[an error occurred while processing this directive]
この章では、Σ-Systemにおいて体の大きさの異なる PCおよび NPC (例えば、小人と通常の人間と巨人など) との 間における能力の違いをどのように表現し、処理するかについての 1つの方法を提案します。
これまでは、Σの基本ルールにおいても、またサプリメントにおいても、 このようなことに注意をはらっていませんでした。 そのため、安易にこの章の内容を使用した場合、 これまでに示したルールや、サプリメントに含まれるルールと、 ここで設定する方法との間に矛盾が起こるかもしれません。 その場合、できればこちらのサプリメントに従ってほしいのですが、 それではかなりGMに負担になることも考えられます。 ですから、この章は、どのように使うかをよく考えた上で お使い下さい。
ただし、この節に書いてある内容によってΣの世界はグっと広くなります。 例えば、作者は忘れましたが、SFの古典と言って良いであろう「縮みゆく男」や、 あるいはミクロ・マン(R) (作ってたのはどこでしたっけ?) なんかを 題材にした世界でも自由に遊べるようになるでしょう。 この例は小さい世界でしたが、逆にPCやNPCが巨人となるような世界 (マクロス(R)?) にも対応できるはずです。
まずおおざっぱに言って、体が小さければ敏捷で、体が大きければ素早い動きは できなくなります。また体が大きければ力は強いが、体が小さければ力も弱く なります。 この章では、非常におおざっぱな方法ではありますが、 このような傾向を体の大きさクラスを用いて表現します。
まず、PCやNPCの体の大きさを求めます。 これは具体的には、身長、体の幅、そして体の奥行きを決めることになります。 一般的人間であるならば、身長については 【肉体に関する精密化】に基準を示してあるので、 それに沿って決めて下さい。 あと、体の幅は基本的には肩幅、体の奥行きは基本的には足のサイズに なるものと思います。 ただし、非常に太っているとか、非常に痩せている場合はちょっと 変ってくるかもしれませんが。 いずれにせよ、体の幅、そして体の奥行きは、PC の身長と体重を参考に 適当に決めてください。
人間ならば身長は C0 、肩幅は F-1 、奥行きは D-1 程度が一般的だと 思います (いずれもmを単位とする)。
一般的な人間でない、もしくはそもそも人間でないような場合は、 体格は適宜設定してください。
さて、身長、体の幅、奥行きのクラスが決まったら、 次はそのクラス値に読み変えます。 先に挙げたクラスであれば、身長のクラス値は 3、体の幅のクラス値は 0、 奥行きのクラス値は -2となります。
さて、この手順の最後は、上で求まったクラス値をすべて足し合わます。 ここで例に挙げているものの場合であれば、次のようになります。
3 + 0 + (-2) = 1この最後に出てきた値が、そのPCやNPCの体の大きさを表わす数値になります。 これをサイズ値と呼びます。
さて、先に求めたサイズ値、いったいどのように使うのでしょうか? ここではそれについて説明します。
まず、サイズ値によって、PCなりNPCなりのターンの長さが異なります。 どういうことかというと、サイズ値を時間を表わすクラス値と考え、 標準的な 1 Trun (つまりΣ-Basic Systemに規定されている 標準のターンの時間長 = 10 秒)を単位として、 Definite ( サイズ値 ) を、そのPCなりNPCにとっての 1 Turnと考えるのです。
例えば、サイズ値が1という、標準的な人間のサイズの場合、 サイズ値が 1 ですから、そのまま 標準 1 Turn = 10 秒が、 その PC (NPC) にとっての 1 Turn となります。
また、例えばサイズ値が -3 というキャラクターがいたとします。 サイズ値が -3 ということは、そのクラスは C-1、Definite ( C-1) は 0.15〜0.2となります。 具体数はこのように範囲を表わしますが、一般にはその最大値を使いますから、 この場合 0.2 になります。 かつ、ここでは 標準 1 Turn = 10秒を単位としているので、 次のような計算をし、このキャラクターにとっての 1 Turn は 2秒 ということになります。
0.2 * 10 = 2
これによって、ここで挙げたサイズ値が -3 のキャラクターは、 一般の人間 (サイズ値が1) の 1 Turn 中に 5 Turn 分の行動ができるように なるわけです。
場合によっては、大きなサイズの PC (NPC) の 1 Turn 内に、 小さいサイズの PC (NPC) の Turn がちょうど良く収まらないという こともあるかもしれません。 その場合も、できるだけその比率を正確に再現してください。 とは言え、その処理が 面倒になるようでしたら適当に処理してくれてかまいません。
あと、小さいサイズの PC (NPC) の 行動は、 大きい PC (NPC) の行動の間に可能なかぎりバランス良く割り振ってください。
次は戦闘におけるダメージです。
