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このシステムにおける成功判定は、次に示すような順序で行われます。
以後、この判定方法を一般判定と呼びます。この一般判定がΣでのもっと も基本的な判定方法です。
ここで、達成値、追加達成値、基本達成値という3つの言葉が出てきてい るので、これについて説明しておきます。
達成値は、例えば攻撃の場合ならば相手に与えるダメージに関連します。 この達成値から、大体その時に行った行為がどんな感じだったのかは、GMがそ の時々でうまい具合になるように判定してください。
あるいは、判定に失敗した場合ならば、最後に振ったダイス目から目標値 を引いた値で、どの程度のひどさで失敗したかを表現できるでしょう。
なお、ここで注意しておきますが、道具等をまったく使わない場合、その 行為の基本達成値は0となります。たとえば、戦闘を行う場合、何も武器を使 わない限り、基本達成値は原則として0となり、達成値は原則として追加達成 値のみの値となります。
攻撃に対する回避のように、ある行為とそれに対抗する行為が行われる場 合は、一般判定とは若干異なり次のようになります。
この手順の3つめで、両者ともとにかくダイスをレベル回 振って 達成値を求めるが、何回目で成功したかの差を後で成功した者は 達成値から引くとするのも良いだろう。 [an error occurred while processing this directive]
以後、この方法での判定を対抗判定と呼びます。
当然のことですが、対抗判定が行えるのは、何かを行おうとする者 A と、 それに対抗しようとする者 B が存在する場合で、しかも B が A の行為を認 識できる、あるいは予期できる場合に限ります。つまり、素手格闘などは基本 的に対抗判定を行えると思います。ただし、もし相手の背後から迫っていった 場合、つまり相手が気付いていない場合は、基本的に対抗判定とはならないも のと思います。相手が、その背後からの攻撃に事前に気が付けば話は別ですが。 このことに気を付けてください。
ここでは、目標値と修正値について説明します。まず、関連能力値の最少 のものを基本目標値と呼びます。
+---------------------------------------------------+ | 敏捷値(A)[ 9 ] 教育値(E)[ 7 ] | | 操作値(O)[ 9 ] 知覚値(S)[ 8 ] | | 力強さ(C)[ 10 ] | +---------------------------------------------------+
[技能]---------------------------------------------------------------------+ | 運動(A,C)●..........◎[_2]> < | | | | 忍び歩き(A,S)▲[_2]> < 隠れる(A,S)▲..[_0]> < | | | | 素手格闘(A,C)●[_2]> < 回避(A,S)●▲..[_1]> < 応急手当(E,O)●[_3]> < | | | | 知覚(E,S)●..........◎[_3]> < | | | | 世界知識(E,S)●......◎[_1]> < | | | | 交渉(E,C)●............[_2]> < |
このキャラクターが素手格闘を行なう場合を考えてみましょう。その場合、 素手格闘の関連能力値は、敏捷値と力強さですので、その内の小さいほうつま りこのキャラクターの場合は敏捷値の 9 が基本目標値となります。この基本 目標値を決めた後、その行為が難しいか易しいかによって修正が入ります。こ の修正を基本目標値に加えた値が、判定の時に使う実際の目標値になるわけで す。
なお修正は、判定を行うキャラクターにとっての難易度ではなく、一般的 な人間ならばどの位の難易度になるかを基準として決めてください。もちろん、 どの程度の難易度になるかは、GMの主観で構いません。
修正値 基準 : : +4 とても易しい +2 易しい 0 通常 -2 難しい -4 かなり難しい : :
修正値は思い悩むよりも「エイヤ!」と気合で決めてしまいましょう。つ まり、様々な状況において、それぞれ最適な修正値はどの程度なのか等という ことは、誰にも言えません。にも関らず、ウダウダと考えてしまうのはプレイ のノリを削ぐ結果につながりかねません。そんな所で思い悩むよりも、プレイ 全体の運営やテンポを重視し、修正値は一瞬で判定するように気をつけましょ う。
上では、一般判定と対抗判定という基本的な判定方法を述べました。ここ からあと2つ、ちょっと特殊な場合の判定方法について述べていきます。
この基本システム、あるいはサプリメントによって技能が設定されている が、キャラクターはその技能を持っていないような場合、基本目標値に対して 無条件に-4の修正を与えてください。これを以後0レベル判定と言います。た とえば、
+---------------------------------------------------+ | 敏捷値(A)[ 9 ] 教育値(E)[ 7 ] | | 操作値(O)[ 9 ] 知覚値(S)[ 8 ] | | 力強さ(C)[ 10 ] | +---------------------------------------------------+
このキャラクターが素手格闘を行おうとしたとしましょう。しかし、この キャラクターが素手格闘技能を取っていない場合、素手格闘技能の関連能力値 は敏捷値と力強さですので、その内の小さいほう、つまりこのキャラクターの 場合は敏捷値の9から4を引いた数、5が基本目標値となります。
