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# リアリティーって何さ?

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## まずリアリティーについて極論

RPGデザインのことを考えていると、よく「リアリティー」という言葉を聞きます。 しかし、RPGにおける「リアリティー」とは何を意味するのでしょうか?

話を始めた早々で申し訳ありませんが、「リアリティー」なんてものは結局 [an error occurred while processing this directive] 「それっぽさ」 [an error occurred while processing this directive] というだけのことだと思います。 ただし、「それっぽさ」という日本語だと、いかにも安いっぽいので、 固いというか意味有りげな「リアリティー」という外来語を使ってるだけの ことでしょう。

ところで、おそらく、RPGにおけるリアリティーには2種類有ると思います。 1つはシステムに関するもので、もう1つはワールドに関するものです。 まずはシステムのリアリティーについて考えてみたいと思います。 [an error occurred while processing this directive]

## システムのリアリティー

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### おおざっぱに

では、「それっぽさ」とはどういうことなのでしょうか? システムに関連した「それっぽさ」と言えば、 そもそも次の2つ程度のことがらだろうと思います。

この他にもいろいろと条件を加えることなどによって精密に 定義することはできると思いますが、 システムにおける「それっぽさ」の根幹はこの2つ程度だと思います。

つまり、まずはある行為の成功のしやすさ、つまりある行為の難易が それっぽくなるということを表現できるのかということが有ります。 例えば、歩くことはピタゴラスの定理の証明よりも簡単である、 というようなことがうまく表現できるのかということだと言えるでしょう。 [an error occurred while processing this directive]

えと、 一般の健常者にとっては、ですね。 [an error occurred while processing this directive]

でも、こういう細かい部分は、実際には、システム上もしくはワールド上の 設定という よりもGMによる、判定への修正によって表現されていることが一般的だと 思いますけどね。 そういうわけで、この問題は付き詰めて考えればGMの常識、 もしくはワールドの理解の程度の問題ということになるでしょう。 だから、 「システム上そうなっているかどうか」ではなく、 「そういうことが表現できるのか」と言ってるわけです。 [an error occurred while processing this directive]

ところで、 常識って何? ^^; [an error occurred while processing this directive]

そして、もう一つ、いかに「熟練者は未熟な者よりも成功しやすい」とは言っても、 未熟な者の成功率が10%なのに対して熟練者は20%だとして、 ここで、「熟練すれば2倍も成功しやすい」とは言っても、 いまいち納得しがたいものがあるわけです。 [an error occurred while processing this directive]

もちろん、これは行為の内容によりますけどね。 例えば、刀鍛冶の場合であれば、熟練していても、 現在の観賞用なんかの日本刀は、 数本打って1本良いものができれば良いんだそうです。 だから、これは考えようによっては成功率20%程度ですよね。 もちろん、熟練した刀鍛冶の打ったものはすべて実用には 耐えるものだそうですけど。

でも、多くの行為についてそうだったとしたら、やっぱり問題でしょ? [an error occurred while processing this directive]

システムは世界のモデルであると先に書きました 。 すると「良いモデル」ほど、リアリティーが増すと考える人もいることでしょう。 しかし、残念ながらそう単純ではないのです。 なぜかと言うと、まず第一に、「良いモデル」とは何なのかという問題が有ります。 [an error occurred while processing this directive]

「モデル」ってことについては 【オリジナルRPG製作は何が大変?】の [モデル化が大変]も参照ね。 [an error occurred while processing this directive]

またこれを言ってしまうと元もこもないのですが、 RPGの世界というのはしょせんは虚構なのです。 ですから、その作者が「こうだ!」と言ってしまえば、それで おしまいというものなのです。 システムの提供するモデル、またワールドの提供するモデルというのは、 つまるところ製作者の視点というフィルターを通したモデルであり、 世界の表現にすぎないのです。

どのようなシステムやワールドであっても、作者にとっては そのモデルは良いモデルであり、かつリアリティーが有るということになるでしょう。 仮にプレイヤーからは、そのモデルは良いモデルではなく、 かつリアリティーに欠けるところが有るように見えるかもしれません。 しかし、もしかしたらそれは作者が書いているであろうワールドについての イメージをしっかりと理解していないからだという可能性も有るのです。 ただ、プレイヤーに理解できないようなモデル、あるいはそれらの記述 というのももちろん問題が無いとは言えませんけどね。 ただしこの場合、記述に問題が有るのか、それともそもそもそのモデルなり世界に 問題が有るのかを見極めることこそが、まず解決しなければならない問題でしょう。 [an error occurred while processing this directive]

