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# キャラクターの作成と成長

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## キャラクター・メイキング

RPGは、PCという存在を通して行う遊びです。 とするならば、 なんらかの方法でPCを作れなければなりません。 どのような方法で行うのでしょうか?

これは、当然のことですが、能力値や技能が数値で表現されるのであれば、 それがどの程度の範囲の数値となるのかも強く影響しますし、 またそのことを通して判定方法がどういうものなのかにもかなり影響されます。 仮にDescription-Based であるならば、その記述をどのような形式で行なうのか についても考える必要が有るでしょう。

まぁ、記述によるものであるならば、その形式を決める必要は有るものの、 それ以上の細かい事柄についてはなかなか決められないのではないかと思います。 むしろ、どうやって記述を行なわせるかを考えるほうが大切になるのでは ないかと思います。 これについては、おそらく 【CyberPunk 2020】 (というより InterLock systemというべきか?) や、 あるいは 【Fuzion】 における LifePath あたりは参考になるかもしれません。

そういうわけで、ここでは能力値や技能を数値的に表現する場合を主に考えます。

さて、数値的に表現する場合、その数値をどのように決定するのかが 問題となるわけです。 それぞれの能力値をダイスで決定したり、あるいはある程度の数値をそれぞれの 能力値に割りふったりと、様々な方法が考えられます。

乱数で決める場合、当然 PC間に総合的能力の差が表われます。 これは 【 D & D】 のように PCのroleが非常にはっきりしている場合、 いわばPCの職業などによって特殊能力が自動的に付加される場合であれば あまり大きな問題になりません。 というのも、パーティー内におけるそのPCの存在意義が、 その職業によって (もしくはその職業によって得られる特殊能力によって) 与えられるためです。 例えば、パーティー内においてクレリックは基本的に唯一、PCの負傷を 効果的に治療できる存在です。 この特殊能力により、仮に他の場面ではほとんど役に立たないとしても パーティーにおける存在意義が有り、他のPC (プレイヤー) にも必要とされる ことになります。

しかし、例えば【Rune Quest】 のように PCが何でも屋になりえるRPGの場合は (もっとも、RQ は、カルトの影響がかなり強いけどね...)、 PCの総合的能力の差というのは問題になりかねません。 もっとも、これも例えば100個もの能力なり技能なりに全てダイスを振って その初期値を与えるというように、数が多くなれば自然とPCの総合的能力の 差というのは現われにくくなるはずなのですが...。

ともかく、PCを『ゲーム』における制約の1つとして考える場合 (【PCって何なんだろう?】の [PCはプレイヤーに与えられる 制約である]参照)、 そのPCが無能すぎても有能すぎても『ゲーム』を楽しめなくなるため、 PCの能力が適度な範囲に収まるようにしなければなりません。

また、乱数で作る場合、プレイヤーの好みというか望んだ キャラクターができるかどうか分からないという問題も有ります。 こちらについては、対応策は簡単なので多少の助け船を出しておくのも 良いでしょう。 例えば、値の入れ換えを認めるとか、とりあえず必要なだけダイスは振るが、 その値をどのように割り振るかはプレイヤーにまかせるという方法も有るわけです。 [an error occurred while processing this directive]

とは言え、PCをゲームの制約として考えた場合には、 思い通りのPCができないのも面白いんだな 。 [an error occurred while processing this directive]

こう書いてくると、乱数でPCを作るのはちょっと問題のように思えてきますが、 乱数でPCを作るという方法は、その作業自体に意外性が含まれており 1つのゲームとして楽しめるほどに洗練することが可能であることを 忘れてはいけません (GDWの 【Traveller】 が良い例でしょう)。 ただ、私は、それに成功しているRPGを【Traveller】 以外には知りませんが...。 この方向性のRPGが、もっと出ていても良いと思うのに...

これに対し、一定の数値を割りふって作る場合、 これはもともと一定の数値でPCを作っているのですから、 PCの総合的能力の差というのは、システムというか技能や能力のデータ・モジュールと ドライバ・モジュールに致命的な欠陥がないかぎり 表立って表われることは無いでしょう。 また、プレイヤーが自由に数値を割り振って作るわけですから、 プレイヤーのイメージに近いPCを作りやすいという利点も有ります。

システムの致命的欠陥とは、これもワールドしだいと言えるのですが、 能力や技能の表わす内容の不平等などです。 例えば、「科学技術全般」というような技能と、「短剣での戦闘」という ような技能では、それぞれがカバーする範囲が明らかに違いすぎます。 こういうことが有ると、一定の数値を割り振ってPCを作る場合であっても PCの総合的能力に差が出てくることになりかねません。 これについては、【能力値と技能】の [技能を使う?]でも触れています。