まず、一般に武器は、サイズ値1のものに対するダメージを表わしている と考えます。そして、以下のような計算を行なったものを実際のダメージとし ます。
D + (攻撃者のサイズ値 - 防御側のサイズ値)
ただし、武器には使用者のサイズ値が規定されているため、その範囲外の 者はその武器を使用できない、もしくは用いたとしてもその武器を使用可能な サイズ値の最大値を武器使用者のサイズ値として扱います。なお、特別な記述 が無い限り、武器使用可能サイズ値は、0〜2とします。
なおここで D とは基本システムに規定されているダメージを表わします。
ただし、基本システムにおいては、「ダメージが0以下となった場合でも、 1ダメージとして扱う」と有りますが、サイズ値の影響でダメージが0以下に なってしまった場合には、そのままダメージは0であるとして扱います。
これにより、大きなものは小さいものに対しては大きなダメージを与えら れるようになります。逆に小さなものは大きなものに対しては小さなダメージ しか与えられなくなります。
走る、跳躍、投げる、持ち上げる (および、可搬重量)、目利き、耳利き については、 【肉体に関する精密化】に挙げてある それぞれの基本達成値に対して以下のような計算を行なったものを、 基本達成値として扱います。
肉体的な能力に関する基本達成値 = 【肉体に関する精密化】に挙げた 基本達成値 + サイズ値 - 1 + 修正値
この -1 は、ちょっときたないかもしれませんが、Σ-Basic : Central に おける処理を簡単にすること、およびその処理とこの eXtension での処理の 整合性を取るための処理ですので、ご容赦ください。
大型機械の肉体的能力 (機械的能力?) の処理方法については2つの方法が 考えられます。
1つは、その機械などの能力値を、その機械などの能力に応じたものにする 方法です。2つめは、上に挙げた方法に従う方法です。
この2つの方法をどのように使い分ければ良いのでしょうか? 仮にその機 械などの能力値を使って判定を行なう必要が無い場合は、1つめの方法で良い でしょう。逆にその機械などの能力値を使って判定を行なう必要が有る場合に は、2つめの方法で行なうべきだと思います。
では、この「判定に能力値を使うかどうか」というのはどう判断すれば良 いのでしょうか? おそらく、その機械などを人間などが操縦する場合であれ ば、その機械などの能力値を判定に使う必要はなくなります。あるいは基本達 成値としては使うとしても、判定の目標値にはならないと考えられます。それ に対して自律的に行動する機械などの場合であれば、その機械などの能力値を 判定に使わざるをえなくなるでしょう。
ところで、肉体的な能力の処理において、達成値が問題になります。「そ の機械などの能力値を、その機械などの能力に応じたものにする方法」におい ては、おそらく操縦者の能力値を使って判定がなされるものと思います。その 操縦者の能力値を使った判定における追加達成値を、機械などの能力値にもと づく基本達成値に加えて達成値を得ることにします。
さて、では機械などの大きさについてですが、これは基本的にはキャラク ターの身長や体重の決めかたに準拠するものとします。まぁ、適当に処理して ください ^^;。
まず最初に、変わらないことを挙げておきましょう。この方法ではキャラ クター・メイキングの方法は変わりません。判定方法も原則として変わりませ ん。というのも、Σの判定方法の都合上、PC が小さいからといって、能力値 をそのまま小さくするわけにはいかないからです。
では、次に変わるところと言えば、キャラクター・メイキングの時にPC の サイズ値を決定しておかなければならないということでしょう。また、肉体的 な能力については、常にサイズ値のことを念頭に置いておかなければならなく なります。
ところで、Σにおけるクラス値は絶対的な数値を表わしています。にもか からわず、この Micro & Mega においては、そのPCやNPCの世界を基準に した能力値や技能値となります。つまり、PCの能力の表現などにおいては相対 的な表現になってしまうという、一種の一貫性の崩壊を含んでいることになり ます。しかし、これはこれで問題だとは思うのですが、ただこの方法によると かなりスムースに、体の大きさの違いに起因するような事柄を処理できるよう になると思います。
というわけで、例えばミクロマンとかミクロイド S ((C) 手塚 治虫) など と人間の戦闘なども表現できるようになるわけです。あるいは巨人と人間との 戦闘なんかも。あと、更に言うなら PC (NPC) の寿命の違いも、これにもとづ いて計算できますが ... あんまり意味無いか... ^^;
今回示したのは、かなり基本的な部分のみであり、まだまだ改良や追加が 必要になると思います。もしなにか思いつかれたことが有りましたら、ぜひお 知らせ下さい。
また、まだほかのサプリメントとの整合を取っていないため、この章の内 容を採用した場合、ほかのサプリメント、それに加えて次の章の内容と矛盾を 来たす可能性が有ります。ですから、この章を使うかどうかはよく考慮した上 で決めてください。