「これを理解できない奴は馬鹿だ!」という対応も、ありえると 思いますけどね。 まぁ、私は勧めませんが... ^^;

おっと、見直してみるとワールドのほうにも話が行っちゃってますね。 話を戻しましょう。 [an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]

### 成功率について

なんにせよ、まずは、どの程度の成功率が適当なのかが問題ということになります。 ただし、ある行為にとってどの程度の成功率が妥当なのかということを 決めるのは非常に困難です。 とは言うものの、これもデザイナーの考え方しだい、あるいは別の言い方をすれば、 ワールド次第であるため、考え方によってははかなりお気楽と 言えないこともありません。 ただし、それがプレイヤーに受け入れられるかどうかは別問題になりますが。

例えば、成功率が50% 程度のものを「並の難しさ」としているRPGも有れば、 成功率が70% 程度のものを「並の難しさ」としているRPGもあるわけです。 これは、どちらが正しいということを言うのは非常に難しことです。 難しいというより意味が無いと言うべきでしょう。 はっきり言えば、「絶対的な並の難しさ」というのがどの程度の難しさなのかを 誰も言えないのですから。 逆に言えば、成功の確率から、GMやプレイヤーは システムもしくはデザイナーが言う「並の難しさ」ではなく、 自分たちにとっての「並の難しさ」を判断することになるわけです。

とは言え、「並ったって、どの程度のものを言ってるのか 分かんないんだよぉん」という結論では、 「じゃぁ成功率が95%のものを並としても良いのか? 成功率が20%のものはどうだ?」という反撃をくらいそうです。 これは、やはり最終的な判断基準である「プレイヤーに、それが受け入れられるの?」 ということが問題になります。

考えてみると、「並の難しさ」ということは「簡単」でもなく「難しく」もない わけです。 つまり、「多少の努力が必要」ということです。 ここからは感覚的な問題になりますが、 「多少の努力」ということは、少なくとも成功率が90%以上ということは無いでしょう。 たぶん75%位から「多少の努力」という感じになるのではないでしょうか。 また、成功の確率が5分5分以下になってしまうと、 これはたぶん「多少の努力」というよりは「かなりの努力」と言うほうが 適切なような気がします。 こう考えると、「並の難しさ」ということは成功率が 50%程度以上から75%以下程度の 範囲であると考えられそうです。 これでも、25%の幅が有るわけですが、このくらいの幅であれば、 「このシステムの場合は、こうなんだ」と納得してくれそうな気がします。

これらのことから逆に考えると、その成功率や、あるいはワールドを通して、 そのシステムで言う「並の難しさ」というのがどの程度の難しさであるのかを、 デザイナーはプレイヤーやGMにきちんと伝えられなければならないということ だけは言えると思います。

というわけで、システムについては、「成功率」こそが「リアリティー」の 鍵を握っていると私は思っています。 しかし、その「リアリティー」を支えるものはユーザーの [an error occurred while processing this directive] 「あ、何となくそれっぽいじゃん」 [an error occurred while processing this directive] という程度の気持にすぎないという 非常に心もとない結論になってしまっています。

おまけに、ある行為が、別の行為よりどの程度難しい行為なのか なんてことはなかなか基準が作れないでしょう。 上の「並」の話で出てきたような話になりますが、 例えば、剣での戦闘でダメージを与えられる確率が 50% というのと、 人とポケットから財布を摺れる確率が 50% というのは、本当に両者とも (例えば)「並」として良いのでしょうか? 技能ごとに、もしかしたら基準が違うんじゃないかという話なんですけどね。 これまた結局「分からない」というしかないことでしょう。 これは次のPCの能力とか、その次の精密化なんかに関係する話題ですね。 [an error occurred while processing this directive]

### PCの能力について

確率について言えば、上記のように、多少「並の難しさ」の基準らしきものは 考えられました。 しかし、ではPCの能力についてはどうかと言えば、 10秒間に100m走れるのが標準的な人間という世界だってかまわないし、 逆に10秒間に50m走れるのが足の速い部類となっていたってかまわないわけです。