ところで、Description-Based のシステムの場合、その技能値を乱数で決めるのは 納得が行きません。 というのもそもそも Description-Based というのはプレイヤーの イメージを柔軟に、しかも豊かに取り入れるためのキャラクター・メイキング 方法です。 ですから、Description-Based のシステムである場合、 その技能などを数値的に表現するかぎり、キャラクター・メイキングは、 当然、ポイント振り分け制にしなければならないでしょう。

また、判定方法とのかねあいも忘れるわけには行きません。 判定方法では能力値や技能値がどの程度の範囲に収まることを 想定しているのでしょうか? あるいは逆に、ここで考えた能力値や技能値から、判定方法を考えなおさねば ならないかもしれません。

ただ、だいたいにおいて、判定方法がそこそこ決まっていれば、判定に使う 能力値なり技能値がどの程度の範囲の数値であるべきかということも そこそこ制限されます。 その結果、キャラクター・メイキングの方法も、どういうダイスを使うかとか、 ポイントの総計はいくつくらいにするかなど、そこそこ限定されて来ます。 [an error occurred while processing this directive]

## キャラクターの成長

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### キャラクターは成長するか?

とこで、多くのRPGにおいて、そのPCはセッションを通して成長していきます。 あなたの考えているRPGにおいては、キャラクターは成長するのでしょうか? 成長するならば、能力値や技能の初期値や最大値はどの程度でしょうか? また、どの程度の早さで成長するかも問題になります。

これらの問題は、ワールドとかなり関係します。 例えば、PCがどんどん成長して、いわゆる英雄になるようなワールドを考えた場合、 言うなれば非現実的な世界を考えているならば、成長もかなり早く行われるように 設定しなければならないでしょう。 逆にかなり現実的な、つまりはそうそう簡単に成長などできるものではないという ワールドならば、そういう設定にしなければならないわけです。

ただ、長いキャンペーンで遊ぶようなことを想定している場合、 あまり勢い良く成長されてしまうのは問題です。 というのも、システムが想定している、能力値や技能の 適正な範囲をあっという間に越えてしまう可能性が高くなりますから。 それに対し、数回程度のキャンペーンで、英雄に憧れを持っている少年/少女が 英雄と呼ばれるようになるRPGであれば、おそらく 成長は急激に行なわれなければならないでしょう。

もちろん、これらの成長の話はキャラクター・メイキングにも関係しますね。 つまり、キャラクターがどんどん成長するものであれば、 キャラクター・メイキング時のPCの能力は低くても構わないわけです。 逆にキャラクターがほとんど成長しないものであるにもかかわらず、 キャラクター・メイキング時のPCの能力が低い場合、目もあてられない 現象が発生するわけです。

ただ、能力値も技能値も、判定に関連するため、 その判定方法においてだいたい自然と能力値や技能値の範囲が制限されてしまいます。 例えば、成長しすぎたキャラクターなどは、だいたいにおいて ゲームの面白味を奪ってしまうわけです。 成長の速さを考えるときには、この問題も考慮しなければなりません。 [an error occurred while processing this directive]

### 成長の表現

さてと、ほとんどの場合、あなたの作ろうとしているRPGはPCの成長を 含んでいるものと思います。 では、どのようにその成長を表現するのでしょうか?

主な表現方法としては、大雑把に以下のようなものが有ります。

  1. PCのレベル
  2. 能力値の変化
  3. 技能値の変化

もちろん、これらの複合になる場合もありますし、 ほかの方法も考えられるでしょう。 例えば、PCが持つ技能の数の変化というのはどうでしょうか? つまり新しい技能を取ることによって成長を表現するという方法です。 [an error occurred while processing this directive]

新しい技能を取ることで成長を表現する場合、 おそらく技能は 0,1 で表現されているか、 あるいは (もしくは、「それに加えて」) 個々の技能の適用範囲は狭く、その適用はかなり厳密に行なわれる と考えられますね。 [an error occurred while processing this directive]

もっとも、これはPCをどのように表現するのかという問題と強く関係しています。 例えば、能力値の変化でPCの成長を表現するのであれば、 当然、その判定方法には能力値がそれなりに影響していなければ話になりません。 なにしろ、能力値が高くなっても判定の成功率が全然変化しないのであれば、 それは成長とは呼べないでしょうからね。

