くないわけです。
次にPCが技能を持っていない場合について考えてみましょう。 プレイヤーがある行為を望んだものの、PCはその技能をとっていないという場合です。 おそらく技能が多く設定されているほどこのような状況が発生する 可能性が高くなるでしょう。 この場合、そのような行為はそのPCは行えないとか、 あるいは行ってもかならず失敗すると決めてしまっても良いでしょう。 あるいは、なんらかのペナルティーを課した上で、判定を行わせてみるという方法も 考えられます。
あるいは技能が設定されていない、技能を持っていないという場合に 対処する方法として、技能の包含関係や類似性を設定するという 【ShadowRun】 のようなSkill Web 式のやりかたや、 技能の設定 (というか守備範囲というか記述というか) を 緩やかにする、もしくは緩やかに解釈する、 あるいは技能の設定の責任をプレイヤーに転嫁するという方法も有ります。 この考えかたに基づくシステムの例として 【THEATRIX】 が有ります。 また、私の 【Δ】 と [an error occurred while processing this directive]は、 いずれも、原則として階層化された技能を用い、また解釈も緩やかに行なうことで 問題の解決をはかっています。 これについては、【能力値と技能】の [ 技能をシステムやワールドで規定する必要は有るのか?]でも触れてますけど。
さらに言えば、技能が無くてもできる行為と、技能が無ければできない行為 というのも有るでしょう。ここでもう一度【能力値と技能】の [技能の質的相違]にも目を通してください。 これは、技能の表現方法で対処することも可能だと思いますし、 また判定方法で対処することも可能だと思います。 [an error occurred while processing this directive]
戦闘というのは、RPGにおいてはよく発生する状況なのですが、 この判定方法を 一般的な判定方法と同じような方法にするか、それともまったく異なった方法にする かも問題です。 もっとも、一般的な判定方法とまったく異なる方法にするのは、避けた方が 良いでしょう。 極端な例を考えると、戦闘以外の場合では手軽さを念頭に置い ているにもかかわらず、戦闘に関してのみは精密さを追い求めるなどという アンバランスなシステムはあまり勧められるものではありません。 [an error occurred while processing this directive]
ただし、これも場合によりけりで、RPG とは言いながらも戦闘を中心に 考えているような場合はこれで良いのかもしれません。
結局のところ、ウリというのは、それを理解してくれる人や、 あるいはそれを望んでいる人が多ければ受け入れられるわけですから。
逆にそれを理解してくれる人が少なければ、そのウリはウリとは 認められないと言えるでしょう。 [an error occurred while processing this directive]
とは言うものの、全く異なる判定ルールを2つ覚えなければならないというのは さすがに避けるべきでしょう。 というのも、結局は覚えたり何やかやの手間がかかりますし、 何より戦闘の時とは言っても戦闘以外の行動も行なわれるわけで、 そうするとどっちのルールを使うのかという判断を間違ったり 手間がかかったりという問題が起きかねませんから。 逆の面から考えると、判定に関して2種類のルールを作らなければならない とも言えるわけで、その手間も面倒になりますからね。
さらに、戦闘の場合は時間というものをかなり意識しなければならないと 思いますが、その時間の単位としてどの程度の長さを使うかも問題になります。 戦闘を精密に (具体的に) 表現しようとすれば、時間単位は短くなるでしょうし、 そうでなければある程度の長さになるでしょう。 具体的に「これくらいが良い」というのは言えませんが、 具体的にするならばおそらく1ターン (もしくは1ラウンド)は10秒以下 (つまり、本当に1つの行為を行なえるかどうかという程度)、 抽象的にするなら10秒以上というのが目安になるかもしれません。 このあたりは、 【イメージを固める】の [精密? 手軽?]にも書いたことですね。
またPCやNPCの行動順序をどう決定するのかも戦闘においては重要な問題でしょう。
さらに、戦闘と言えば負傷がつきものなのですが、負傷の程度や表現をどのように 行なうかも問題になります。 単純にHPを減らすことで表現するのか、 あるいは何らかの能力値を減らすことで表現するのか、 それとも、何らかのペナルティー的な修正値として表現するのか などなど、さまざまな実現方法が有ります。
ダメージを複数の種類として扱うということも考えられますが、 その場合、 そのダメージのそれぞれをどのように表現するのしょうか? これについては [Zero] のように、ダメージの見せかたを工夫する必要もあるかもしれません。
そして、その負傷をHPなどの全体的な指標で表現してしまうのか、 あるいは負傷部分をしっかり表現するのかという問題も有ります。
さらには、負傷した場合は判定に影響が出るのかという問題も絡まってきます。 判定への影響があるならば、どの程度影響するのかという問題もあります。 負傷を全体的な指標で表現する場合と、負傷部位を明確にする場合とでは、 この判定への影響の表現も異なったものにならざるを得ないでしょう。
そして、死亡の条件についても考えなければなりません。 あなたの考えているRPGのワールドにおいて、PCは死にやすいのでしょうか、 死ににくいのでしょうか、それともまず死ぬことはないのでしょうか? これについては、単にHP が0になったら死亡というだけでなく もっといろいろな表現というか指標が考えられるはずです。 また、死亡の前に、例えば気絶や、行動不能という状態を 表現する必要はありませんか? それらをどのように表現し、またその状態に陥る条件も考えなければ なりません。
ダメージ関連する、もう1つの事柄として、治癒の効力というのも 考えなければなりません。 薬品などによる治療行為の影響力、魔法などによる治療行為の影響力、 そして自然治癒の影響力などなどを明確にしなければならないのです。 これも、あなたが作りたいRPGのワールドにおける PCの有りかたなどが影響することでしょう。 [an error occurred while processing this directive]
ところで、一般に、良いシステムは「処理に一貫性が有る」などと言われています。 [an error occurred while processing this directive]
Oh, really? [an error occurred while processing this directive]
しかし、本当に統一的にするなり一貫性を持たせることが可能なのでしょうか?