もちろん、オリンピックなどの競技会 の結果は、PCの肉体的な能力については 参考資料としては有用なものと言えるかもしれません。 しかし、そのRPGの世界において、PCの肉体的な能力が現実世界と同程度で なければならない理由はどこにも無いのです。

肉体的な能力は、とりあえずオリンピックなどの競技会の成績は 資料として使うことも可能かもしれません。 しかし、肉体的な能力以外の場合はどうでしょうか? 参考資料もなかなか無いものが多いでしょう。

そういうわけで、結局はデザイナーが「そういう世界なのだよ」と言ってしまえば、 「あ〜そうなんですか」と言うしかないわけです。 仮に、そのPCが人間であるとしても、その世界の人間は我々、つまり この世界の人間と同じ能力を持っていなければならない理由は無いのですから。 [an error occurred while processing this directive]

でも、こういう考えかたは、私にしか当てはまらないのかもしれませんね。 反論の有る人はぜひ反論をお寄せ下さい。 [an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]

### 精密化について

だいたい、よりリアルにしようと思ったら、人体のどこをどういじれば 人間はあっさり死ぬのかってなことをきっちりルール化する必要が有るわけです。 でも、そんなRPGはまだないわけです 。 あるいは、そういうことをきちんとルール化しようと思ったら、 どれだけ細かいルールを用意しなければならないことか...。 首をナイフでかっさばいたらそのPCは死ぬとか、 ぬるま湯の中で手首の血管をばっさり切ったらだいたいどれくらいで失血で死ぬとか、 どれくらいの酒を飲んだら急性アルコール中毒で倒れるとか そういうのをきっちりルール化してるRPGなんて有りませんよね? もっとも、このあたりは、適切な知識さえあれば、PCを表現するパラメーターを 利用して計算で求めることも不可能ではないと思いますが、 そんな知識を持ってる人なんてそうそう居ないでしょう。 でもリアルにするなら、その辺もちゃんとそのシステムに合った計算式を 提示するべきであると思うわけです。 [an error occurred while processing this directive]

そう言えば、タクシードライバーの首をかききったけど、 GMの「ナイフのダメージじゃぁ、死なない」攻撃で あえなく撃沈したっての相沢くんだったっけ? > 相沢君

結局GM次第なんですね。 [an error occurred while processing this directive]

もっとも、こんな計算をいちいちやってるんじゃとてもじゃないけど 大変でしょう。セッションの運営にも問題となりかねません。 というわけで、「リアリティー」つまりは「それっぽさ」、 そして別の言いかたをするなら「精密さ(とも言いきれないんだけど...)」と プレイアビリティーを 天秤に掛けながらシステムを作成するということになるわけです。 で、その妥協点をどこに置くのかは、どういうシステムを作りたいのか という基本的なコンセプトが問題になるわけです。

つまり、どの程度「それっぽく」するかという話なわけです。 その「それっぽさ」を保証する方法なんて有りません。 なぜなら、何回も言っているように、「それっぽさ」なんてのは デザイナーが「こうなの」と言ってしまえばそれで決まってしまうものなのですから。 多少謙虚になったところで、言ってしまえば「プレイヤーを丸めこめるかどうか」に かかってるという言いかたしかできないのです。 [an error occurred while processing this directive]

え? 謙虚になってないって? ^^; [an error occurred while processing this directive]

最大限謙虚になったら、「常識的に」ってことになるわけですが、 これじゃぁ、もう何も言ってないのと一緒であることは言うまでもありません。 [an error occurred while processing this directive]

### 成功の程度

さらに、これはあまり気にされていないように思いますが、 多くのRPGは、判定の結果は成功か失敗か、つまりall or nothing的な発想になって います。 しかし、現実はそうではなく、「もうちょっとでできそう」だとかなんとか アナログ的になっているわけです。

All or Nothingではないシステムもいろいろと有ることは有りますが 、 使う側はたいがいAll or Nothing程度のことしか考えていないように思います。 もちろん、この all or nothing 的にするかどうかというのも、 世界をどのようなモデルで表現するかに関係していると言えます。 このあたり、つまりAll or Nothingではないシステムについては、 [Dark Sword Adventure の紹介] とか [Vampire: the Masquarade] (【ShadowRun】 なんかも、 VtMと同じと考えて良いでしょう)とか、 [Zero] あたりを見てもらうのも良いと思います。