もちろん、目標値に修正値をさらに加えるという状況もありえます。
ところで、いかに多くの技能を設定しても、プレイヤーがキャラクターに 行わせようとする行為のすべてを網羅できるとは限りません。そこで補助的な 判定の方法として、能力値を使った判定の方法を示します。
その方法は、行為の成功判定を行うのに適当な能力値を1つ選び、それを 基本目標値とします。つまり通常の技能の1レベル判定と同様に行うわけです。 なお、適当と思われる能力値が複数ある場合は、その内で1番値の小さいもの を使います。
もちろん、目標値に修正値をさらに加えるという状況もありえます。 [an error occurred while processing this directive]
この問題に対応するためには、【Δ】の やりかたを導入するほうが良いのかもしれない。 ただし、そうすると技能の設定とかキャラクター・メイキングあたりを かなり作り直さないといけない。やるべきか? [an error occurred while processing this directive]
さて、例えば「知覚」技能の場合、関連能力値は教育値と知覚値になって います。これは「知覚」技能(視覚、聴覚でも同様)の項でも説明しましたが、 このΣにおける「知覚」とは、単に見える、聞こえるというのとは意味が違う ためです。
とは言え、例えば話を「視覚」に限定して進めますが、何かが見えている ということと、それが何であるか分かることとの間には明らかな違いがありま す。例えば、遠くで「何かが動いているのが見える」のと、その動きなどから 「人が動いているのが見える」のとの違いです。
場合によってはそれらを明確に分離して判定する、あるいは判定結果を評 価する必要が有るでしょう。つまり、その技能を使う目的に応じては、いずれ か1つの関連能力値のみを考慮すれば良い場合が有るということです。視覚の 例であれば、とにかく何かが有るかどうかが見えれば良いのであれば、知覚値 のみを使って判定すれば良いというわけです。そこで、判定において関連能力 値の1つのみを使用する、もしくはダイスの出目を関連能力値の1つのみで評価 することも認めます。
このような判定は「知覚」の場合のみではなく、多くの技能で可能ではな いかと思いますので、柔軟に適用してください。
また、場合によっては、ある技能の関連能力値となっている能力値では、 適切な判定ができない場合が有るかもしれません。そのような場合は、適切と 思われる能力値を、関連能力値の代りに使用して構いません。ただし、可能で あれば、その場合でも判定には複数の能力値を用いてください (目標値になる のは1つですが、複数の能力値から目標値を決定する形にしておいて下さい)。
以上、判定の方法について、一般判定、対抗判定、0レベル判定、そして 能力値判定、選択的判定の計 5 つの判定方法を示しました。
とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、正確には判定の方法は5つで はありません。「たった1つ」、つまり一般判定のみです。対抗判定は単に一 般判定を2者で競い合う形にしただけであり、対抗する2者のそれぞれにとって は一般判定となんら変わりはありません。そして0レベル判定についてはちょっ と特殊な場合の修正値の与えかたを設定したにすぎません。能力値判定は単に 技能とその関連能力値が設定されていない場合の判定方法に過ぎず、中身は一 般判定となんら変わるところはありません。最後の選択的判定は、単に行為の 内容からの判定への影響を設定したにすぎません。これでお分かりになったと 思いますが、このΣには判定の方法はたった1つしか無いのです。
また、ちょうど良い機会なので、なぜ技能値をこのような方法で表現しよ うとしているのかを説明しておきましょう。まず、このΣでは「経験よりも素 質である」を設計理念として置いています。つまり、簡単な言葉で言えば「素 質の無い者は、あがいても無駄」な訳です。逆に、肯定的な表現をするならば、 「長所を伸ばせ!」ということです。また、技能値を目標値に対しての修正値 とすることも考えられますが、それでは判定の成功率において、いずれは能力 値がほとんど関係無くなってしまいます。これは明らかに、上記の基本理念と 矛盾するような結果となってしまうため、ここで取っているような表現方法と なっているのです。
また、なぜ1回の判定において何回もダイスを振るようになっているのかに ついても触れておきましょう。まず、このΣのベースとなったアイディアの1 つは、ジャンケンによる判定でした。ジャンケンの場合、一回のジャンケンで 行為の正否を決定してしまうと、成功率は常に50%になってしまいます。それ ではちょっとまずかろうということで、「何回かやって、そのうちで1回勝て ば成功とする」ということにしました。逆に難しい場合だと「何回かやって、 そのすべてに勝てば成功」というわけですが。さらに言えば、現在 (1998/Aprl.) では ShadowRunのように何個ものダイスを振って、そのうちで1 個でも成功していれば良いというような判定方法も一般的になっています。し かし、Σを作り始めたときには私はそのような方法は知らず、また思い付きも しなかったということもあります。もっとも、このΣのような何回も振るとい うのと、何個も一遍に振るというのは本質的には同じことと言えますので、追 加ルールのほうで、何個も一遍に振るというやりかたも書いておきます (達成 値は若干高めになる傾向が有ると思いますが。【一遍にダイスを振る場合)。