例えば戦闘の成功判定とダメージ処理を考えてみましょう。 まず、成功判定には「上方ロール」と「下方ロール」が考えられます。 [an error occurred while processing this directive]
「例えば」の話なので、これまで書いてきたような 細かい話にもとづいた突っ込みを入れないでください ^^;。 [an error occurred while processing this directive]
で、一般に、ダメージ処理については、 武器などによって与えるダメージから防具などの効果を引いたものを HPから引くというものが一般的でしょう。 これは、考え方によっては「上方ロール」的な処理になっています。 つまり、武器などによって与えるダメージが、防具などの効果 (目標値)より 大きければ効果が有る (成功) というわけです。 これでは、判定において「下方ロール」を用いている場合、 その判定方法とダメージ処理の処理方法には一貫性が無いと言えなくもありません。
さらにダメージによって死亡するかどうかを考えた場合、 ダメージを受けた側の視点から見れば、 受けたダメージがそのPCのHP以下であれば生き残りに成功していると 考えることができます。 これはダメージを受けた側の視点から見れば「下方ロール」と同様の 処理をしていることになります (ダメージを与えた側から見ると「上方ロール」ということになるかな)。 となると、判定において「上方ロール」を用いている場合、 その判定方法と死亡判定の処理方法には一貫性が無いと言えなくもありません。 [an error occurred while processing this directive]
あれ? そうすると、上方ロールを使っていれば このあたりは全て統一的であると言うことも可能なのか... ちょっと困ったな... ^^; [an error occurred while processing this directive]
また、もっと細かく見れば、 例えば様々な物品ごとに、その効果によって処理方法が異なるということは 充分に考えられます。 [an error occurred while processing this directive]
「ほっ」かな? ^^; [an error occurred while processing this directive]
こう考えてくると、システムに一貫性を持たせることはかなり難しいのでは ないかと考えられます。 ではシステムに一貫性を持たせることなどは気にする必要は無いのでしょうか?
例えば、行為の判定において、「この行為の場合は『上方ロール』」、 「この行為の場合は『下方ロール』」などと、 例えば技能ごとに判定方法が異なるというのはあまり良いことでは ないかもしれません。 どれを『上方ロール』にして、どれを『下方ロール』にするかの基準が 明確になっていれば問題は無いのかもしれませんけど。 [an error occurred while processing this directive]
例えば、[Zero] は 上方ロールと下方ロールが同居したシステムに なっており、どれを上方ロールで行ない、どれを下方ロールで 行なうのかの基準は明確になっています。 [an error occurred while processing this directive]
たぶん、この問題は人間の認知や対象のカテゴライズのしかたの 問題と関係が有るでしょう。 例えば【まず、全体像を見てみよう --システムのモジュール性--】で述べた モジュールごとに、処理方法が異なるというのは、 意外に受け入れられる、もしくはそれほど気にならないかもしれません。
ともかく、一貫性を持たせることを考えたほうが良いとは思いますが、 本当に一貫性を持たせることは非常に難しいのではないかと思います。
《-----●サンプル: 判定方法
技能値とダイス(1d6)の和が、GM の提示した値以上であればその行為は成功とす る。
「徳」も通常の技能値と同様に判定を行う。
なお目標値は次の通り。
難しい 7 並 5 簡単 3すべての行為は、設定した技能のいずれかでむりやり判定する。
例えば、戦闘は、戦士もしくは盗賊技能を使う。 素早さに関するものは盗賊技能を使う。 知識に関するものは魔法使い技能を使う。
その他、各技能というか職業に関する判定は、それぞれの技能を使う。
戦闘は、仕掛けられた側が回避などの対処策を取る場合、 仕掛けた側と仕掛けられた側がそれぞれ適切な技能 (それぞれに 戦士 もしくは 盗賊 のいずれか有利な技能) を 使って同時に判定を行う。 それぞれの 技能値 + 1d6 の結果が大きい方が成功したことになる。 仕掛けられた側が、回避などの対処策をとら ない場合は、仕掛けた側の行為が無条件に成功する。
ダメージは、先の判定の結果での仕掛けた側の1d6 + 仕掛けた側の技能値 に 武器の強さを加えた値から、 先の判定の結果での仕掛けられた側の 1d6 + 仕掛けられた側の 技能値に防具の強さを加えた結果を引いた値とし、 その値をHPから引く。 もちろん、この値が 0以下だったら、そのダメージは無視する (せいぜいかすり傷と考える)。
HPが0以下になったらそのキャラクターは死亡。
なお、戦闘は1ラウンドを1分とする。
また盗賊技能の高い者から行動する (または盗賊技能 + 1d6 の高いものから行動する。 これは各PC、NPCごとに 毎ラウンド 1d6 を行なって考える)。
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