このあたりもリアリティーについての考慮の対象にするべき事柄と言えるでしょう。 [an error occurred while processing this directive]

## ワールドのリアリティー

もう、しつこいくらいに繰り返しますが、 遊ぶ側から見た場合、そのRPGが現実を舞台としようとも、 RPGのワールドというのはしょせんは虚構です。 システム面についていえば、人間の能力についての「常識」や、 成功する確率の「感覚」、 そして場合によってはオリンピックなどの競技会の記録という、 基準になりえないとも 言えないような気がしないでもないようなものが有ったわけです。

しかし、ワールドについてはどうでしょうか? そんな基準になりえないとも言えないような気がしないでもないらしきものすら 存在しないのではないでしょうか?

ということで、ワールドについてのリアリティーというのは、 どんなむちゃくちゃな設定であっても、デザイナーのいうことを まるのみしてしまうしかないという考え方が有ります。 例えば、鉄 の塊が (いや厳密に言えば「鉄の塊」ではないけどね) 空を飛ぶというようなことを江戸時代の人に言ったって、 彼らは「リアリティー」など感じないでしょう。 でも現実に現在では飛行機 (さっきも言ったけど、厳密には「鉄の塊」というわけ ではないけどね) が飛んでいるわけです。 つまり、どんなに無茶に思える設定であってもデザイナーが 考えた世界をそういうものとして楽しむという 考え方ですね。 極論してしまえば、RPGのプレイヤーにはそういう考えかたしか許されて いないわけですけどね。 [an error occurred while processing this directive]

もちろん、書き手と読み手の双方に根性が有れば、 1から説明することもできますけどね。

でも、そんなことしたら、ルールブックが百科事典になっちゃう。 [an error occurred while processing this directive]

ところが作る側の視点から見ると、どんなむちゃくちゃな設定であっても、 というか現実の (それも現在の) 世界から離れるほど、それを作ること自体が 大変だったりします。 遊ぶ側にその世界を理解してもらうためには、必要な記述量がそれなりのものに なってしまうからです。 あるいは表現が難しくなるからです。 例えば、見たこともないようなものをどのように表現したら良いのでしょうか? まぁ、必殺技として 「理由なんか知らないよ。とにかくそうなってるんだ!」 攻撃が有りますが... [an error occurred while processing this directive]

例えば、通貨のない世界の人に、通貨の説明をするのは、 最終的にはこの攻撃によるしかないんじゃないかな? [an error occurred while processing this directive]

ともかく、システムの方は言ってしまえば、基本的な判定方法だけが 設定されていれば、 それを基本にしていろんな状況における判定を作り出していくことが できるわけです (すくなくともデザイナーの意図していると思われる線に沿ってね)。 それに対して世界のほうはこれがなかなかそうは簡単にいきません。 例えば、江戸時代の人に現代がどういう世界かを説明しようとすると、 何より物品そのものが多いとかなんとかでその作業が大変であることは 想像に難くないでしょう。 物品以外にも、社会の仕組とかも説明しなきゃならないわけで、 その大変さは想像を越えるものであろうことは想像がつきます。 しかも、社会の仕組なんかになると、もうさっき言った必殺技を使うしか ない場面も多くなることでしょう。

なら、現実の (かつ現在の) 世界なら簡単かと言うと、 確かに世界設定は簡単になるかもしれませんが、 システム面においてリアリティーを出すのが大変になるでしょう。 いかに虚構の世界であっても、「現実の世界だ」とか「現在の世界だ」と 一言言ってしまえば、プレイヤーやいやおうなしに 現実の世界とシステムの作り出す世界とを比べてしまうでしょうから。 もちろん、例えば陸上競技の記録など資料はたくさん存在するでしょうが、 システム的にそれにいかに合致したものにするのかというあたりでの 作業がやはり大変になるわけです。 結局、どっちにしても大変なわけだ...^^;