また、技能の場合だと、技能値の変化にともなって、技能の内容に変更が加わる 場合も有るでしょう。 その場合、技能の成長の内容の程度が技能ごとに大きく異なるようでは、 やはり問題でしょう。 例えば、「コンピューター操作技能」において、技能値が1つ増えるごとに 新しいコマンドを覚えたことにするという方法を取っていたとしましょう。 これは、かなり遅々とした成長と言わざるをえません。 たとえば、 技能値が1で "dir (ls でも良いよ)" コマンドを覚えていたところに、 技能値が2になって "cat (type でも良いよ)" コマンドが使えるようになっても... ねぇ...。 それに対して「刀剣戦闘」という技能において、1ターン中にその技能値回の 攻撃が可能となったとしましょう。 これでは「コンピューター操作技能」と「刀剣戦闘」において、 その内容があまりにもアンバランスだと言わざるをえません。 [an error occurred while processing this directive]

とは言え、先に書いた「その技能がゲームに与える影響力はだいたい同程度に」 ということと同じことになるわけですが、 コンピューター操作がゲーム上では重要で、刀剣戦闘はどうでもかまわない という場合であれば、これはこれで成立するかもしれません。

ただレベルごとに1コマンドってのは成長がシビアすぎる思いますが [an error occurred while processing this directive]

ところで、狭義のDescription-based の場合だと、 定量的な成長の規則を作り難いものと思います。 ここで2つの選択肢というか対応方法が有ります。 1つはPCは成長しないとしてしまう方法です。 もう1つは、セッションごとにPCが何をやったのか、 あるいは何を経験したのかを書き足していく方法です。

PCが成長しない場合は、成長の問題はまったくなくなるはずです。 2つめの方法では、その記述の解釈に問題が発生する可能性は有りますが、 狭義のDescription-Based ということであれば自然な解決方法ではないでしょうか。 [an error occurred while processing this directive]

### 成長の条件

キャラクターが成長するかどうかを上で考えたわけですが、 どのような条件で成長が行われるのかという問題も考えないわけにはいきません。 例えば、経験値で買うような形で成長するのでしょうか? あるいは、それぞれの技能に対して判定を行って成長するのでしょうか? さらに、成長するのは技能でしょうか、それとも能力値でしょうか、 それともまた別の何かでしょうか? そしてどの程度の割合で成長して行くのでしょうか?

成長については、これまでのところ大きく分けて3つの方法が有ります。

  1. 経験点で能力値や技能値を買う方法 (【 D & D】 など)
  2. 乱数で決める方法(【Rune Quest】 など...だよね?)
  3. セッションごとなど、一定期間で一定の値だけ自動的に能力値や技能値を 上げられるもの。 (【Δ】 とか、 商用のでも有ったと思ったけどな)

まぁ、特にどれが良くてどれが悪いということはありません。 実際の特色は、これにどのような付加的なルールが付いてくるか ということですから。 例えば、1)の場合で、次のレベルに上がるには次のレベルに等しい 経験点が必要だというルールとか(つまり、現在3レベルだとして、 4レベルにするためには4経験点が必要)、 1セッションでどの程度の経験点を与えるかなどなどという部分ですね。

これは、あなたがどれくらいの頻度でPCが成長するRPGを作りたいと 思っているのかを考えながら、確率的考察およびテストプレイを 繰り返して決めることになると思います。

これらのことを考えながら、成長はどのような方法で行うのか、 仮に何らかの判定を行うならばそれはどのような判定になるのかを考えます。

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●サンプル: キャラクター・メイキングと成長

技能の数から、それぞれの技能に技能値を割り振る。 つまり、現時点では「戦士」、 「魔法使い」、「盗賊」の3つがあるわけだが、 この3つという数、つまり 3 から、 それぞれの技能に技能値を割り振る。

HPは、1d6 + 6 とする。

徳は3に固定。

1回のセッションで、1つの技能のみ技能値を1つ成長させられる。

また、「徳」の計算のために「徳計算欄」を使い、 そのセッションにおいて直接、人の役に立つことを行った場合は1つづつ加算、 逆に誰か、 何かを直接傷つけた場合は1つづつ減算していく (戦闘時は、ダメージを与えた回数とは無関係に、 単にダメージを与えた人数に等しいだけ減算)。 セッション終了後、この結果が1以上ならば「徳」は 1つ増える。 逆に-1以下ならば「徳」は1つ減る。 なお「徳計算欄」は、 セッションのたびに0から開始する。

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