ただし、どういうワールドを設定するにしても、我々の持っている常識というか、 ほとんど反射的に思い描くようなことがらに関しては、 それに反した設定やルールは作らない方が良いのではないかと思います。 なぜなら、そのワールドやシステムで遊ぶのは我々人間であるために、 その直観に反するようなワールドやシステムは理解しにくかったり 対応できにくかったりということが有るからです。

もっともこれもどこまで従うべきなのかというのはよく分かりません。 SFなどでは無重力というのはあたりまえに表われますが、 これは我々には直観的には理解とか想像できません。 しかし「それは分かる」という段階に有り、SF-RPGにおいても 現われています (もっとも、いつのまにか人工重力場の発生が可能になってたりと いう設定のほうが今では普通かもしれませんが)。 ただ、こういう例も有るということで、我々には直観的に理解しにくい 設定はやめたほうが良いとは言っても、先の「成功率」の問題ほど はっきりとどうこうと言えるものではありません。 [an error occurred while processing this directive]

いや、成功率のほうでも たいして明確に、何かを言えたわけではありませんが... [an error occurred while processing this directive]

これは単純に、その記述が充分かつ理解しやすく書いてあるのかどうかという 問題にすぎないのかもしれません。 そして、おそらくは、何らかの形で、現在の我々が持っている常識から 類推が付くようなワールドにしておくほうが良いような気がするという 程度のことなんかもしれません。 ただ、常識とは言っても、現実世界の常識にこだわる必要は無くて、 例えばファンタジーの常識、SFの常識なども含めて良いものとは思いますが。 おまけに人間の社会である必要もないのかもしれません。 例えば、[Zero] の社会を説明するのには、 蟻の社会を例にするのが楽であり、理解が早いというようにです。

世界のリアリティーについても結局は、「それっぽさ」という話なのだけど、 それなりの「それっぽさ」を出すこと自体が、大変な作業量を要求している ということです。 遊ぶ側は、世界の設定がどういうものであれ「そういう世界」として遊ぶことが できなくはないけど、「そういう世界」が「どういう世界」なのかが 分からなければ、PCの行動のしようもないし、シナリオの作りようもないという ことですね。 [an error occurred while processing this directive]

## 結局リアリティーって?

結局、リアリティーとは「それっぽさ」のことなんだけど、 「それっぽさ」というもの自体があやふやで何ともとらえ難いものです。 これがヒストリカル・ワーゲームならば、 ゲーム中に登場する物品や部隊数が史実に忠実か、 そして結果が史実どおりになりやすいかどうかとかをもってリアリティーと言える のかもしれません。

でもRPGの場合って、どうやってリアリティーが有るとか無いとかという ことを言えるのでしょうか? それはもちろん、例えば陸上競技の世界記録とかなんとかを参考にして、 それっぽさを出すことはできるかもしれません。 陸上競技に限らず、おそらくは競技ならば何とかそれなりの それっぽさを現実に基づいて出すことができると思います。

しかしRPGのPCが行なう行動は、そのような競技から 考えられるものだけではありません。 例えば視覚など、どうパラメーター化したら良いのでしょうか? 視覚の鋭さの違いというのはどの程度の違いが有るのでしょうか? 単純な視力と、動態視力は別のパラメーターにするべきなのでしょうか? 3次元での空間認識力と視覚との関係はどうなのでしょうか? またそれらの能力差はどの程度有り、またどの程度に分類するべきなのでしょうか? これらのデータを取るのはとっても大変そうです。 [an error occurred while processing this directive]

例えば、視覚や聴覚については、現実にはかなり調べられてますけど、 その資料が 競技の場合ほど手に入れやすい環境には有りませんよね。 [an error occurred while processing this directive]

というわけで、分からないことや、あるいは分かることであっても その能力差を作ることに意味が有るかどうか分からないことについては、 とりあえず「こんなもん」という感じで作らざるをえないわけです。

結局、一言でまとめるなら、「それっぽければ良い」わけで、 しかもその「それっぽさ」というのはデザイナーが「そういう世界なの!」と 言ってしまえば良いことなので (プレイヤーに受け入れられるかどうかは 別問題だけどね)、結論としては「ワールドやシステムそのものの リアリティーについてはあまり深く考えなくて良い」ということになると思います。 むしろ、プレイヤーやGMにそれらが理解できるかどうかこそが問題であり、 それによってプレイヤーはリアリティーを感じると言うべきなのかもしれません。


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